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俺の上司が凄すぎて自称天才エンジニアの俺がポンコツに見える件  作者: 慧梓
第2章 Arjuna

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第28話「最初のライブ」

俺は自称天才エンジニアである。


――と、いつもなら言うところだが、


今日は少し違う。


これは


まだ


会社も


仕事も


関係ない頃の話。


小さなライブハウス。


照明。


歓声。


その日、


二つのユニットが出演していた。


一つは


光と影の二重奏。


ステージに立つ


二人の歌姫。


光の歌姫。


透き通る声。


高く、


真っ直ぐに伸びる。


その横で


影の歌姫。


深い声。


柔らかく、


包み込む。


二人の歌が重なる。


ハーモニー。


観客は


静かに聞き入っている。


曲が終わる。


拍手。


歓声。


ステージ裏。


影の歌姫が言う。


「今日も満員だね」


光の歌姫が笑う。


「楽しかった」


その時。


遠くから


ドラムの音。


重い。


速い。


正確。


影の歌姫が言う。


「あの人だ」


光の歌姫が少し笑う。


「鼓動の人」


ドラムが止まる。


ステージに


次のユニットが出る。


太鼓。


リズム。


歓声。


そして


センター。


長い黒髪。


白い衣装。


スティックを軽く回す。


観客がざわつく。


影の歌姫が言う。


「あの人」


光の歌姫がうなずく。


「リーダーだね」


リズムが始まる。


強い。


重い。


ドラムが


空気を震わせる。


観客の手拍子が


自然に揃う。


光の歌姫が小さく言う。


「すごい」


影の歌姫も言う。


「うん」


ライブが終わる。


歓声。


拍手。


ステージ裏。


長い黒髪のドラマーが


スティックを置く。


深呼吸。


その時、


声がする。


「いいリズムだった」


振り向く。


そこには


二人の歌姫。


ドラマーは少し驚く。


光の歌姫が笑う。


「あなたのドラム」


「すごかった」


影の歌姫も言う。


「リズムが綺麗」


ドラマーは少し照れる。


「ありがとう」


そして言う。


「そっちの歌も」


「良かった」


三人が


少しだけ笑う。


影の歌姫が聞く。


「ドラム好き?」


ドラマーは答える。


「うん」


そして少しだけ笑う。


「リズムは」


一拍。


「裏切らないから」


三人が


もう一度笑う。


その日。


同じステージで


初めて出会った。


まだ誰も知らない。


この三人が


同じ時代を


走ることになること。


そして


その物語が


ある事故で


終わることも。

若い頃の出会いというのは、


その時は


ただの出来事でも、


後から振り返ると


「ここからだった」


と思う瞬間があります。


人生の大きな物語は、


だいたい


こんな小さな場所から


始まるのかもしれません。

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