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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
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制服と麻衣*

 前半は、高校に入る前のお話で、後半は、『ラブレターを回避する方法』の後ぐらいのお話です。

 


 流石に制服だけでは無く、ジャージも新調してもらったんだよね。悠兄のお下がりがあると言われても、大きすぎて着れないからだ。おばあちゃんが亡くなった、その二週間後ぐらいに高校の合格発表があって、その後直ぐに、用品販売や制服の採寸がある。母は、悠兄と敬兄の時も経験していて、私で三回目だったんだけど、家の中はまだ、おばあちゃんの遺品の整理などもあって、忙しかった。


 既製の服を手直しするんだけど、中学の制服の頃から私は、業者泣かせだった。父にもっと食え、って言われるけど無理だ。絵美の家は初めての高校生で、私の母頼りだったようだけど、それが今回出来なくて、文香(ふみか)のお母さんに聞いたようだ。なので、用品販売も制服の採寸も絵美と文香と一緒だった。本当は、親が一緒に付いて来ないといけないんだけど、そこは理由を言って、絵美たちと一緒に行動することになったのだ。



「麻衣、なんでだろ、羨ましいって思わないんだけど」

「それ、細すぎるからだよ。私は、文香のその胸の方が羨ましいけどね」

「夏は暑いし蒸れるし邪魔! 麻衣に分けてあげたいくらいだよ」

「え、私が欲しいくらいだよ」

「なんか、無いものねだりしているね」

「うん、ちょっと虚しくなった」



 絵美と文香の会話に、私は「悪かったね」と呟く。身体に凹凸がないので、中学の体操着姿なんだけど、男子に見えて、みんなにびくりとされる。だって、小泉や大谷の中学の生徒もいるのだ。私のことを知らない人が見ると驚かれる。そして、同じように体操着の上からでも分かる大きな胸元の文香。そっちも、初めて見る生徒には驚かれる。しかし、私は特に文香が羨ましいとも思わなかった。確かに夏は暑そうだし、それと重そうだ。文香の胸で遊んでいた絵美と他のクラスメイトと共に何故か私まで注意された。なんか、解せない。


 それで、制服なんだけど、ウェストに合わせたら、スカート丈が短かった。でも、みんなスカートは短くして履くと思うので、ちょうど、良かったんだけど、スカート短すぎて細すぎる足を出すことになった。ジャケットも袖丈を出したり、ウェストを調整したりで大変だと言われた。おばあちゃんがいたら直してくれたんだけど、そのおばあちゃんはいない。ジャージも大きかった。袖丈や、裾に合わせるとぶかぶかなのだ。男女兼用なんだけど、Lサイズはでかい。



「麻衣、つなぎもあるみたいだよ」

「これも、でかそうだ」

「ううう、なんかこれも胸元きつい」



 ここにも、サイズが合わないのがいた。文香もまた、私と一緒で通常のサイズが合わないようだ。ぼそりと絵美が「私、普通で良かったよ」と呟いた。胸元がきつい文香と、ウェストに合わせると丈が短くなる私だった。制服はどうしてもサイズの幅が大まかだ。


 その後、ギリギリまでウェストを直してもらうことになった。広げる人は多いのに、狭くするのはあまり無いので苦笑された。中学の制服の採寸の時も大変だったけど、今回も大変な作業になると思われる。



「二人ともこれ以上、成長しないことを祈るよ」



 最後に、絵美にしみじみと言われた。絵美のお母さんと文香のお母さんは、顔を見合わせて苦笑された。本当にそうだと良いんだけどね。



* * *



 広げた制服を懐かしんでいた私は、胸元に入っていた制服のリボンを見つめる。これは、前に嘉くんにあげると約束したものだ。それと、流石に着てとは言われなかったが、ジャケットに袖を通してみた。着れるけど、ちょっときついかな。そっか、高校の頃よりも少し体型が変わったからか。



「ブレザー可愛いね」

「面白みのない、紺だけどね」

「きついのは、やっぱり、ちゃんと食べているから?」

「どうなんだろう。年齢的なものなのかもよ?」

「麻衣に限ってはそんなことないと思う」



 あれ、なんか即答されてしまった。そうかな、まいいや、今欲しいのはリボンだけだ。胸元から取り出したリボンを嘉くんに渡す。高校の卒業式にリボンとネクタイを交換したクラスメイトがいたけど、今更やるとは思わなかった。嬉しそうに、甘い笑みを浮かべて嘉くんが受け取ってくれる。これは、今度、広島に行ったときに嘉くんのネクタイを受け取るつもりだ。

 でも、本当に母は、物持ちが良いな。高校の制服だけじゃ無くて、中学の制服もあった。前につなぎだけは引っ張りだしたけど、それもまた洗濯されて仕舞われていた。部屋は違うけど、悠兄や敬兄のも、もしかしたら取ってあるかもしれない。



「これ、ズボンだったら、もっとサイズがぴったりのを選んでもらえたかもしれないね」

「ああ、確かにズボンだと、裾上げがあるからね」



 今時は、女子でもズボンを選ぶことが出来る。それすごく羨ましかった。もしかすると、女子がズボン選べると言うことは、男子もスカート選ぶこと出来るのだろうか。まぁ、あまり見たくはないんだけど、高校の文化祭で、(あらた)くんの制服姿は見たことがあった。ミスコンに出たときなんだけど、あのとき、めちゃくちゃ女子の制服が似合っていた。もしかしたら、言わないけど、ここにいる人も似合っていたかもしれない。

 とりあえず、リボンを出すことは終わった。ジャケットを元の場所に戻すと私は、それを押入れに仕舞い込んだのだった。



 麻衣は、制服があまり似合っていません。女子の制服が似合う新くんと、男子の制服が似合う麻衣が高校の文化祭でいました。

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