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俺の上司が凄すぎて自称天才エンジニアの俺がポンコツに見える件  作者: 慧梓
第3章 東都の日常②

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第38話 月次タスク戦争

俺は自称天才エンジニアである。


理論は完璧。

ロジックは美しい。

想定外は想定済み。


――の、はずだが今日は月末月次。


朝は静かだった。


定期便。

エンジニアが一番嫌う仕事だ。


件数確認。

期間確認。

整合チェック。


やることは単純。

だが。


ミスは許されない。


俺は画面を見る。

ログは流れている。

問題はない。


……はずだった。


新人A「止まりました!!」


来た。


新人B「ログが……変です……!」


俺は立ち上がる。

皮肉屋SEがこちらを見る。


皮肉屋SE「終わりましたね」


俺「いや」


ログを見る。


一つだけ。

遅れている。


脳内で処理順、ログ時間、整合を確認する。


一瞬、思考が止まる。


(……めんどくせぇ)

(時間ねぇのに)


だが。


次の瞬間。


時間が、少しだけ遅くなる。


ログが並ぶ。

処理が見える。

流れが見える。


……綺麗だ。


俺「……他は全部、綺麗だ」


新人A「え……?」


俺「異常は一箇所だけだ」


皮肉屋SE「ほう」


俺「そいつだけ切り離せ」


新人B「え、でもそれだと……!」


俺「全体は死なない」


一拍。


新人A「……やります!」


処理。

隔離。

再実行。


ログが流れる。


正常。

正常。

正常。


……復帰。


皮肉屋SE「勝ちましたね」


俺「……完璧だ」


その時だった。


上司「終わった?」


振り向く。


上司はいつも通りの顔で立っている。

赤いジャケット。

何も知らない顔。


俺「終わりました」


上司「そう」


一歩、近づく。


上司「で、何やったの?」


俺は少しだけ考える。


俺「異常ログを隔離して、全体整合を優先しました」


上司「へぇ」


一瞬だけ。


上司の目が変わる。


上司「……いい判断」


それだけ言って。


上司「コーヒーでも飲んでな」


去っていく。


俺は座る。


コーヒーを飲む。


……うまい。


ログを見る。


SYSTEM ALL GREEN


……終わった。


だが。


俺は知っている。


半月後。


月次タスク戦争。


そしてその先に。


年度調整レイド。


俺「……定期便、嫌い」


コーヒーをもう一口飲んだ。


(完璧だ)


(……たぶん)

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