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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
702/718

麻衣とりんご飴(りんごが好きかもしれない)*

 パプリカを丸かじりしたお話の後ぐらいのお話です。十月に入れば、また実家(潤くんのところ?)からりんごが送られてくると思います。

 


 遥くんがお土産を買ってきた。巨大なりんご飴で、代官山で買えるそうだ。りんご飴って、お祭りに小さいのを買ってもらったことがあるんだけど、あれって、りんごはあまり美味しくないんだよね。大きいのが欲しいって言ったんだけど、食べきれないでしょって言われて諦めた思い出がある。



「珍しいね、麻衣が欲しいって言うの」

「そうかな、小さい頃は普通に、ってあれ、言ってたと思うんだけどな」

「それ、多分、言ってないやつじゃないかな。あとで、お義母さんに聞いてみよう」



 そうか、あの時、欲しいって言ったのは、珍しかったようだ。遥くんが買って来てくれたのを見て私は思わず「これじゃない」と呟いてしまった。だって、りんご飴ではあるんだけど、私が呟いた理由に遥くん吹き出した。



「なんで、カットされてるの?」

「その方が食べやすいから、カットしてもらったんだよ」

「なんか違う」



 しょぼんとする私に、(よし)くんが私の頭を撫ぜた。なんで、慰められているんだ。遥くんも私に同情してか、今度買って来る時は、カットされていないのを買ってくるって言ってくれた。



「なんか、麻衣ちゃんが欲しいって言うの珍しいし、珍しい顔見れたから」

「私、珍獣?」

「まぁ、似たようなものだ。で、食う?」

「うん、く」



「く」って、宮城弁で言ったらさらに笑われた。遥くんも覚えていたのか、笑いながら「け」と宮城弁で言ってくれた。「け」は、『食べる?』って言う意味だね。やば、これ、りんごの酸味と甘味のバランスが取れているから、飴と絡めても美味しい。



「美味しい」

「良かった」

「遥くん、ありがとう」

「おう」



 やっぱり、大きなりんごの方が美味しい。でも、全部は食べ切れなかった。それを見た嘉くんは笑いながら、「食べきれないでしょ?」と言った。ううう、お母さん、ごめんなさい。お母さんの言う通りでした。



「麻衣って、りんご好きなの?」

「うん、どうだろう?」

「だって、実家から送られてくると、洗って丸かじりしているよね」



 なんでも、生で食べるのが好きかもしれない。こないだは、パプリカを丸かじりした。去年は、潤くんがりんごをいっぱい送ってくれたんだよね。嘉くんには、剥いてあげるけど自分だけだと丸かじりしちゃう。実は、嘉くんがいないとき、何度かおやつに食べたことがあった。減っていることに気付いていたかもしれないけど。



「相変わらず、食べ方も男らしいな」

「えー」



 男らしいってなんだ。皮にも栄養があるんだよ? 遥くんも、りんごは、やっぱり、剥かずに丸かじりするそうだ。いっぱいあるし、日持ちもするから、遥くんにもいっぱい渡している。実家にも持って行くようで、それは、みどりさんの手でアップルパイになるようだ。みどりさんのアップルパイはとても美味しいんだよね。みどりさんのは、カスタードクリームが入っている。今年も、作ってもらいたいな。



 麻衣は、りんごが好き。嘉隆くんは、いちごが好き。遥くんは、果物では何が好きなんでしょうね。

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