表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の架け橋  作者: 藤井桜
本編
39/658

見守ってくれる大好きな人たちへの幸せの報告

 R15表記ありますが、性的な話題の女子トークしてます(笑)。苦手な方はご注意を。



 マネージャーの莉子さんが「何か良い事あった?」と聞いていた。約二十年になる付き合いは大きい。役者デビューして、一度挫折をした私なのに、切り捨てずにずっと付き添ってくれた。三つ上のお姉さん。

 デビュー当時は短大を卒業したばかりで、いきなり新人の面倒を任された。マネージャーなんて、やったことないだろうに。



「少し悩んでる」

「良い事なのに?」

「私一度結婚失敗してるじゃん。公にしても良いのかなって」

「麻衣がちゃんと考えて決めたことなら、いいんじゃないの? あの時は、本当に流されるだけで、だから、周りも止めようとした。今は、そんな事ないでしょ。ううん、違うね。まずは、おめでとう、って言葉が先だね」

「ありがとう」

「それで、打ち明けてくれたって事は、詳しい話を聞いてもいいんでしょ? というか、気付いてるんだけどさ。麻衣はともかく、向こうは隠す気ないんだもの」



 分かる気がした。プライベートでも、莉子さんはよく顔を出してくれた。東京にやってきて、頼れる人が莉子さんしかいなかった。本当のお姉さんのようで、莉子さんの家族とも仲良く食事なんかもしている。東京でのもう一つの家族のようなものだった。

 レーゲンボーゲンとの出会いから、ひと月に一度くらい食事を一緒にする事があった。それが、少しづつ多くなり、莉子さんが気付くまでになった。その頃は、まだ、お友達の範囲内の付き合いだ。それから、一年ほど経ち二人だけで食事に行くようにもなった。



浅生(あそう)くん、行動力すごいよね。麻衣、タジタジなんだもの。それで、告白でもされたってところかな。広島行って、彼の実家泊めてもらうって、言われた時は、ようやくか、って思ったもの」

「社長にも説明した方が良いよね。というか、反対されるかな」

「それはないと思う。成人したばかりの頃とは違う。あの時の社長、お預かりしたお嬢さんを心配してかなり、過保護になってた。でも、頑なだった麻衣を止める事が出来なくて、悔やんでいたんだよ。そして、自分できちんと判断できる人間になったんだ、とやかく言わないよ。それにね、お相手の事なんて、とっくに事務所で調べているって。調べた上で彼は問題ないって判断した。社長も分かっているよ。社長の気持ち分かってあげてね。誰よりも麻衣の事気にかけてくれてる。麻衣にとってこっちのお父さんみたいな人でしょ」

「そっか、ありがとう、莉子さん」



 どういたしまして、そう言って莉子さんはからりと笑った。一つ、肩の荷が降りた、そう言って笑う莉子さんには本当に感謝しかない。社長にもちゃんと説明して、ありがとうと伝えようと思う。



 もう一人、私には報告しなければならない人がいる。絵美だ。中学からの幼なじみで親友。東京に来て、少しの間、音信不通になったが、その後、また連絡を取り合って、最近では、数日に一度、メッセージのやりとりをしている。



「絵美、今、大丈夫?」

『うん、こないだはありがとうね、チケット送ってくれて』

「こっちこそ、(あん)を連れて来てくれてありがとう」

『気にしないで、ライブすごく良かったよ。ゲストの芸人さんが歌うってすごいよね、楽しかったよ』

「良かった、楽しんでもらえて、それで、ちょっと報告しておきたい事があって。昨日、広島公演があったんだけど」

『うん、そういえば、浅生くんのお家にお邪魔したんだっけ。その後、どうなったのか気になっていたのよ』

「付き合う事になった」

『そっか、おめでとう』

「うん、ありがとう」



 それと、言いにくい事も言った。告白の次の日のツアーの後の夜の事だ。あの夜の事を思い出すと赤面必死だが、今は絵美との通話中なので、顔は見られないのが救いだ。



『つうか浅生くんをどんだけ待たせていたのよ。浅生くんも男の人でしょ、一緒にいて、何も無いなんて、浅生くん、どんだけ大人なんだよ、って思ってた』

「それ、私の見た目がこうだし?」

『何か言われたの? 麻衣の事、傷付ける人だったら、私本気で浅生くん、殴りに行くよ』

「違っ、嘉隆(よしたか)くんは私の身体については、悪く言う事ない。どっちかっていうと、好まれてる方? じゃなくて、うちに遊びに来る時は、気負った感じしない、友達と一緒に他愛もない話をしてる様な感じだったから、きっと、何にも無かったんだよ」

『お、名前呼びにランクアップしてる、いいね、いいね』



 私なんで、こんな話してるんだ。きっと、絵美は温かい目で見守っている事だろう。恥ずかし過ぎ。そして、絵美の性格は昔から知っている。ずばずば、聞いて来るのは、昔から変わらない。



『もちろん、可愛い下着だったんだよね』

「え」

『まさか』

「ああ、うん、少しは、褒められるくらいには?」

『それなら、良いんだけど、少しくらい気合入れたのにしないと幻滅されるよ』



 ふと、昔の記憶を辿って、長続きしなかったのは、それが原因かと思わなくはない。可愛いとは無縁の機能性を優先したものだった。

 嘉隆くんからのお願いの女性らしい格好は、服装だけの話だとは思うんだけど、それでも、妥協したくないので、化粧とか下着まで少し拘った。下着なんて見せる機会無いと思っていたんだけどな。



『そっか、浅生くんの好みの体型って、麻衣みたいな胸がないのが良いのか』

「いや、そこ聞き流して?」



 莉子さんへの報告に比べるとあっさりとしたものだった。詳しく話す必要はない。相手が絵美だからだ。そして、その後の事も伝えた。そっちの方が、かなり食いついて来た。絵美には、全部、話しておきたい。そして、絵美は自分の事のように喜んでくれる。それが、私にとってもすごく嬉しい事だった。



 麻衣にとって、絵美も莉子さんのかけがえのない大事な人です。そして、一番に報告したい人たちです。絵美にははっきりと、嘉隆くんに抱かれた事も伝えています。

 余談なのですが、嘉隆くんのために、女性らしい格好をする様になったので、下着も可愛いもの着用しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