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猫を助けたかっただけなのに  作者: めい


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第19話



クレープは好評で、クラスメイト全員が気に入ってくださったご様子。


しかし、甘い物が続くのは大丈夫なのでしょうか?

念の為に皆んなに確認してみましょう。


「皆さん、パンケーキはいかがなさいますか?

ダンデライオン様に材料はご用意頂いていますので作る事は可能ですが、甘い物が続いてしまいますのでーーー」


「「「「「「「大丈夫です!頂きます!!」」」」」」」



…おおぅ。

言い終わる前に満場一致で言い切られてしまいましたわ…

それならば。


「分かりましたわ。

ではパンケーキも作りましょう。

その間にこちらを召し上がってお待ちくださいまし。

アイスティーですので、さっぱりするかと思いますわ。」


そう言って、皆んなに用意していたアイスティーを配ります。


「わぁ!カサブランカ様、ありがとう!」

「これは…グラス?とても透明度が高くて綺麗だな…」

「氷が入っていますわ!」

「ハーブティーの色とは違うな…綺麗だ…」


「「「「「「「頂きます!!!」」」」」」」


「はい、召し上がれ。」


各々アイスティーに対する感想を述べた後、またしても全員揃ってのご挨拶です。

なんだか可愛らしく見えて、思わず笑みがこぼれてしまいました。


さて、ではパンケーキを作りましょう。


作るのはスフレパンケーキですわ。

前世では大好物のひとつで、よくお店にも食べに行ったものです。

今世も無性に食べたくなり、クレープ同様、マイハウスで作って堪能しておりますの。


先程使ったクレープ用の丸い鉄板や調理器具は全て洗って綺麗にしておりますので、クレープ用の丸い鉄板とトンボは鞄(に、仕込んだ亜空間収納)にしまい、入れ替わりで銅板を取り出します。


ちなみに、マジックバックは高額ですが、貴族なら持っている方は多いので,意外と怪しまれません。

また、実際にお会いした事はございませんが、ダンジョンのドロップアイテムでもあるそうですので、冒険者で持っている方もいらっしゃるそうです。

あまりにも容量が多いとバレれば狙われる危険性がありますが、これくらいなら大丈夫でしょう。


銅板を魔導コンロの上に乗せ、熱くなり過ぎないよう、とろ火でゆっくりと加熱します。

その間に生地を作りましょう。


まず、薄力粉をふるいます。

卵は卵黄と卵白に分けてボウルに入れ、卵黄が入ったボウルに牛乳を入れて混ぜます。

いつもはここで牛乳と一緒にバニラオイルも入れているのですが、バニラオイルの存在はまだ確認できていないため、今回は牛乳だけで。

ここに先程ふるった薄力粉を入れて、よく混ぜます。

これで、生地のベースが出来ましたわ。


次に、卵白を泡立てメレンゲにします。

本当はハンドミキサーを使いたい所ですが、あいにくこの世界には存在していませんので使えません。

泡立て器でとにかく混ぜます。

腕が疲れてしまいますので、しれっと身体強化は使っておりますが。ほほほ。


卵白の全体が泡だったら分量の3分の1程の量のお砂糖を加えます。

いつもはグラニュー糖を使っておりますが、先程と同じでグラニュー糖はこの世界には存在しませんので、お砂糖を使用します。

卵白の泡がきめ細かくなったら、残っている半分の量のお砂糖を入れて、さらに泡立てます。

うん。艶が出てきましたわね。

残りのお砂糖と、レモン果汁を入れてまた泡立てます。

この世界にはベーキングパウダーが存在しませんので、このケーキはメレンゲの力で膨らませます。

ですので、メレンゲ作りは重要なポイントですわ。

ツノがピンと立ち、ボウルをひっくり返しても中身が落ちてきませんので、これでメレンゲは完成です。


最後に、生地のベースとメレンゲを合わせます。


メレンゲの3分の1の量をヘラで掬って、生地のベースが入ったボウルに入れて混ぜます。

ここではしっかりと馴染ませたいので、メレンゲの泡が潰れてしまう事は気にしなくても大丈夫ですの。

そうしましたら、メレンゲのボウルの方に先程混ぜた方のボウルの中身を全て入れて、泡を潰さないように、底から掬い上げるように全体を混ぜていきます。


これをせずに生地のベースとメレンゲを一気に合わせてしまうと、生地のベースが重すぎてメレンゲが潰れてしまいますので、面倒がらずにきちんと行います。


これで,生地が完成しましたわ。



ホイップクリームは先程クレープを作った時にパンケーキの分も用意していましたので、大丈夫ですわね。


トッピングのイチゴは最後に切りましょう。


銅板も適温になりましたので、生地を焼きましょう。

銅板に油をひいて一度火を止め、生地をお玉一杯分掬い、落としていきます。

ちょうど30個分。

良い感じですわ。


弱火にかけ、空いているスペースにティースプーン1杯ずつお水を入れてフタをします。


わたくしが今使っているこのフタはステーキカバーですわ。

銅板と合わせてネットショッピングで購入しましたの。

何とか30個入る大きいサイズです。

2分程蒸し焼きにし、フタを開けます。


うん。良いですわね。


それぞれの生地の上にまたお玉1杯分ずつ生地を乗せて、またティースプーン1杯分ずつ空いている所にお水を差してフタをし、蒸し焼きにします。

1分程経ったらフタを開け、ひっくり返していきます。

均等に良い色に焼けてますわ。

銅板の力ですわね。



「美味しそうな色…」ボソッ…


ん?


じーーーーーーーーーーーーーーーっ


えっ!?

