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虹の架け橋  作者: 藤井桜
新婚編
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兄、全国放送に出る



 私の実家の家族LINEに(よし)くんの名前が加わってから、更に頻繁に長兄からメッセージが届くようになった。相変わらず、奥さんの、咲子(さきこ)さんに仕事しろ、と突っ込まれている。農機の上で、スマホ触っているんだろうな。(あん)は仙台の専門学校に進学して、今は実家にはいない。それでも、通話アプリで繋がっているので、寂しい感じはしないそうだ。でも、頻繁にメッセージを寄越すって事は実は寂しいのではないか?


 その日の夜、突然の兄からの通話に驚いた。大事な事は、メッセージではなく、通話を選ぶのは、昔からの兄の癖だ。何か、悪い知らせかと思われたが、兄の声はどこか弾んでいて、嬉しそうだ。



『麻衣、元気にしているか? 飯はちゃんと食ってるか? そっち、いぎなり暑いんじゃないか?』

「まぁ、普通? 元気だしご飯もちゃんと食べてるよ。いつも、野菜ありがとうね。こっち、暑いって言っても基本、屋内にいるから。実家のお父さんたちの部屋に比べれば、エアコンあるから涼しいって」

『それなんだけど、エアコン流石につけた。ついでにお前たちの部屋にも』

「滅多に帰らないのに、勿体無い。お父さんたちの部屋につけたのは、良かったよ。ずっと、気になっていたからね。それで、報告ってその事?」

『いや、それだけの事なら、LINEで済ませるさ。実は、TVに出る事になった』



 のどじまんがまたあるのかと思ったら違った。『イケメン農家が作る旬の野菜』いや、どこにイケメンがいる。というツッコミは、家族全員(嘉くん除く)から出た。金髪にした短髪に無精髭、年中、ツナギ来たヤンキーおじさんの間違いではないのか?

 そんなわけで、全国放送のTV番組に兄が取り上げられるらしい。番組の収録は終わっているらしく、後は、放送を待つだけになっているらしい。本当は、撮影する事や撮影する日の事も言いたくてうずうずしていたらしい。まぁ、芸能界にいるとその辺の加減難しいよね。私だって、嘉くんだって、発表がある時まで、黙秘を続けているからね。まぁ、家族内なら、大目にみてくれる事もあるけれど。実家だと大人ばかりじゃないので、本当に辛かっただろう。子供たちに話でもしたら、周りに広がるのは目に見えているしね。


 ただ、一つ問題があってな、と言って兄は何か言い渋っている様だ。まぁ、どうせばれるしな、おい、兄よ、何か問題起こしたのか。覚悟を決めたようで、口を開いた内容に今更だと思った。今まで、あれだけ、配信サイトやら、のどじまんやらで、公にして来たのだ、知っている人は知っている。それに、杏の誕生日にも実家の庭であんなに大騒ぎになるくらい騒いだのだ。当然の結果だと思う。それと、もう一つ、のどじまんと同じ放送局であった番組に私が出させてもらった時に、しっかり、兄ののどじまんの時の映像も流れて、話題になった。



『多分、お前の兄と紹介されると思う』



 知ってた、というかまだ、その事、気にしていたのか。番組も事務所も事前に私のその話題を振ってこないのは、それほど大きな問題になるとは思っていないからだろう。どちらかと言うと暗黙の了解な感じで知っている人は多いと思う。問題にはならないけれど、話題にはちょくちょくなってるけれど。



「のどじまんに出て優勝した時点で悠兄も有名人なんだよ。諦めなさい。それが、偶然、歌手の妹がいただけ、気にする事ないよ。それとも、レーゲンボーゲンの浅生(あそう)嘉隆の義理の兄の方が良かった?」

『それだけは、勘弁してくれ』



 大きい身体つきの割には、考え方が川村家の人間なのか、色々と気にする性格は私と一緒だ。それを、大らかな咲子さんがばんばんと背中を叩いて、鼓舞する。良い夫婦仲なのかもしれない。



 夕方の放送なようので、楽しみが増えた。遥くんたちにも、教えようと思う。きっと、見てくれるだろう。また、兄のファンが増えるのかな、そう思うと少し嬉しい。



 悠兄を取り上げて見ました、こう言う脇役のお話はあってもいいのかな。

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