決して相入れない人たち(sideレーゲンボーゲン)
麻衣の元夫が回想以外で初登場、少し、不快な会話していますのでご注意を。詳しくは後書きの方で。
城咲広大は、レーゲンボーゲンとは、今まで、一緒にTV番組に出る事があっても、話した事はなかった。グループ名は『ケセラセラ』、有名なアイドル事務所の所属だ。デビュー後、麻衣と結婚した頃は、アイドル活動よりも、俳優として、活躍していたので、会う機会はなかった。
その後、嘉隆の結婚離婚休止と、たて続けにあり、その間に、城咲広大は、また、アイドル活動を再開した経緯がある。そして、再始動を初めたレーゲンボーゲンと歌番組で一緒になる事もある。
基本、城咲広大が所属するアイドルグループ『ケセラセラ』は番組の後半に登場してトリを務める事が多いし、レーゲンボーゲンは、番組の初めに歌う事が多い。歌のジャンルも大きく違う、広大は、あの事があってから、事務所から、ビートルズの話題は避ける様に言われたのか、広大がその話題を出す事はない。
それが、嘉隆たちにとっては助かっていた。もしも、その話題に触れていたら、きっと番組側が振らない訳がない。レーゲンボーゲンのビートルズ好きはかなり有名だ。
少しでも、リスクを避けるために、積極的に会う事を避けていたつもりだった、そして、その時も、無視しようと思っていたのだが、久々に番組が一緒になってしまった。
また、申し訳無さそうな、表情を浮かべる沖の顔が思い浮かんだ。麻衣は一緒ではない。麻衣だけは、事務所側が彼女を守るために、城咲広大との共演をNGとしているからだ。
「浅生さん、初めまして」
後ろから声を掛けられて、嘉隆と遥が振り返った。相手が城咲広大だと分かると、あからさまに嘉隆は嫌な顔をした。遥も小声であーあと呟くと、嘉隆を庇う様に前に出た。
三月のレーゲンボーゲンのデビュー日、再始動日のあの日、嘉隆と麻衣は入籍して、世間に結婚した事を告げたばかりだ。きっと、彼がその話題に触れる事は目に見えていた。
「僕の事知らない?」
「城咲広大さん」
「古川さんに聞いてるんじゃないんだけどなぁ。まぁ、いいか、浅生さん、結婚おめでとう、麻衣って、あんな見た目だし、抱いても全然、気持ち良くないでしょ」
遥は嘉隆の耳元で、「落ち着け」と呟いてる。広大の言い方はあからさまで、それが気に障った。祝福していない様な、喋り方で、更に麻衣を傷付ける様な発言をする。そして、続けた言葉は、流石に遥の気にも触ったようだ。
「麻衣よりも、君たちの方が仲良しなんじゃないの?」
デビュー当時から、二人の関係が深い仲などと言う人たちもいた。ずっと、陰では、言われて来た事だ。それだけなら、今更、気にする事もなかった。しかし、それを、言ったのが、広大だから問題だった。
「浅生さんって、もしかして」
その言葉は、遥によって遮られた。続く言葉があまり、良い言葉ではないのが、分かったからだ。男が好き、そんなところだろう。麻衣の見た目と、レーゲンボーゲンの仲の良さにそう思ったのだろう。
「それ以上は、あまりに失礼ですよ。もう、麻衣ちゃんと、城咲さんは関係ないでしょう」
遥はこう言う時に役に立つ。きっと、嘉隆だったら、激昂して殴りかかっていたかもしれない。騒ぎを聞きつけて、広大の他のケセラセラのメンバーが近寄ってくる。メンバーたちはも広大の結婚の話は知っていたが、主に麻衣ではなく、次に結婚した売れっ子アイドルとの事の方だ。
それが、嘉隆の結婚相手と結びつかないようで、広大をなだめてくれた。麻衣の見た目はデビュー当時から比べると大きく違う。名前さえ違うのだ。結婚した事があるので、広大は麻衣が本名だと言う事を知っている。
広大のグループメンバーは六人グループだが、実は大きく変わっている。脱退と新規加入を繰り返して、当時のメンバーは広大ともう一人だけだ。その一人も麻衣の事に対して詳しくはないし、広大もまた、あまり良い話ではないので、話していなかったのだろう。大部分の事が事務所から秘密事項とされている。
広大、川村さん好きだっけ、なんて言っている。そして、純粋に嘉隆に結婚のお祝いを口にしている。それで、少しは、落ち着いたようだ。遥が嘉隆を抑え込もうと肩に手を掛けていたが、それを下ろす。
「ありがとう」
「じゃあ、次、俺たちなんで」
頭を下げて、二人はその場を後にする。その、後ろ姿を広大は、不機嫌さを隠す事なく睨みつけていた。
麻衣の元夫の広大くん登場です。逆撫でする様な発言の数々、あまり良い人ではありません。これからも、そのままです。私のこの作品の中での唯一のヴィランです。BL要素があるわけではないのですが、二人組デュオだとこう思われる事もありますよね、っていうお話。
不快に感じられる内容で申し訳ありません。でも、広大くんを印象付けるためには、無くてはならない話題でした。




