科学博物館とぬいぐるみ*
麻衣が嘉隆くんと、遥くんとサポートメンバーと一緒に国立科学博物館に行った時、夕ご飯を食べる前にちょっとだけ寄り道をしました。
国立科学博物館を一通り見て回って、まぁ最初から分かっていたことなんだけど、やっぱり全部は回れなかった。一日かけて回ったのに、回り切れないなんてすごいな。これから、また何回か行くの確定だね。でも、中山くんには、日を開けると展示が変わったりするから、次はまた違った楽しみがあるよ、って言われた。確かにそうだよね。だって、みんなは何度も行ってるんだから、説得力がある。
「ね、ここ寄っていい?」
「お土産買うの?」
「いや、奏子に、買い物頼まれたんだ」
「奏子ちゃんも来れたら良かったんだけどね」
「ちょっと、用事あるって言ってたから、また次回にでも」
「そうだね、その時を楽しみにしているよ」
森本くんがそう言って、科学博物館の併設されているショップを指差した。どうやら、何か買って来て欲しいと頼まれたようだ。覗くと色々なものが売っている。美術館に行った時も併設されているショップを覗くんだけど、結局何も買わないんだよね。でも、嘉くんも気になるようで、みんなでぞろぞろとショップに入っていて笑った。
「これ、頼まれたんだよ」
「えっと、ふぐ?」
「いや、違うよ。サカバンバスピス」
「サカ…、なんて?」
「サカバンバスピスだよ。古代の生き物」
「ふぐにしか見えないのですが?」
「ああ、ちょっと、似ているね」
そう言って説明してくれたけれど、何か分からなかった。とぼけたような顔をしている。可愛いのかな? これ好きなのか。流石にデフォルメされているようだ。森本くん、大きさどれにしようか悩んでいる。小さいのから、巨大なものまでいる。
「麻衣もいる?」
「いや、これはいらない」
「あはは、いらないか!」
「ぬいぐるみは増やしたくないんだよ」
即答したら、みんなに笑われた。で、なんでウサギを手に取るかな。それも、サカバンバスピスと違って、結構リアル寄りなので、可愛いとはちょっと違うウサギだ。中山くんは、これにしようと言ってパンダのぬいぐるみを手に取った。これさ、動物園でも買えるよね。なんで、パンダなんだ。愛夢ちゃんはパンダが好きらしい。
「奏子がぬいぐるみが好きなの、オフレコで」
「それ、秘密事項?」
「奏子の口から聞いた方がいいでしょ」
奏子ちゃんが、意外と可愛いものが好きだということは、私以外はみんな知っているようだ。まぁ、中学の頃からの付き合いだし、森本くんとは、生まれたばかりの頃からの付き合いだからね。それで、奏子ちゃんは、そんな素振りを見せないようにしている。なので、私は気付かなかったようだ。
「ひなたにはこれかな」
「ダイオウグソクムシだ」
「それは、知ってるんだ」
「うん、有名だよね」
なんで、みんなちょっと不思議なチョイスなんだろう。愛夢ちゃんの、パンダは普通かもしれないけど、ダイオウグソクムシはどうだんだろう。ひなたちゃん、それが好きなのか。まひろくんのは、今回どの恐竜にしようか悩んでいる。恐竜好きでいっぱい持っているようだ。なんか、みんな近所に遊びに来たのにお土産買ってるの面白いな。
「嘉はそれ買うの?」
「ポストカード、これ綺麗だよね」
嘉くんが選んだのは、夏の大三角形が描かれたポストカードだった。一等星の部分が箔押しされていて、きらきらしていて綺麗だ。みんな、好きなことが違っていて面白いよね。遥くんは、その埴輪のぬいぐるみ買うの?
「じゃあ、今日の思い出に私はこれかな」
「修学旅行の生徒みたいな発言だ」
「また、来るよ」
私がそう言って選んだのは、綺麗な花のポストカードだった。忘れなければね。でも、このポストカードを見ると思い出すかもしれない。だって、『勿忘草』なんだもの。絶対に忘れないよね。
奏子さんは、可愛いものが好きです。でも、嘉隆くんは可愛いものには、入っていません。遥くんの趣味はよくわかりません。お城や神社、お寺などの構造物は好きです。なので、古墳も好きかもしれません。




