閑話:五月蠅い御手洗
これは、カタオカのダンジョン探索中、階層ボスを討伐しようと決めてからボス部屋に至るまでの話である。
ウザい。
ちょっとタイプが違うけど、初期のレイン並みにウザい。
ラノベ脳重度感染者のミタライを少しでも強制しようとミリアの部隊に放り込んだのに、全く変わってないじゃないか。
偵察役の本分を理解してないようなマシンガントークに辟易である。
これで索敵と罠の感知、解除はキッチリこなすのだから始末が悪いんだよ、静かにしろと言いにくい。
久しぶりに暴れたいというユーシンと共に肉狩りに来たのだが、たまたま休暇でダンジョンに来たというこいつと鉢合わせ、半ば強引についてきてしまった。
テルグリナにいると休日でもミリアにしごかれるからと、ダンジョンに逃げ込んではゲーム感に浸っているのだとか・・・ダメだな、コイツは。
ちなみにみどり村への転移門の利用は許可していない。
ラノベ脳全開のコイツをみどり村に放つのは危険だからだ。
「だいたい、シンさんもなってないでしょ、なんで執事服まで着せた悪魔が”クロウ”なんです?セバスチャンでしょ、執事って言ったら!」
ついに俺の名付けにまでクレーム付け始めやがった。
「頭湧いてんのか、お前。」
「100歩譲っても、セバスかセバス・チャンでしょ!」
(ハイジの呪縛は世代を超えて続くのか・・・)
俺が子供の頃に流行ったアルプスに暮らすハイジという少女と老人のアニメ。
あのアニメに登場するクララという令嬢の執事がセバスチャンで、それ以来日本では執事=セバスチャンというイメージが定着、あらゆる作品で主人公に付き従う執事はミタライが揚げたような名前が使われるようになったらしい。
だからと言って、俺もそれに倣う必要はないし、コイツにクレームを付けられるいわれも無いのだ。
そもそもクロウが来ているのは黒い燕尾服であって、執事キャラではない。
優秀過ぎてつい頼っちゃうのもあって執事並・・・それ以上の仕事をこなしてくれちゃってるけど。
なんて間にも話題はコロコロと変わり終わることの無い無駄話。
「メシテロムーブかと思ったら対応しようがないムリゲー仕様だったし、ってか、ここの飯ってなんで美味いん?誰も知らんって教えねくんねーんだけど。」
「教えるわけねぇだろ、グリンウェル領の主要産業だぞ。」
「け~ち~。」
野郎が言ってもかわいくないな。
ん?
なんか、静かだったユーシンが悪い顔してる・・・。
「スロークとシンさんがが世界中の情報調べてるみたいだけど、日本的な国ってどこにも無かったんスよね?」
「ん?ああ、無いな。」
(今のところ見つかって無い、が正しいけど)
「マ・・・ジ・・・?」
ミタライがこの世の終わりみたいな顔してる。
あぁ、最近は世界のどこかに日本ポイ国とか地域があるってのが流行りだったっけ。
確か、ミタライはまだ見習い扱いで食事は部隊支給の物だけ、休日もダンジョンに逃げ込むくらいだから、マスターの食堂には行けてないか。
ユーシンも人が悪いなぁ、と思っていたら、
「これでしばらく静かになるらしいっスよ、リッケンが教えてくれたっス。」
なるほど、彼の入れ知恵だったか。
「ま、長くて1時間程度らしいっスけどね。」
繁忙期に入ってしまいました。
超ショートの閑話ですが、ご容赦ください。
たぶん、次話が完成するまで何回分か閑話になると思います。




