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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
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チューチューアイスとポッキンアイス*

 ある夏のお話で、広島の浅生家でまったりしています。

 


 今日は、TV局の仕事の後に、(よし)くんの実家に顔を出したら、子供たちは、夏休みに入っているので、小学生組が私たちが来たことを知って遊びに来てくれた。(かのう)家は、賢ちゃんのお父さんとお母さんがいて、子供たちを見てくれるようだ。叶家は、浅生家の二軒隣りなので、本当に近所だ。浅生(あそう)家は叶家と仲が良く、お義父さんは賢ちゃんのお父さんとどっちかの家で囲碁をしていることが多い。賢ちゃんが休みの日は賢ちゃんともするそうで、今日は、叶家に行っているそうだ。私たちが来たことを知ったら、戻って来てくれるかもしれない。



「お兄ちゃん! チューチューアイス食べよう!」

「おじさん! チューチューアイス食べよう!」



 チューチューアイスにも突っ込みたいけど、その呼び方にも突っ込みたい、って言ったら笑われた。なんで、嘉くんは普通に『おじさん』って呼ばれているのに、なんで私は『お兄さん』なんだ? 君たちのお兄さんは、幸人(ゆきと)くんでしょう。



「ああ、ポッキンアイスか!」

「なにそれ」

「あれ、こっちでは、その呼び方しないの?」

「うん、初めて聞いた」



 長い棒のようなジュース。冷凍庫で凍らせて食べることが多いんだけど、真ん中で半分に折れるから、昔から『ポッキンアイス』って言ってた。でも、双子ちゃんは違った。紅葉(くれは)ちゃんと花ちゃんは手に一本のポッキンアイスを持っている。それを、二つに折って私と嘉くんに差し出してくれた。



「チューチューアイス、懐かしいな」

「そうだね、嘉くんもそう呼ぶんだ」

「うん」



 ポリエチレン詰清涼飲料が正しい名前らしい。これ、最近のは美味しくなったような気がする。昔のは、果汁なんて入っていなくて、色だけいちごとか、オレンジだった。紅葉ちゃんと花ちゃんは、仲良くいちご味のポッキンアイスを食べている。うん、名前の通りにチューチューしている。あは、二人ともかわいいな。



「うちのところだと、それ、『ポッキン』って半分に折るからポッキンアイスって言われているんだ」

「へぇ! 確かに、ポッキンするね!」



 まぁ、チューチューもするんだけどね。「「じゃあ、ポッキンチューチューアイスだね!」」って双子ちゃんは息の合った呼び方をしてくれた。長くなったけど、それが正しいような気がするけど、ただちょっと長くて呼びにくいかもしれない。



「これさ、真ん中がこうなっているのって、折りやすくするためじゃないみたいだよ」

「え、そうなんだ」

「自動的に転がして、機械へ入りやすくするために真ん中にくびれを入れたようだね。筒状だとへこみなどが発生し転がらないことがあったからみたいだよ」

「そう言う理由があったんだね、そっか、折りやすくなったのは、偶然なんだね」

「まぁ、凍らせやすくするためとか、運搬時の商品保護のためとかも言われているね」



 なるほど、メーカーによっても理由があるんだね。紅葉ちゃんと花ちゃんは、あっという間にポッキンアイスを食べ終わると、また元気に走り出した。手にはバドミントンのラケットを持って来た。近くの公園でやるようだ。暑いのに、子供たちは本当に元気だな。

 最初の頃は一緒に遊ぼうと言われたけれど、今は誘ってもごめんねと言って断るので誘われなくなった。「おばさんには無理だよ」と言ったら、嘉くんに笑われた。いや、だって本当に無理なんだって。バドミントンなら、(あん)が得意だよ。



「頑張って」

「「行って来まーす」」



 仲良く声を揃えて双子ちゃんは遊びに出掛けて行った。後から、「暑いー」って言って、何故か、浅生家にやってきた(りん)ちゃんは妹の海ちゃんと一緒に手にポッキンアイスを持っていた。私たちに、くれようとしたけど、さっき双子ちゃんにもらって食べたよ、と言ったらお義母さんのところに駆けて行った。面白いな、叶家から持って来たポッキンアイスは浅生家の冷凍庫に入るのか。私と嘉くんは、顔を見合わせて笑った。その様子に不思議そうな凛ちゃんが首を傾げていた。



 東西で呼び方が違う『ポリエチレン詰清涼飲料』の呼び方の話。東北は『ポッキンアイス』でした。

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