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猫を助けたかっただけなのに  作者: めい


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第1話

短いです。



フローレン王国とアクアシャイン皇国の間に広がる黒い森の奥深くに、綺麗な湖がある。

その湖畔にある家に、クロエはいた。


「あー、やっと終わった…長かったわー」


リビングのソファに座りながらクロエはひとりごちた。


この家は、クロエが凡そ9年という長い期間をかけて建てたクロエの家である。

6歳の時に王太子レオンハルトと婚約者としての初顔合わせを行った際、レオンハルトのあまりにも横柄な態度に呆れ、前世の記憶と併せても、この性格が改善される見込みがないと容易に想像ができてしまったため、早々に見切りをつけた。

その頃から始まった王太子妃教育と並行して、少しずつこの家を建築していったのだ。

6歳の少女が一人で家の建築を行うのは普通は不可能な話であるのだが、クロエは自分のスキルをフル活用してこの家を見事完成させた。


レオンハルトをはじめ、フローレン王国の人間はクロエは水の初級魔法を扱うのがやっとだと認識していたが、実際のクロエは女神の加護を受け、水、火、土、風、光、闇、聖、全ての属性の魔法が扱えるし、先程の転移魔法をはじめとするそれ以外の魔法も扱うことができる。

そして、魔力量も膨大だ。


家の作り方は、固有スキル[インターネット]を使って調べ、風魔法を駆使して木材のカット、処理、乾燥まで行い、重い資材は浮遊魔法を駆使して持ち上げ、高所の作業は自分自身を浮遊させて行った。


家具は固有スキル[ネットショッピング]を使って好きな物を揃えた。


ちなみに家も家具も、クロエが好きな白と木目調を基調とした北欧風である。


空き時間を作ってはこの場所に転移し、作業を行うのは大変な事も多かったが、楽しく、充実した日々でもあった。


学園入学の少し前に完成したこの家は、クロエにとってカサブランカ家の自室よりもくつろげる場所となっていた。



「さてと…会場の様子はどうかな?

もうゲームのエンディングに入ったのかな?

観察(モニタリング)]」


ヴォン


音と共にクロエの前に大きなモニターが現れる。



『『『!!!!!!!?』』』


シーーーーーーーーン


『はっ!いや…何かの間違いだ!!

クロエはまだこの近くにいるはずだ!

カルロス!すぐに追いかけろ!クロエを探せ!』


『御意!』


『消えた?』

『カサブランカ嬢は転移魔法を使えたのか?』

『まさか、あの方は学園始まって以来のの劣等生ですわよ?』

『そんなはずは…』

『現にこの場にはもういないじゃないか…!』

『そんなまさか…』

『いやしかし…』




「エンディングどころかだいぶ混乱してるなぁ…」


(しかも王太子なんて騎士団長の息子に追いかけさせてるし…今更追いかけたところで魔物が多い黒い森に入る事自体難しいだろうし、さらに言うと最奥にある湖畔(ここ)まで辿り着けないんじゃないかな?

あんな調子で見つけられるのかな?知らんけど。)


「まぁいっか…今日はもうお風呂入って寝よう。」



シュッ


そう言いながらクロエはモニターを消し、風呂場へと向かった。



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