杏とサッカー観戦(side杏)*
日和のお話の春日和の杏視点のお話になります。特定のスポーツチーム名が出て来ますので、苦手な方はご注意下さいませ。
仙台で、日和と何度か会うことが出来た。日和を連れて来てくれたおじの敬也は、本当は日和と一緒にベガルタの応援に行きたかっただろう。なので、杏は敬也のために提案した。杏も一緒に日和とベガルタの応援に行きたいとお願いしたのだ。
杏は、父の悠一に連れられて、一度だけ、楽天の試合を見に行ったことがある。あの時は、母の咲子と祖母が用事があって行けなくなってしまい、悠一、祖父、弟の彼方と四人で行った。悠一が楽天のペアチケットを二つほどお得意様からもらったらしい。その時のお礼は野菜になったようだ。
「杏、チケット代」
「いいよ、気にするな」
「おんちゃん、ありがとう」
ただし、サッカーは、学校の授業でやったことがあるだけなので、大まかなルールしか知らない。ボールをゴールの入れるだけだとばかり思っていた。そう言ったら、日和と敬也が色々と教えてくれた。敬也だけは無く、日和もサッカーに詳しかった。野球も同じようにあまり、詳しくは無い。杏が詳しいのは、中学の部活でやっていたバドミントンと高校の部活でやった弓道ぐらいだ。
「うん、サッカーは、小さい頃から、何度か応援に来たから、パパが教えてくれた。見るのは好きだよ。でも、学校の友達とはあまり、サッカーの話はしないから」
「ああ、なるほど。男子だと少しはするんだけどね」
「だよね。杏お姉ちゃんも一緒で良かった」
日和から、好きな選手の名前も教えてもらった。でも、行かなくて良いよ、と言っていたわりには、好きな選手のユニフォームを着ていて笑ってしまった。杏もいるか、って敬也に言われたが、知っている選手がいるわけじゃ無いので、いらない、と断った。でも、選手の名前はわからなかったが、マスコットの名前は知っている。
「ねね、日和、オソロ」
「杏お姉ちゃん、いいの?」
「いひひ、今日の記念にね。今度は、バイトして、来る!」
「うん、じゃあ、私もまた来る」
杏はそう言って、『ベガッ太くん』と言う名前のマスコットの小さなぬいぐるみを日和に渡した。多分、持っているかもしれない。半分は自分が欲しかったからだ。鳥のマスコットで、わし座から来ているって、教えてもらった。鳥、なんか飛べそうにないよね、と言ったら笑われた。
「夏休み、帰るから」
「うん、本家に遊びに行く!」
「今度はまた、朝日も連れて来てね」
「うん!」
杏は敬也にアパートまで送ってもらう。一緒に実家からの荷物も預かった。賑やかだったので、少し寂しい。帰って行く二人を見送って、杏は、麻衣に今日のことを報告したのだった。麻衣もまた、サッカーには詳しくはないけれど、サッカーチームの応援歌を歌っていたりする。部屋に入った杏は小さく、『try again』の歌を口遊んだ。
日和とは、いとこの中で女の子同士と言うこともあり杏とは仲良しです。日和は愛奈も大好きで、本家に行くと一緒に遊んであげています。




