チョコミン党の野望(sideレーゲンボーゲン)*
嘉隆くんの偏食シリーズになっているような気がします。
俺はやめろって、言ったよ? 苦笑しながら、荘太郎は、俺は止めた、と言った。暑いので、今日は差し入れにと、近所のコンビニでアイスを買ってきた。愛夢も主婦なので、カバンに保冷バッグが入っていたので、溶ける心配はなかった。
愛夢が買って来たアイスには嘉隆は、嫌な顔をした。それを見た愛夢は満足そうにテーブルにアイスの山を築いた。
「なんで、それ、ピンポイントで買ってくるかな」
「だって、チョコミント美味しいよね」
「歯磨き粉の味がして嫌なんだよね」
「あ、やっぱり!」
「分かっていて、買ってくるなよ。ね、荘太郎、ぐりぐりしていい?」
荘太郎の許可をもらった嘉隆は、だってー、と言う愛夢のこめかみをぐりぐりする。それでも、それほど強くしたわけではないので、笑いながら、嘉隆に勝ったと喜んでいる。
「この大量のチョコミントどうするの」
「この中で食べれないのって、浅生さんだけ?」
嘉隆以外は食べる。食べれるが、あまり好きでもないと言うのが、佑と晃だ。遥は甘ければなんでも食べる。チョコミントは嫌いではない。早速、俺これ、と言って好きなものを選んでいる。
「昔に比べると種類増えたよな」
「そうですね」
遥と愛夢のやり取りに苦笑しながらも、佑は、一番ミントっぽくない無いものを選んだ。晃はじっと無言で荘太郎を見ると、なんで、分かるかな、と言ってもう一つのバッグから残りのアイスを取り出した。愛夢も悪魔では無い。ちゃんと、嘉隆でも食べれるものも買って来ていた。
「嘉、ほい」
「いいの?」
「こっち、本命」
「そっか、さんきゅ」
嘉隆用に買って来てくれたのは、いちご味のアイスだった。晃には、バニラ味だ。こだわりがあるようで品名がアイスクリームになっているものが、晃のお気に入りだ。その辺は、昔からの付き合いなので、好みは知っている。
「やっぱり、嘉はチョコミントはダメか」
「ん」
「前に、聖良ちゃんと意気投合したらしいよ」
知ってる、と呟いた晃も一度、聖良からお土産と言って、チョコミントのお菓子をもらったことがあるようで、その時は、クッキーだった。それも、大きくて、一人で食べるには多いので分けて食べた。軽く温めて、バニラアイスと一緒に食べた。
「それ食ったの?」
「嘉のように食べれないわけじゃないし。クッキーなんだけど、美味かったよ。あれ、アイス乗っけたのが良かった」
「そんなのまで、あるんだ」
「増えたよな、チョコミント味のもの」
「流石だな、やっぱり。知ってるのか」
「チョコミント初心者でも美味しいもの、何かありませんか、って聞かれたらことある」
晃は、配信サイトでクッキング動画の配信をしているので、いろんな質問が来る。基本、お菓子は作らないので、その質問には丁寧に断りを入れたようだ。
「あんなに、美味しいのに!」
「それ、人それぞれだから」
「そっかー」
余ったアイスは冷凍庫に入れられて、遥と愛夢で消費されることになるだろう。スタッフの女の子にも好き嫌いが半々だったのが、面白い。
ご想像の通り、嘉隆くんは、チョコミントはダメです。
「麻衣は、好き?」
「え、チョコミント?」
「ん」
「…食べたことない」
「俺は…」
「うん、察した。付き合っていた子が食べていたんだね」
「それも、あって嫌いなのかも」
「そっか」
「食べたかったら、うちの事務所の冷凍庫にある」
「あは、買ってくる選択肢じゃないんだね」
嘉隆くんは、嫌いな理由は元カノが食べていたからでした。みんなの前では言ってませんが、遥くんは察したかもしれません。




