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25.従者くん、火を吹く


「もうダメですわーーーーーーーッ!!」


 まずいまずいまずいまずい!!

 まさか洞窟が壊れないとか思わないじゃん!! こんだけ頑張って無理なんかいとか思わないじゃん!!

 とりあえずアンジェリカを庇うように前に立つ。でも、殴っても蹴ってもきかない相手にどうやって対抗すれば……!!


「火を吹けばいいんでちゅわ!!」


 知らない声が、足元から響いた。

 へ、と思って下を見る。


「ネロちゃまが火を吹けば、あんなガイコツ一発でちゅわ!!」


 アンジェリカの連れてる小竜……スピカが私の足元にちょこなんと座っていた。

 火……火を!? 吹く!? 私が!?


「っど、どどど、どーやって!? 火ならまだスピカの方が吹けるんじゃないの!?」

「あたくちは魔臓が退化ちてるから無理でちゅ!! でも、始祖ちゃまの血を引くネロちゃまなら吹けまちゅわ!!」


 始祖……あの意味深ジジイのことか!!

 確かにあの竜なら多分火吹ける。それにネロだってゲームの中で邪竜化した時は火吹いてた。でも、そうは言われましても!!

 そうこう考えている間にも竜の足音は迫ってくる。やるしかないの!? マジで!? 私が!?


「ど、どーやって吹くのぉッ!?」

「魔臓に魔力を溜めるんでちゅ!!」

「わかるかァ!! どこだよ魔臓!!」

「お腹の真ん中!!」


 お腹の真ん中……へそのあたりか!? ぐっと腹を抑えて息を吐いてみる。すると。


「ぶはっ!!」


 ぼふっ、と音を立てて……煙は、出た……。

 えっ、マジで、火、吹けるの……?


「その調子でちゅ! お腹に力入れて、踏ん張って! ぼん! でちゅわ!!」


 迫る人工竜。怯えきってうずくまってるアンジェリカ。さらに後ろにはここまでお膳立てしてくれたみんな。

 や……やるしか、ない……!!


「ッッ……成せばなる!!」


 地面をしっかり踏み締めて、腹から声を上げる。


「なさねばならぬッッ!! 何事も!!」


 そのまま、すう、と大きく息を吸い込んだ。


「理屈はっ……」


 どんどん腹が熱くなる。身体の内側が燃えている。口を開くと、ぼふん、と熱い煙が漏れて。


「あとだあああああああああああああああああああああああッッッッ!!」


 洞窟内を揺らす大声と共に、私の口から───ごおっ、と轟音をたてて、猛火が噴き出した。


 マジで出た! 私ゃゴジラか!!


 混乱している間にも赤い炎は洞窟内を走り、その奥にいる人工竜を捉える。そして猛火は、人工竜の巨体を全部包み込んで──────……。

 断末魔のような咆哮と共に、人工竜は炎の中で崩れ落ちた。


「っは……はっ……はぁ……ッ」


 役目を終えたと言わんばかりに炎は小さくなり、洞窟の端々を赤く照らす。それを見てどっと安堵と疲労感が押し寄せて、私はその場にへたり込んだ。


「ねっ……ネロ様……!? なっ、何が、起こったんですの……?」


 うずくまっていたアンジェリカが、急に訪れた静けさに顔を上げる。

 あっ……よかった、火吹いたところ、見られてない……。


「あっ……アンジェリカ様……」

「だ、大丈夫ですか!? 人工竜は……っ」

「人工竜は、も、もう、大丈夫、なので……」


 もはや座ってるのすらきつい。ばたん、とその場に大の字になり。


「……あっちまで、運んでもらっていいっすか……」

「ネロ様ーーーーーーーッ!!」


 ぶっつりと、意識を手放した。

「好きだな」って思ってくれたらお好みの形で好き♡を伝えてくれるとうれしいです♡

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