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虹の架け橋  作者: 藤井桜
新婚編
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秋の味覚とリクエスト



 実家のお父さん曰く「うめぇ、ごっつぉ、食わせてやりたいべ」だそうだ。そういうわけで、秋になると、私のところだけではなく、(よし)くんの実家とか、遥くんの実家、遥くん、料理しないので、そこは実家にだ、に荷物が届く。

 十月の初めに送って寄越したばかりなのに、更に送って寄越した。いや、前のも消費出来ずに残っていますが? それを、聞いて「麻衣はお義父さんに似たのか」と笑った。どこが、って聞くと「豪快なところ。いつも、優柔不断で悩むのに、たまに潔いよね」そんな事ないよね。遥くんに同意を求めると、無言で首を横に振られた。今日は、遥くんもうちに来ている。


 それで、秋刀魚、銀鮭、南瓜、など、野菜も大量に送られてきた。前回送って来た、米と牡蠣は入っていなかったけど。これどうするんだ。まぁ、スマホのレシピサイト見る事になるかな。それと、きちんと、小分けにして、冷凍庫行きかな。

 お酒でも良かったのに、今回は入ってなかった。きっと、私が飲み過ぎるから、送って来なかったのだろう。まぁ、前回、送って来たからね。



「嘉、このラインナップなら、俺、ちゃんちゃん焼食いたい」

「野菜増やそう」

「そうだな、そうしてくれ」



 珍しく、遥くん食べたいものリクエストしている。今日は、遥くんが、遊びに来ていた。ちゃんちゃん焼きは、北海道の名物で、銀鮭でもいけるのかな。それを、嘉くんにリクエストしている。嘉くんは、必要なもの確認している。野菜、追加すればいけそうだなと呟いている。

 会話が嘉くんが奥さんで遥くんが旦那さんの様な感じなんですが、怒られるから言わないけれど。


 冷蔵庫や冷凍庫に何があるのか、一番把握しているのは、嘉くんです。ほら、私、食事に対してあまり、積極的じゃないから。結婚後が、というか、付き合い初め頃から、ほとんど、空っぽに近かった冷蔵庫の中が充実しました。実家から野菜は送られて来てはいたけれど、そこまで頻繁にではなかった。

 冷蔵庫は、私が使っていたものではなく、嘉くんが使っていたものになりました、そっちの方が容量が大きかったから。実家の両親も結婚相手が嘉くんで、すごく、喜んだ。だって、料理出来て、私にちゃんと食べさせてくれる人って、認識なんだもの。

 前の私は、基本、生きて行くために最低限、食べていた感じで、お酒飲んじゃうと、食べ物は一切、食べない。甘いものにも、美味しいものにも拘りがないし、好きだと公言出来るのは、唯一、カキフライだけだ。でも、最近は、年齢のせいか、カキフライですら、食べる量が減っている。



 そういえば、結婚していた時の料理状況を聞かれた。聞いて来たのは、もちろん、遥くんの方だ。外で買って来たものを食べたり、仕事が忙しい広大(こうだい)くんは、外で食べる事が多かった。家で作る事は一度も無かったと思う。作れるけど、作らなかったが正しい。そのうち、心配した、莉子さんが、広大くんがいない時に差し入れしてくれる事も増えたし、お家に呼んでもくれた。あの時は、莉子さんで生きていた様な気がする。

 それから、莉子さん過保護になっちゃって、きっとそれが莉子さんの婚期が遅れた要因だろう。ちゃんと、良い人に会えて良かった。



「栗ご飯と、豚汁にしようか、麻衣、それで良い?」

「うん、栗わざわざ剥いて送って来たんだね、助かる。買うものあるなら、私行こうか」

「メモ取るから、遥と行って。暗くなって来たし」

「それくらい大丈夫なのに」

「女の子なの自覚しなさい」

「いやいや、子って言う年齢じゃないでしょ」



 不意に私の手から、メモを奪った遥くんは、上着を羽織るとさっさと玄関に向かう。突っ込みも何もなかった。私は慌てて、遥くんの後を追うと、嘉くんが上着を投げて寄越した。慌てて受け取ると、遥くんを追う。


 十月の末頃になると結構、夜の外は冷える。コートまでは、行かなくても、上着が一枚、必要な季節だ。私と遥くんの服装は、着る服一枚分の差があった。それで、寒くないの、って遥くんにも良く聞かれる。東京では、手袋もマフラーも十二月の半ばぐらいまで、使う事はない様に思う。今年は暖かい方だと思う。


 近所のスーパーで、必要なものを購入する。遥くん、メモされたものも買ったけれど、しっかり、おやつも買っている。じゃあ、私もお酒買って行こうかな。だって、実家から送られて来た箱には今回はお酒入っていないんだもの。



「やっぱり、ちゃんちゃん焼きには、日本酒だよね」

「焼酎でも、ビールでも合うと思うけどな。飲みたいだけだろ」

「バレましたか」



 その日、嘉隆くんは、遥くんのリクエストのちゃんちゃん焼きを作ってくれた。優しい旦那様で嬉しいです。もちろん、遥くんと二人でお手伝いもしました。

 そして、一緒に作った簡単な常備菜は遥くんへのお土産にしました。助かるって、言ってもらった。ご飯は流石に、拘りの範疇ではないので、ちゃんと炊ける様です。



 秋は美味しいものいっぱいありますね。

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