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猫を助けたかっただけなのに  作者: めい


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第25話

前半は本編ですが、ちょっと短すぎましたので、◇◇◇より下は番外編を載せてみました。

本編には直接関係ありませんので、お読みいただかなくても支障はありませんが、読んでくださると嬉しいです。←

今回は本編が短いので、本日は2話更新させていただきます。



ごきげんよう。

クロエ・カサブランカでございます。


わたくしは今、ダンデライオン会頭にものすごい勢いでカレーについて尋も…げふんげふん…質問攻めにあっている所でございます…


休憩時間は終わりましたので、持ち場に戻らなくてはなりませんのに…後にして頂けませんでしょうか…


「カサブランカ様!

先程皆さんで召し上がっていたのは一体何でしょうか?

とても良い匂いがいたします!

それに、この匂い…何だか無性に食欲を掻き立てられる匂いでーーー」


会頭は先程からこの調子で、勢いが増すばかり。

もう、めんどくさ…げふんげふん…めんど…げぶんげふん…うるさ…げーっふんげふん!…今日は喉の調子でも悪いのかしら?…収拾がつきませんので、食べれば落ち着いてくださるのでしょうか?

わたくしは死んだ魚のような目のまま何とか顔に笑顔を貼り付け、会頭に提案いたします。


「では、会頭もぜひ試食なさってみてくださいまし。

クラス全員分作りましたが、少し多めに作りましたので、1人分位なら支障はないかと存じますわ。

どうぞ食堂内(こちら)でお召し上がりください。」


先程、カレーを作る前に匂いが外に漏れないよう、結界(バリア)を使いましたのに…

なぜバレたのでしょう…

怖すぎます…!


食堂内の休憩スペースを指しながら、会頭に試食をお勧めします。

次に休憩に入る方達にも配膳しようと思っておりましたので、ついでですわ。



「委員長、シクラメン様、ダンデライオン様、ポピー様、パンジー様。

こちらはカレーライスですわ。

どうぞ召し上がってくださいまし。」


ちょうど次の休憩メンバーが食堂に入ってきましたので、よそったカレーとスプーンを皆んなに渡していきます。


「「「「「カサブランカ嬢(様)、ありがとう。」」」」」


「会頭もどうぞお召し上がりください。」


ついでにダンデライオン会頭にもお渡しします。


「ありがとうございます。頂きます。」


「それでは皆さん、頂きましょう。」


「「「「「頂きます!!!」」」」」



パクッ…



委員長の号令で、皆んな召し上がり始めましたわ。

そして先程と同じく誰も言葉を発しません…

お口に合わなかっーーーーー



ガツガツガツガツ!!

パクパクパクパク!!


ごっっっくん!!!


「これは…!なんて美味しいのでしょう!!」

「………!……………!!」

「美味しい!!僕、これ好きです!」

「私も!!!」

「この後引く辛さがたまりません!とても美味しいです!!!」


ほっ。

皆さんお口に合ったようで安心しましたわ。

シクラメン様は無言で食べ進めていますが、スプーンがものすごい速さでお皿とお口を行ったり来たりしていますので、お口に合ったと見て良さそうです。



ガタッ!


ん?

会頭が突然立ち上がりましたわ。


「カサブランカ様!!!」


会頭…何か震えていらっしゃいますが…

そしてものすごい形相と勢いでこちらに来ないでください…


ガシッ!!!


「ヒッ!」


両手を掴まれてしまいましたわ…!


「これは!世紀の大発明です!!!

入っている物は決して珍しくはないのに、こんなに美味しい食べ物に変身するとは!!

カサブランカ様、是非ともこのカレーを、うちの商会で扱わせてください!!!」


デジャヴーーーーー!!!


そう、この世界。

意外と料理もバリエーションが少なかった様です。

会頭も仰った通り、スパイスは存在しますし、珍しくもないのですが、料理に使うとなると肉にこれでもか!と塗して焼くか、サラダに塩と一緒にこれでもか!とかけるしかございません。

野菜はサラダとして食べるか、味がうっすいスープに浮き身のようにぷかぷか浮いている物を食べる程度。

魚介類は海が近い地域に住む方は召し上がるようですが、調理としてはそのまま焼くだけのようで、スパイスを使う事は一般的ではありません。


ですので、スパイスを炒め、野菜や肉と一緒に煮込むという発想が新しく感じてしまうようです。


運営は本筋のことしか頭になかったのでしょうか?

中世ヨーロッパ『風』の乙女ゲームではございますが、食事や美容等、意外と未発達の部分が多い様に感じてしまいますわ…


失礼。話が逸れてしまいましたわ。



会頭…感激して頂いているのは大変光栄ではございますが、そろそろ手を離して頂けませんでしょうか…

ずっとお話ししながらすごい握力で握られて、上下にブンブンと振られ続けるのはさすがに辛いですわ…


「ダンデライオン会頭。

そろそろカサブランカ嬢を解放して頂きたい。」


救世主…!!