気づけばクラスメイト全員が調理台の前に集合し、こちらを凝視しておりました…


全然気づきませんでしたわ…


「皆さん、もう少しで出来ますので、今しばらくお待ちくださいませ。」


思わず笑みをこぼしながら言ってしまいましたわ。



生地の側面を触ってみて、生地が付いてきませんでしたので、これで完成ですわね。


お皿にひとつずつ盛り付けていきます。


少し小さめに作りましたが、皆んな先程クレープを召し上がったので、このくらいの量で十分でしょう。


イチゴをカットし、飾り用とソース用に分けます。


あらかじめ作っておいたイチゴのソースに、1センチ角に切ったサイコロ状のイチゴを手早く混ぜて、絞り袋に入れたホイップクリームをケーキの横に絞ります。

イチゴのソースをかけ、飾り用にカットしたイチゴを添えれば…


「皆さん、完成いたしましたわ。」


「「「「「「「おぉーーーーーーー!!!」」」」」」」


パチパチパチパチ


「どうぞおひとり一皿ずつお持ちになって、お席で召し上がってくださいまし。」


「「「「「「「はーーーーーい!!」」」」」」」


各々が一皿ずつ持ち、席に着いたのを確認して、委員長が号令をかけます。



「それでは皆さん、調理してくださったカサブランカ様と、材料や設備をご提供くださったダンデライオン様に感謝し、頂きましょう。」


「「「「「「「カサブランカ様、ダンデライオン様、ありがとうございます!頂きます!!」」」」」」」


カチャカチャ…パクッ…




「「「「「うんまぁーーーーーー!!!」」」」」

「「「「「美味しいぃぃぃ!!!」」」」」



ほっ。お口に合ったようで何よりですわ。


「シュワっと口の中で溶けたぞ!?」

「見た目も可愛くて綺麗ですわ…」

「こんなにおしゃれな甘味、初めてですわ…」

「横に添えてあるクリームも程よく甘くて、ケーキに合っているな。」

「イチゴも甘酸っぱくて良いアクセントになっていますわ!」


「こちらのパンケーキも果物やトッピングを変えればまた違った味わいになりますので、バリエーションを持たせて提供できますわ。」


「「「「「「「はっ!そうだった!!!」」」」」」」


…忘れていましたわね。

各々感想を述べながら夢中で召し上がっていましたが、わたくしの提案に明らかに本来の目的を思い出したのが見て取れましたわ。


「どちらもスムーズに提供出来るよう皆んなで練習して、割り振りを決めれば出店も可能ではないかと思います。

出店するのであればパンケーキかクレープ、どちらかになるかと思いますわ。」


「「「「「「「うーーーーーーん…」」」」」」」


あら?

なぜか皆んな急に黙ってしまわれましたわ…


「皆さん、提案させていただいた2品はお気に召しませんでした?

それでしたら他の物をーーー」


「「「「「「「違います!そうではなくて!」」」」」」」


他の物に変更した方が良いのかを提案しようとしましたら、皆んなから一斉に否定されていまいましたわ…

今まで明らかに好感触でしたのに、いったいどうなさったのでしょう?

すると、委員長が皆んなの反応の意味を説明してくださいました。


「わたくしもそうですが、皆さんどちらにするかを悩んでいらっしゃるのではなくて?」



委員長のご説明が当たっていたのか、皆んな揃って肯首していますわ。


「あら。そうでしたの。」


で、あれば…


「それならば、今年はクレープ屋台、来年はパンケーキ屋…等と順番に行えばよろしいのではなくて?

どちらも作るのにコツが要りますし、スムーズに提供出来るようになるためには十分に練習を重ねた方がよろしいかと。

一度に両方練習するより、分けて練習した方がよろしいかと思いますわ。」


「「「「「「「おぉーーーーー!賛成です!」」」」」」」


パチパチパチパチ



なぜか皆んなで揃って拍手なさっていますが…


「え。これは決定ということなのでしょうか?」


「そのようですわね。」


わたくしが思わずこぼしてしまった言葉に委員長が苦笑しながら頷かれ、皆んなに向かって最終確認をなさいます。


「それでは皆さん、今年の出し物はクレープ屋台、来年の出し物はパンケーキ屋という事でよろしいでしょうか?」


「「「「「「「賛成でーーーーーーす!!!」」」」」」」


パチパチパチパチ


「では、これで決定ですわね。

本日は終了予定時間が過ぎておりますし、この辺で散会といたしましょう。

次回の集まりは来月の18日に行います。

ダンデライオン様、またこちらの大広間をお借りすることになるかと思いますが、よろしいでしょうか?」


「はい!喜んで!」


「では、皆さん、来月18日の12時にまたこちらの大広間にお集まりくださいませ。

本日はお疲れ様でした。」


「「「「「「「お疲れ様でした!」」」」」」」


委員長が次回の日程と、ダンデライオン様に次回の場所のご提供を確認なさって、散会を告げます。

挨拶をして、各々帰路に着きます。



「カサブランカ嬢。」


「ダンデライオン様。

わたくしもちょうどお声がけしようと思っていた所ですわ。」


「そうだったんですね。

応接室にご案内しますが、よろしいですか?」


「えぇ。大丈夫ですわ。

ご案内をお願いいたします。」



わたくしも荷物をまとめていましたら、丁度ダンデライオン様にお声がけをいただきました。


先程使った銅板や自分の調理器具はすでに洗って鞄の中(に、仕込んだ亜空間収納)にしまってあります。

わたくしは自分の鞄を持ち、ダンデライオン様と一緒に応接室へと移動しました。




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