桃の切り方と東西の違い
実家から桃が送られて来た。と言っても、正確には、福島に住む従姉妹が送ってくれた。仲の良かった従姉妹は、福島にお嫁さんに行ったのだが、ずっと、やり取りが続いている。後で、お菓子でも送ろうと思うんだけど、実家から何か送ってもらった方が良いかな。だって、苗字が浅生になって、珍しいので、身バレの可能性が高くなったんだよね。でも、送る分には、大丈夫かな?
最近では、私よりも嘉くんの方がキッチンに立つ事が多い。今日は珍しく私が、キッチンにいる。私が、キッチンで桃を切るのが不思議だったらしい。だって、ぐるりと、一回り切れ目を入れて、その後に、一気に捻ったのだ。
「え?! それ、桃潰れないの?」
「大丈夫、固いから」
「固いと甘くないんじゃないの。それに、赤いね」
「嘉くん、福島の桃は初めてですか」
「桃は岡山のしか、食べた事ないかもしれない」
「おお、ここでも、東西の差があるんだね」
綺麗に切り分けられた桃は、中も綺麗な赤みの強いピンク色、すごく美味しそうだった。ちなみに、岡山のは白いらしい。うん、すごく美味しかったです。ちなみに、遥くんに聞いたら、普通に山梨産でした。関東だからね。お裾分けもしました。福島産の、桃は、遥くんも初めてだったようです。
「基本、東北は、というか、山形とか福島はフルーツ王国って言われているから、他の県産の果物じゃなくても、良いんだよね。出回るのは、隣県とかの方が多い。ちなみに、梨は宮城県産があります」
「俺は、梨って言ったら、鳥取かなぁ」
「うん、鳥取の梨有名だもんね。宮城県産の梨はあまり聞いたことないよね」
「そういえば、りんごも送られて来なかった?」
「あったね、あれね、気仙沼でもりんご作ってる農園あるの」
「青森じゃないんだ」
「残念ながら青森には親戚はいません」
岩手や山形でも、りんご生産してますけどね。ちなみに、宮城の有名な果物、野菜? はいちごですかね。広島は、何があるの? レモンは有名よねって、言ったら、嘉くん考え込んでしまった。言おうか躊躇っているようだ。
「オレンジとか、八朔とか柑橘系が多いかな。新しい品種が色々と出て来て、でも、それが全部、柑橘系なのが笑える。選択肢ないよね?」
「おお、やっぱり、瀬戸内海だから? 四国も柑橘系有名だよね」
「実家に言ったら、色々送ってくれると思うよ」
「じゃあ、うちからも送る様に言おう」
「麻衣、豪快で加減知らないから怖いな」
「えー、そんな事ないよ、多分?」
はっきり、そんな事はないとは、言えなかった。東北の気質なのか、私の実家の気質なのか、おもてなしは、過剰気味だ。でも、嘉くんは、止めない。遥くんなら、止める。これ、同じ様に遥くんの実家に送ったら、また、怒られる奴だろうな。残念ながら、うちの実家では、お米と野菜は作っているけれど、果物は作っていません。
東北は果物王国。青森→りんご、岩手→りんご、山形→りんご、さくらんぼ、スイカ、ラ・フランス、宮城→いちご、梨、りんご、福島→桃、他に何かあったかな。福島って色々な果物が有名らしいんだけど、どれも一位にはなれないとか言われていた。あれ、秋田は?




