冬日和(side日和)*
日和ちゃん視点の四季のお話です。冬のお話で、麻衣が結婚する話です。
パパの妹の麻衣おばさんが結婚する話を聞いた。しかし、それは、家族内で共有されるだけで、公に公表されるのは来年の春で、入籍もその頃になると言うことだ。なので、誰にも話さないように、と注意された。実は、これも話しちゃだめだと言われていたことなので、誰にも話していないが、麻衣おばさんは一度、結婚して離婚している。これは、私が生まれる前の話だ。おばさんは、私のパパよりも二つ下だ。二十二歳の時に結婚したが、二年で離婚した。色々と事情があるのと、私が生まれる前のことなので、詳しく知らなかった。
「浅生さん、なんだよね」
「そうね」
音楽は聞かない事はないが、川村家の本家の人たちに比べるとあまり聞かない方かもしれない。レーゲンボーゲンの名前は知っている。しかし、TVで流れるのを聞くくらいだ。麻衣おばさんの曲はパパの車でも流れるのでそっちは知っている。ママも世代ではあるのだが、どちらかと言うと女性ボーカルの曲を多く聞いていたようで、レーゲンボーゲンは知っていたが、曲はやっぱり、 TVやラジオで流れるのを知っているぐらいだった。
「浅生さんって、どんな人?」
「ごめんね、私もそれほど詳しいわけじゃないの」
「そっか」
仕方が無いので浅生さんについては、調べることにした。結構有名なシンガーな人のようで、調べると簡単に出て来た。広島出身で、麻衣おばさんと同級生だった。去年の秋に杏お姉ちゃんの誕生日のお祝いをした時には来ていなかった。初めてこっちに来てくれたのは、今年の九月に稲刈りに来てくれた時だ。あの時は、私たちも手伝いに行っていたので、挨拶だけした。すごくカッコいい人だとは、思うんだけど、年齢が麻衣おばさんと一緒だなので、やっぱり、私から見て『おんちゃん』だと思ってしまう。
杏お姉ちゃんは東京で会ったことがあるって言ってたんだけど、杏お姉ちゃんが好きなのは、浅生さんの相方の古川さんだったので、詳しく教えてくれなかったということもある。それに、やっぱり、芸能関係者と言うこともあって、実家のおじいちゃんやおばあちゃん、悠おんちゃんも詳しい話はしてくれないので、知らなかったのが実情だ。
「イケメンだね」
九月の時も思ったけれど、すごくイケメンだ。歌っている動画の中で、甘い笑みを浮かべて歌っている。そして、ものすごく歌が上手かった。麻衣おばさんとは、また違った高い声。一緒に歌っている古川さんの声が男らしい力強い歌声に対して、浅生さんの声は高く伸びてとても綺麗な声だった。
「あ、いい声」
主に女性アーティストの曲を聞くことが多い、ママはその声が気に入ったようだ。うん、と言って私もその声に引き込まれた。杏お姉ちゃんは、古川さんが好きだって言っているが、私はママと一緒でこの声が好きだ。
「CD欲しい」
「私も、もっと聞きたいかな」
ママは、応援する意味も込めて、買おうかと言ってくれた。本家に行けば、CDを貸してくれると思うが、うちでも買って応援したい。私とママはその後、購入たCDをパパに見せて少し呆れられた。でも、パパも聞いてくれると言ってくれた。やっぱり、パパも音楽が好きなのだ。流石に、CDを買うだけでは、お祝いにならないのでパパとママはご祝儀を送って、私は、杏お姉ちゃんに相談して、甥っ子姪っ子一同として、コーヒーカップを贈ったのだった。
麻衣の結婚の話は、姪っ子視点では、初めてかもしれません。