シクラメン様がダンデライオン会頭の左肩に手を置き、制止してくださいます!


「そうですよ父上!

父上の馬鹿力で握手なんかし続けられては、カサブランカ嬢の大事な御手が骨折してしまいかねません!!

今すぐに手を離してください!」


ダンデライオン様も加勢してくださいます。

それにしましても…実のお父様に対して意外と辛辣ですのね…

お気持ちはとても分かりますが。


「それに腕を振り回して…肩を脱臼なさったらどう責任を取るおつもりですの?」


ひいっ!

委員長の圧がすごい!

笑顔なのに圧がすごい!

目が全く笑っていません!

貴族スマイル全開ですわ!!


「はっ!もっ…申し訳ない…!

カサブランカ様、大変失礼をいたしました…」


皆んなの圧でご自分の状況に気がつかれたのか、会頭が謝罪しながら手を離してくださいました。

やっと肩から手に向かって解放されましたわ。


「痛かったですが、まぁ大丈夫ですわ。

そんなにカレーライスを気に入ってくださったのであれば、クレープ同様、商業ギルドに権利登録しておきましょう。

もちろん、ダンデライオン商会のみクレープ同様売上の1割で登録しておきますのでーー」


「「ありがとうございます!ありがとうございます!!この御恩は生涯忘れません!!!」」


いや…親子揃って泣きながら何度も頭を下げられましても…


「僕、カサブランカ嬢と同じクラスで良かった!!!」


ダンデライオン様にそんなに感激して頂けるとは…

このレシピを考えてインターネットに上げて下さった方に、わたくしが感謝したいくらいですわ…


目の前で感激しながら何度も頭を下げる親子の収拾に困り、思わず遠い目になっていますとーーーーー


「カサブランカ嬢!

生地が足りなくなってきたので、応援お願いします!!」


はっ!

思わず現実逃避をしていましたが、それどころではありませんでしたわ!!!


「では会頭、そういう事ですのでわたくしはこれで失礼いたしますわ!

皆さんも休憩はきちんと取ってくださいまし。

はーい!今参りますわ!」



急いで後方係の皆んなと合流します。

それからわたくしは猛烈に生地を作り、クリームを泡立て、カスタードを作り…後方係として出来る限り動き続けました。


時折休憩スペースの方から叫び声が聞こえましたが…

いえ。聞かなかった事にいたしましょう…





◇◇◇◇◇◇◇



はじめまして。

わたくしのなまえはサーヤ・キャロットシードといいます。

おとうさまははくしゃくで、おしろにつとめています。



じつはね。きょうはすてきなことがあったの!


きのう、おにいさまとおかあさまが、おうりつがくえんのおまつりからかえってきて、くれーぷっていうたべもののおはなしをしていたの。

とてもあまくて、おいしいたべものだったんですって!

いいなぁ…わたくしもたべてみたい!

おにいさまはおきにいりのあじをみつけたみたいで、おかあさまとあしたもおまつりにいくおやくそくをしたんですって!

いいこにするから、わたくしもつれていってって、おかあさまにおねがいしたら、きょかしてくださったの!



そして、きょう、そのおみせにいったら、おにいさまがとつぜんおおきなこえでおんなのひとをよんだの。


「あっ!お姉さん!」


「あら。ブルーノ様、いらっしゃいませ。

本日もご来店ありがとうございます。

もうご注文はお済みですか?」


ふりかえったおんなのひとは、えほんでみるおひめさまよりもずっとずっときれいで、めがみさまみたいにやさしくほほえんでおにいさまのおなまえをよんだの!


「ごきげんよう。

昨日のクレープが忘れられなくて、本日も来てしまいましたわ。

本日はこの時間から大盛況ですのね。

昨日帰宅後にブルーノとクレープの話をしていたら、妹のサーヤも来たいと申しまして…

こうして3人でお伺いしましたの。」


おかあさまも、このめがみさまとおしりあいみたいで、えがおではなしかけているわ。

すると、めがみさまがほほえみながらおかあさまにおれいをいって、わたくしにはなしかけてくれたの!


「ありがとうございます。

かわいいお客様が増えるのは大歓迎ですよ。

サーヤ様、いらっしゃいませ。

本日は何を召し上がりますか?」


「わたくしは…イチゴのがたべたいです…」


めがみさまは、ぎんいろのかみがひかりにあたってきらきらとかがやいていて、みぎめがきれいなきいろいほうせきみたいなひとみで、みだりめはみずいろのほうせきみたいにきれいなひとみで、まつげもぎんいろで、とってもきれい。

おかおもここにいるだれよりもきれいで、めがあうだけでどきどきしちゃうの。


わたくしは、どきどきするきもちで、おはなしするのがたいへんだったけれど、いっしょうけんめいめがみさまにおこたえしたわ。


めがみさまはやさしくわらったあと、おにいさまとおかあさまにもちゅうもんをきいていたわ。


「かしこまりました。イチゴですね。

ブルーノ様は何になさいますか?」


「僕はクレープブリュレにします!」


「御婦人はいかがなさいますか?」


「わたくしはモモとクリームでお願いいたします。」


めがみさまは、わたくしたちのちゅうもんをききながら、かみになにかをかいているみたい。

ちょっとせのびをしてみてみたら、わたくしたちがちゅうもんしたものをかいていたみたいなの。

そのじはとてもきれいで、わたくしのかていきょうしのせんせいよりずっとうつくしかったわ。

サラサラとはやくかいているのに、おてほんよりきれいなじをかけるなんて、すごいわ!


