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謎の怪力悪鬼の襲撃

ある日事務所でれみと一緒に人形遊びをしていた妖姫は、何か怪しい気配を感じ取っていた。

「ん?我が下僕れみよ、何か感じないか?」

「え?何も感じないけど。気のせいじゃない?」

しかし、確かに妖姫は何か奇妙なものを感じているようだった。

熊の人形を持つ手が、僅かに震えてる。

恐怖で震えてるのかと思ったが、その顔は自然な表情だ。大して警戒していないようにも見える。

それほど大きな力ではないかと思ったが…。


…事務所全体が、突然揺れだした。

これは…地震などの揺れではない。何か大きなものが走り出して揺れているようだ。


…どう考えても警戒すべき力だ。


「!妖姫危ない!」

れみが飛び出し、妖姫を突き飛ばす!

妖姫はボールのようにコロコロ転がり、壁にぶつかってひっくり返る。

同時に、壁が何かに押し破られるように崩壊した!!

妖姫の上に覆い被さるれみ。おかげで、妖姫は降りかかる瓦礫を浴びずに済んだ。

代わりにれみが背中に瓦礫を叩きつけられたが…。

「ぐ!」

覆い被さったままバランスを崩し、妖姫に向かって倒れるれみ。

いつもなら上から目線で押し払う妖姫だが、この時はれみをきちんと受け止めた。

「れ、れみ!大丈夫か!?」

「だ、大丈夫…!」

震えながら立ち上がるれみ。

何が来たのかと、振り替えると…。



そこには…真っ赤な体の巨人がこちらを見下ろしていた。

頭には一本の黄色い角が生えており、建物程もある巨体を持っている。

トカゲのような尻尾が生えていたり、背中からも腕が生えている。下半身は獣のような形状で、伝承に伝わるケンタウロスのような、かなりの異形だ。

これは…感じられる魔力からして間違いない。

悪鬼だ。

「よく無事でいられたなぁ!」

悪鬼は今度は腕を執行に振り下ろしまくり、事務所の床を穴だらけにしながられみに向かう!

れみは避けまくりながら悪鬼の隙を探す。

「…!」

一瞬の隙を見つけた。

息を呑んで飛び出し、蹴りを決め込んだ!


…が、凄まじい硬さで衝撃を跳ね返されてしまう。

更にそこから悪鬼は腕を振るい、れみを叩き飛ばす!

地面に落としたところで足を振り下ろすコンボ攻撃を仕掛けようとするなど、巨体からは考えられないような身のこなしだ。

れみは素早く転がって回避するが、悪鬼は踏みつけと同時に倒れこみ、周囲に土砂を散らしまくる。

何と激しい攻撃だ。このままでは事務所が完全に崩壊する。

れみは空中飛行を始め、空中から悪鬼を迎え討とうとするが、あいにく悪鬼も飛行能力を持っていたようで、空中のれみ目掛けて拳を構えて飛んでくる!

不意を突かれ、殴り飛ばされるれみ。更なる高さまで吹っ飛ばされ、体勢を崩して落ちてくる。

落ちてきたれみの腹部に悪鬼は獣の足で蹴りを叩き込んだ!

思わず息を吹き出すれみ。凄い連続攻撃だ。

動けなくなり、悪鬼の足から落ちるれみ。

「邪魔が現れたと聞いて来てみたが、こんなものか。バナナみたいな髪のアンドロイドのガキめ。スクラップにしてやる!!」

悪鬼が大きく足を振り上げる。影に呑まれるれみ!



…直後、悪鬼の足に痛みが走った。

「ぐっ!?」

予想外のダメージにひっくり返る悪鬼。

倒れて力が出ないれみの体が地響きで浮き上がり、そんな彼女を誰かが抱き抱えた。


目を開けるれみ。



彼女を助けたのは…姉、れなだった!

「よくも妹を痛め付けたな!」

いつになく真剣な様子のれな。

更によく見ると、れみは左手のみで抱えられている。

右手には、悪意を司る杖が握られていた。自宅の研究所から持ってきたのだ。

れなは杖を掲げ、青い光を放つ!!れみも悪鬼も目を覆った。


…次に目を開けると、れなの黄色かった髪が黒く染まっていた。

この悪鬼は、通常の姿では勝てないと見たのだろう。

れなは事務所の空いた穴に降り、ソファーの上にれみと杖を下ろす。

「そこで漫画でも読みながら待ってろ!」

ウインクするれな。

あまりに抜けているが、れみはそんな姉が何だかんだ好きだった。

れみがふんわり笑ったのを見てれなは振り返り、立ち上がる。

「またアンドロイドが来たか。バナナみたいな髪がイカスミヘアーになるとはな!」

髪が変わったところで何の問題もないと、悪鬼は今度は踵落としを繰り出してきた!

れなは黒い閃光を放ちながらそれをかわす。悪鬼の踵が地面に叩きつけられると同時に、周囲にコンクリートの断片が猛速度で飛んでいき、周囲の建物に突き刺さる。

れなは悪鬼の腕に蹴りや拳の突きをひたすら繰り出しながら真横を通過していく。

悪鬼の腕に、無数の打撃の衝撃が流れ、思わず腕を抑える。

「ぐわああああ!!虫みてえな事しやがって!!」

両腕を振り回して暴れだす悪鬼。

しかし全身の全機能が悪意のエネルギーで大幅にアップデートされたこの状態のれなは動体視力も優れている。

高速で振り回される悪鬼の腕を一発で掴み、持ち上げ、空中へ投げ飛ばす!

悪鬼は空中飛行の体勢もとれずにバタバタと慌てながら飛んでいく。

「オメガキャノン!!」

れなの精悍な叫びが大空を貫くと同時に、右手から黒い破壊光線が放たれた!

悪鬼はたちまち光に呑まれ、大爆発に巻き込まれ、吹き飛ばされていった。

「ちくしょーーー!!」

遥か遠くへ吹き飛ばされた悪鬼。あとには、破壊された事務所が残っているのみ…。

れなは黒髪を解除、塗装が剥がれるかのように、黄色い髪に戻った。


「お姉ちゃん!大丈夫?」

駆け寄るれみに、れなはピースをして余裕そうな笑みを浮かべた。

…とは言え、やつの力は黒髪にならなければかなりまずかった。

杖を見て、れなは更に強くなる意志を固めたようだ。

「この杖無しで戦えるようにならないとな…」

強敵との戦いを通じ、れなの闘志がぐっと固まった。

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