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3話 腐女子がエルフを助けます!

 ええ…?エルフ…だよね?耳長いし…金髪だし…。


 エルフは身体が傷だらけになっていて、息も浅い。この罠に生き物を瀕死にさせる力はないから、罠にかかる以前に出来た傷なのだろう。


 放置するわけにもいかず、私は罠を解消した後エルフを背負う。

 力がないため揺れるが、エルフくんが起きる気配はない。


 これ…やばい感じだよね……?どうしよ……


 ベッドまで運んでエルフくんを寝かせる。明確な致命傷は見つからないが、やっぱりこのまま死んでしまうのでは?と思うほどの息が絶え絶えだ。


「まずは…鑑定」


 もしかしたら症状がわかるかもしれない。そしたら対処も自ずとわかってくるだろう。


 それが私に出来るかどうかはまた別だが…。



= = = = = = = = =


個体名 キッズ・エルフ

名前 ニルス・オーフェル

状態異常 飢餓


レベル | 7/12

魔力  | E

攻撃力 | E

体力  | E

知力  | F


特殊スキル

【エルフ族固有魔法】レベル1


常備スキル

【グラマリア言語】レベルMax


スキル

【狙撃】レベル2


= = = = = = = = =



 うーん…空腹のせいってことかな…?


 【鑑定】は最初の方は何度か使っていたが、少なくとももう百年以上は使っていないせいで詳しい使い方がわかっていない。


 もう少し詳しく見ることはできないのかな…?



= = = = = = = = =


詳細


未だ成体になっていないエルフ。

森に集落を作り、集団で行動する。


飢餓により瀕死が近い。

軽い切傷、打撲が体中を覆う。


生命活動残り時間 10分


= = = = = = = = =


 お、念じればできるみたい。

 

「やっぱり飢餓…っえ、十分…?」


 いや、でもかなり危ないが、飢餓ならなんとかなるかもしれない。さっき私が食べていた猪肉がまだ余っている。

 流石にスープなんて手が込んだもの今すぐに作ることはできないけど、足しにはなるはずだ。


 私はその場から立ち上がると、キッチンから猪肉の乗った皿を持ってきた。


「ご飯ですよ」


 箸で口元に寄せてみるが、意識がないせいで口が開かない。

 このままじゃ押し込んでも喉に詰まらせる可能性がある。


「…潰すか」


 手でやるのは汚いけど、今は一刻を争うため許してほしい。


 私は肉を手でちぎって小さくしようとした。しかし、ちぎれたとしても、ちまちまと時間がかかってしょうがない。

 このままでは細切れにするよりも先にエルフくんが餓死するだろう。


 だとすればやれることは一つだけだ。

 猪肉を口に含み噛んで小さくする。

 起きてたらいきなり他人が口にしたものを食べさせてきたら、トラウマになるかもしれないが、幸い今は意識がない。


 口の中で肉が簡単に飲み込めるくらいに砕くと、エルフくんの上半身を起こし顎を掴んで口を開かせる。

 そして、少しずつ猪肉を与えた。

 力は弱いが喉が動いていたし、多分ちゃんと飲み込めたようで一安心だ。



= = = = = = = = =


詳細


空腹状態。

軽い切傷、打撲が体中を覆う。

 

= = = = = = = = =



 暫く同じことを続けていると、詳細の文言が変わった。


 瀕死や残り時間とは書かれていないし、危機は一応去ったと思っていいのかな?


 私は一安心すると自分の唇を拭く。


 んー、切傷なり、打撲なりも治してあげたいけど、私は魔法が使えないし、この小屋で傷薬なんて見たことない。


 んー、あ、そうだ…使える物がないか本で調べればいいんだ。


 そうと決まれば、【秘密の書庫】の検索窓にグラマリアの傷薬と思念で書けばすぐに本がずらりと並んだ。


 切傷くらいだし初級の…どこにでもある物で作れそうなやつ…お、これとかどうだろ?


 私が選んだのは『回復薬(初級)』と書かれた本だ。


 顕現した本を開くと、簡単なレシピや必要な材料が事細かく書かれていた。


「この草…なんか物置で見たことあるな…作れる……かも?」


 冷蔵庫の隣の木箱に、大量によく分からない草があったのを思い出して足を運ぶ。

 食べれなさそうだから放っておいたが、どうやら薬草だったらしい。


「えっと、これを潰して…って、また潰すの?一枚の葉に潰したものを塗る………こんなもんかな?」


 これは時間に猶予があるから、部屋中を探し回ってなんとか潰せそうな木の棒とボールを見つけ出し、少し荒いがちゃんと潰す。

 そして、やっと出来たものは本当に傷口に貼っていいのか怪しい物だが、書かれていたのだから大丈夫なんだろう。


 エルフくんの体の中で唯一傷口から血が滲んでいる大きめな傷に、出来たものを貼ると汗を拭う。

 気のせいかもしれないけど、傷口から血液が止まったような気がする。


 もう私にできることはないかな?


 やっと落ち着いてエルフくんを一望する。

 私が知っているエルフ同様に耳が尖っていて、さらに身体に草のツルのような痣があり、人間に似ているが、見た目は少し獣的にも見える。

 でも、柔らかな印象を持たせる少し癖のついた短髪の金髪や、どこかあどけない表情。そして、印象的なソバカスは人間の子供にしか見えない。


 BLなら受け…いや、こういう子は大きく成長してから逆転攻めになるタイプだ。断定ではなく私の好みでしかないけど…


 おっと…いけない、いけない…前世の衝撃の告白から現実の人で妄想するのは控えるようにしようと決めていたのに…つい妄想が捗ってしまった。


 さらに相手は未成年、流石に二百年生きた私が妄想の糧にするのは犯罪臭くていけない。


 早く漫画の世界に浸らなくちゃ…。

 私は何があってもすぐに対応出来るようにベッドの近くに椅子を置くとそこに座り、BL本を読み始めた。


 人助け後のBL本はまたいつもと違う楽しさがあった。

最後まで見てくれてありがとうございました!


芋を鍋で蒸して皮ごと食べることしかしなかった腐女子。包丁もフライパンも使ったことないとか………。

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