「かしこまりました。お飲み物はいかがなさいますか?」


「わたくしはアイスティーを。

ブルーノとサーヤはどれにしますの?」


「僕は昨日と同じジンジャーエールが良いです!

しゅわしゅわで、甘くて、ちょっとピリッとしてて、とても美味しかったので!」


「じっ…じゃあわたくしも…おにいさまとおなじものを…おねがいします…」


のみものは、こうちゃかハーブティーしかのんだことがないからよくわからないけれど、おにいさまがいうジンジャーエールにしようかな。

めがみさまにはなしかけるのはきんちょうするけれど、おかあさまといいこにするっておやくそくしたんだもの。じぶんでちゃんといわなくちゃ。

わたくしは、ゆうきをふりしぼって、おにいさまとおなじジンジャーエールをちゅうもんしたの。


「かしこまりました。

では合わせて2,800フロール頂戴いたします。」


「すごい!お姉さん!

計算がとても早いんですね!」


「確かに…昨日も思いましたが、とても優秀なのですね。」



めがみさまはえがおのままでかみにかきおわったあと、すぐにひつようなおかねをいいました。

かみには1こずつのおかねと、いちばんしたにおおきなおかねがかいてあるけれど、わたくしにはまったくわからないわ。

おにいさまがけいさんがはやいっていっているから、きっとすぐにけいさんっていうのをしたのね!

おかあさまが、めがみさまにゆうしゅうっていっているから、めがみさまはゆうしゅうなんだわ!

じも、おかおも、ぜんぶきれいで、やさしくて、あたまもいいだなんて、まさにめがみさまだわ!


「そんなことありません。皆んな出来る事ですよ。

あ、3,000フロールお預かりしましたので、200フロールのお返しです。

出来上がりましたら席にお持ちしますので、お掛けになってお待ちください。」


おかあさまにおつりをわたしながら、めがみさまがおせきでまっててっていったから、おかあさまがうなずいてわたくしたちはおせきにいどうすることにしたの。


「ええ。そうさせて頂くわ。ありがとう。」


「モモホイップ、イチゴ、ブリュレを1 つずつ、アイスティー1つ、ジンジャーエール2つお願いしまーす!」


「「「「「ご注文、ありがとうございまーす!」」」」」


うしろからめがみさまのこえと、おみせのみなさんのこえがきこえて、ちょっとうれしかったな。



ちょうどガゼボがあいたから、おかあさまとおにいさまと3にんですわって、ちょっとしたら、トレーをもっためがみさまがこっちにきてくれたわ。


はじめてのクレープは、イチゴのあまずっぱいあじと、しろいクリームのあまいあじと、そとのきじがもちもちして、とってもおいしかった!

(そとのはきじで、なかのしろいのはクリームっていうんですって!めがみさまがおしえてくれたのよ!)

ジンジャーエールはあまくてしゅわしゅわでおいしかったけれど、ちょっとピリッてしてびっくりしちゃった。

ちょっぴりおとなになったきぶんだわ。


めがみさまは、わたくしたちとしばらくおはなししてくれて、おなまえをおしえてくれたの。

めがみさまのおなまえはクロエ・カサブランカさま。

カサブランカこうしゃくけのおひめさまだったの!

このおみせはやたいといって、めがみさまのクラスの2がくねんCクラスのみなさまのおまつりのだしものなんですって!

うちのシェフよりおいしいものをつくれるなんて、おうりつがくえんのみなさまはすごいのね!


めがみさまとおはなししながらたべるクレープは、いままでたべたどのたべものよりもおいしかったわ!



きょうはとってもすてきな1にちだったわ!

わたくしは、めがみさま…クロエさまみたいなすてきなレディになれるよう、おべんきょうをがんばるわ!



こんばんは。めいです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

番外編は、サーヤちゃんについて書いてみました。

彼女は照れ屋さんではなく、ただただクロエに憧れていたという事だったようです…(笑)

それと、この世界の6歳児は凡そこんな感じということも書いてみたかったという思いもあります。

ひらがな過多により読みにくい仕様になってしまいましたが、お付き合いいただき、感謝いたします。

次回からは通常本編に戻ります。

お読みくださっている皆様に少しでもお楽しみ頂けますよう、引き続きぽちぽち頑張りますので、よろしくお願いします。

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