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2話200年経っても腐女子でした

 腐女子としてこの世で幸せに暮らすことは決まったが、まだわからないことだらけだ。


 取り敢えず他のスキルも見てみようかな?



= = = = = = = = =


個体名 人間

名前 ???

状態異常 無し


レベル | 1

魔力  | 無

攻撃力 | F

体力  | F

知力  | F


特殊スキル

【秘密の書庫】


装備スキル

【鑑定】レベルMax【防護障壁】レベルMax【不老】


= = = = = = = = =



この…装備スキルってなんだろ…?


「迷わず鑑定!!」



= = = = = = = = = 


装備スキル


装備に付与されたスキル。

装備を装着することで、そのスキルを扱える。


= = = = = = = = =



 なるほど…?


 つまり、服とかアクセサリーを付けてたら私は不老だし、防護障壁?で守ってもらえるってことかな?

 なんなら、今使ってる鑑定も私のスキルじゃなくて着ている物のスキルなのね…。


 まぁ、私が弱いとか正直どうでもいい!BL本読む最高スローライフ生活がおくれるんだから!!


ぐ〜


 その時、間抜けな私の腹の虫が静かな部屋の中に響いた。


「………まずは、とにかくお腹に何か入れよ」


 ご飯と言ってもここにあるものは、カチンコチンの肉と、パン。そして、使い方のわからないコンロ。


 パンを適当に口に放り込みながらコンロを鑑定してみる。

 パンはシャリシャリとしていて冷たいし、味がしないし、美味しくなかった。



= = = = = = = = =


魔導コンロ


薪を入れ込めば火が出る。魔力を流し込めば、火力も調節が可能。


= = = = = = = = =



「ふむふむ…まぁ、後ででいっか」


 パンを食べたおかげで、少し空腹は紛れたし…正直料理なんかよりも私はBL本が読みたいっ…!!


 片手でパンをむしゃむしゃ食べながら、私は近くにあった椅子に腰を下ろす。


「すーーーーっ…秘密の書庫!!」


 鑑定は言わなくても使えるのだから、多分これも必要ないが期待を込めて大声で言い放つ。すると、目の前に検索窓が現れた。


「ここに見たいジャンルを書けばいいのかな…?」


 スマホに慣れているため無意識で検索窓をタップして、キーボードを出そうとする。しかし指を置いた瞬間、魔法が私の思考を読み取ってくれたようで、すぐにBL本と検索窓に書かれた。

 唾を飲んでまたタップする。

 指は緊張や期待から少し震えていた。


 BL本が…無料で…読めるっ………


「っ!!!」


 押した瞬間、本の題名と表紙がずらりとウィンドウに表示される。

 小説から漫画、ライトノベルから文芸作品、種類は千差万別で適当にスクロールしたが、端が見える気がしない。


 好きなジャンルをちゃんと検索窓に事細かく書けば、もっと絞り込むことも可能だろう。


「はっ…はっ…はっ…はっ…転生さいこぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 


 早速本を読み尽くしてやる!先ずは最初に目についた多分日本の青春BL漫画らしき物をタップする。


 本当に日本や異世界関係なく全ての本があるようだ。あまりの凄さに驚いていると、本が目の前に顕現してゆっくり机の上に落ちた。


「わかってるっっ……そう…そうなんだよ…電子書籍も勿論最高なんだけどっ……紙の書籍がやっぱ至高なのよっ…!!」


 手で熱くなった顔を仰ぎながら、このスキルのオタクへの理解度に感服する。


 このスキルは神だ。


 ドキドキしながら本を手に取ろうとすると、一枚の紙が目に入った。


「あっ、これ…さっき見つけて読めなかったやつ…」


 あの文字が読めなかった手紙だ。

 そういえばスキルを鑑定した時に、どんな言語も読めるようになっていると書いてあった気がする。

 試しにその紙をめくると、異世界語が日本語に変わっていた。


= = = = = = = = =


異世界人へ


急に呼び出して申し訳ない。しかし元いた世界に返すことは今は難しい。だから、ここで生きるための方法を記す。


〜〜〜〜〜


= = = = = = = = =


「お、読める!」


 それだけ確認すると、私宛だった手紙を机に置き直す。


 どうせ急いでないし、この後の生き方が書いてるなら、尚更不安なくBL本に集中出来ると言うものだ!


◇◇◇◇


 それから、何度四季が巡っただろうか……。

 ハッピーエンド厨になったり、メリバを愛すようになったり、バッドエンドの沼にはまったり……。


 そう、この生活が始まってざっと二百年。


「んーーー、よく寝たぁ」


 私はBL本読み放題スローライフを満喫しています。


 朝起きたら先ずは魔導コンロを使って肉を焼く。

 使う肉は昨日罠にかかっていた猪の肉。最近は罠に動物がかかることが若干減ったため、久しぶりのお肉だ。

 肉が手に入らない日は毎日マッハ・ポテトのふかし芋を食べている。


 例の手紙に書いてあったが、この世界は『グラマリア』と言って、私の住んでいた世界とはやはり全く異なる世界らしい。

 そして、一応この森を抜ければ人間の国があるらしいが、畑も罠もあるし外に出る気は一切ない。


 細かいことも結構書いてあったが、わからないことは【秘密の書庫】で適当に検索して出てきた本を読めばわかった。


 ちなみに、マッハ・ポテトは元々外の畑に埋まっていた植物だ。植えたら1日で育ち切るため、私は重宝している。


「ほーーーんと幸せ」


 この世界に来て十年経ったぐらいに、一回孤独すぎて病んだこともあった。しかし、BL本がそんな時も私を支えてくれた。  

 今は一生こうやって生きれればいいなぁ、なんて時折思いながら、猪肉を食べてBL本に耽るくらいには吹っ切れている。


「今日はエルフ×獣人かな」


 そう私が言葉を零したその瞬間、チリンっといきなり鈴が音を立てた。

 これは罠に獲物がかかったことを知らせるための鈴だ。


 今日は大量だな…どうしよ、BL本読みたい…。


「いや…一苦労してから見るBL本はきっと最高の至福ね…」


 私は働いた後のひとっBLを楽しむために立ち上がった。

 罠は家を囲うように設置されている。鳴った鈴の色からして今回は丁度正面の罠にかかったようだ。


「猪…いや兎?」


 鼻歌を歌いながら茂みにゆっくり歩く。


「……………ん?」


 草をかき分けると、そこには長らく自分以外で見ることがなかった『手』があった。


 心臓が飛び跳ねる。見たくないが恐る恐る全体を見渡す。


 罠にかかっていたのは………エルフだった。

最後まで見てくださりありがとうございました!


マッハポテトは名前の通りじゃがいもみたいなものです。

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