愛しい人の寝顔と抱えた身体の軽さ(side レーゲンボーゲン)
ロビーのソファでほとんど口を付けていないコーヒーと、ソファでうたた寝する麻衣の姿に、嘉隆は口元に笑みを浮かべた。仕事を意識してなのか、シャワーと着替えはきちんと済ませていて、スカートからズボンに変わっているのが、少し残念だった。
しっかり、準備が終わっているようで、スーツケースも側に置いてあった。コーヒーを飲みながら、みんなが来るのを待っていた様だが、コーヒーを残したまま寝落ちしてしまった様だ。散歩から戻って、もう一度、寝るって言う選択肢はなかった様だ。
嘉隆は部屋に戻って、一時間ほど仮眠を取って、シャワーを浴びて出て来た。きっと、朝は苦手だと言っていたので、仮眠すると起きれないと思ったのだろう。そして、案の定、寝落ちしてしまった様だ。
朝食は駅弁か何かを買って、新幹線の中で取ると言う事だったので、早めに出て駅に向かう様だ。
「ここで、寝てるなら、早起き止めれば良かったのに」
「お前のせいじゃないのかよ」
「気付いてた?」
「当たり前だろ、日付変わって戻ってくるんだ。何かあったぐらい察するよ」
スタッフの多くは、既に出発していた。機材など、色々と運んで来たので、そちらは、新幹線ではなく、バスだ。残っているのは、嘉隆、遥、沖、莉子、そして、麻衣だけだ。エレベーターから降りて来た、莉子に、嘉隆は、声を掛けた。
新幹線のチケットを沖と麻衣の場所を変えて欲しいというお願いだった。それに、快く応じてくれる。いつものことだと思われたかもしれないが、付き合っている二人ならその方が良いとも思ったが、それは口実だ。三人掛けなので、遥もいるのだが。
「ありがとうございます」
「タクシー、もうすぐ着くらしいので、少し待って下さいね」
タクシーの到着を待って、嘉隆は遥に自分のスーツケースを持つように頼む。遥は一泊しかしていないので、荷物が少ない、背中にリュックを背負っているだけだ、なので、頼んでも問題ないと思われた。
麻衣のスーツケースは、沖に頼んで、タクシーに積み込んでもらう。何をするのか、見守っていた、遥は嘉隆の「やっぱり」という言葉に首を傾げた。嘉隆が麻衣を抱き上げる。
「莉子さん、麻衣って軽すぎませんか」
「45kgないわね、でも、先々週から、名古屋、大阪って美味しいものいっぱい食べて、体重増えたって嘆いていたけど」
「いや、それで適正、いや、それでも、適正とはほど遠いでしょ。どうにかして、食べさせたいな」
「ストレスになって、それはそれで、困るので、中々、言えないのよ。無理させないでね」
「分かりました」
自分が作ってあげれば、食べるかな、とそう思いながら、眠ったままの、麻衣をタクシーまで運ぶが、それでも眠いのか、起きる事はなく、駅に着いて、起こされてようやく、目を覚ました、麻衣はいつ眠ったのか分かっていないようで、大いに慌てるのだった。
何でも気付く遥くん。そして、お姫様抱っこ、本人は寝ていて気付いていませんが。身長差無くてもお姫様抱っこって出来るのかな。そして、嘉隆くんは麻衣を甘やかしたい。




