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……罪な女だよ、ティアは。

時には自分にとって有利な事にも不満が出る場合が有るものです。

「キサラ! 数が多いから半分の5匹殺ってくれ。」

「分かったわ。 ……さようなら。」


 ザン!


 一瞬でバジリスク5匹の首が飛ぶ。


「ゼロ、終わったよ。」

「ありがとうな、キサラ。後は何時ものを頼むな。」

「分かったわ。」


 この後、ティア達は、ガイラを中心に連携しながら5匹のバジリスクを討伐していった。


「ティア、右!」

「はぁ!」

「ルシア、ティアに回復!」

「はい!」

「リン、左の隙を付いて止めを!」

「分かった。」


 上手く連携でバジリスクの攻撃を躱して、1匹ずつだが討伐しているな。

 勿論、俺はバジリスク・キングの攻撃をチマチマ避けながらチクチクと攻撃をしている。

 既に左目と右前足、後ろ左足を潰している。


「ティア、危ない!」


 流石に、ガイラも複数のバジリスクの相手は難しいみたいで、何時も以上にキサラのフォローが入っている。


「ありがとう、キサラ。」

「頑張って、ティア。」

「ルシアに皆、もう少しよ!」


 ティア、頑張れ。


「はぁ! 最後の1匹も倒したわ!」


 おお~、凄い!

 たった4人で、バジリスク5匹の群れを倒した。


 さて、メインディッシュのバジリスク・キングは、大分痛め付けたから、ティア達が加わっても大丈夫だろう。


「ティアや皆。後はバジリスク・キングだけだ!」

「ゼロ君! 行くわよ!」

「おう!」


 俺も歯車の1つとして、連携に加わり攻撃を繰り出す。

 ……そして、大分弱まり抵抗が小さくなった所で我慢出来なかった奴が連携を無視して特攻した。


「おおぉおーーー!」

「ガイラ、無茶だ!」

「だが、これで、エリアナを助ける事が出来る!」

「……全く。ルシア、リン!」

「「はい!」」

「ぐっ。……止めだ!」

「Gishaaaaaaーーー……」


 ガイラの決死の一撃がバジリスク・キングの喉に深く入り、これが致命傷になりバジリスク・キングは討伐された。


「……や、やったー! エリアナ、バジリスク・キングを倒したぞー!」

「おめでとう、ガイラ。」

「ありがとう、ティア、ルシア、リン、ゼロ、キサラ。」

「ガイラ、お疲れ。」

「ああ。これでエリアナを助ける事が出来る。ゼロには感謝している。」

「感謝される程の事じゃないさ。それよりも、バジリスクやバジリスク・キングの処理しようぜ。」

「ああ。」


 目標を達成して、ほんわかムードの時に、その空気をぶち壊す奴が現れた。


「なんと言う事だ!?」


(ゼロ、来たな。)

(ああ。途中から観戦していた様だけどな。)

(下手くそな演技だが、必要か?)

(奴らにとっては遊戯場だからな、地上は。)


「コレは、貴様らがやったのか?」

「ああ、そうだ。」

「……そうか。折角、余興用に集めたバジリスクを潰したのは貴様らだと言うのだな。それなら、責任を取って貰う必要が有るな、貴様らの『命』でな!」


 多分、男爵級悪魔だと思うけど、バジリスクを集めて何をしようとしたのか。

 ……まあ、良い事じゃないよな。


(そうだな。どうせ、近くの村や町を襲わせ、悦に入るつもりだったんだろうな。)

(そんな所だろうな。)


 悪魔の常識的な認識では、地上の人族とかの知性を持つ者達は、「オモチャ」だからなぁ。

 だけど、同じく悪魔の常識的な認識では、地上に出る悪魔は魔界では「雑魚」認定される。

 だから、地上に出る悪魔は憂さ晴らしで人族達を殺していく。


「誇り高き悪魔の不興を命を持って(あがな)え!」


 男爵級悪魔はそう言いながら、ティアに向かう。

 全く、真性のヒロイン属性のティアが輝いている所為(せい)か、こういう時は良く狙われる。

 ……罪な女だよ、ティアは。


「ティア!」

「ゼロ君!」

「邪魔をするなら、貴様から死ね!」


 魔力で身体強化して、一瞬でティアと男爵級悪魔の間に入った俺は、寝言を吐く男爵級悪魔の手足を全て瞬断して心臓を刺す。


「……え!?」

「お前が死ね。」

「ぎぃやあああー!」


 そして、俺は男爵級悪魔の首を斬る。


「ゼロ、お疲れ。」

「ああ。まあ、お疲れと言われる程、強く無かったけどな。」

「そうだけどね。ゼロ君、助けてくれてありがとう。」

「そんなの当たり前だろ。大切な存在なんだから、ティアは。」

「……もう。恥ずかしい事を言うんだから、ゼロ君は。」


 良いなぁ、ティアとのこんな時間は。


「まだ、宿屋の部屋じゃないぞ、お2人さん。」

「え!? きゃっ!」


 おっといかん。

 つい、恋人がキスする5秒前の体勢になっていた。

 やっぱり恥じらうティアは可愛い。


「そ、そうね。討伐したモンスターの処理をしないとね。」


 ティアが恥ずかしさを誤魔化す為に移動を始めた時に、俺は一言、ガイラに伝える。


「ガイラ。エリアナとの良い空気を1度は壊してやるからな。」

「……ゼロ。」

「覚悟しておけよ。」


 こうして、ガイラに捨て台詞を残して、ティア達に混ざった。


 翌日


 町に帰った俺達は、宿屋で1泊してからチリルが待つネリブ商会に向かって到着した。


「お待ちしておりました。」

「チリルは元気か?」

「ええ。味と具の無い冷めたスープとカビたパンに文句を言ってましたよ。」

「本当に奴隷と同じ待遇にしたんだな。」

「勿論です。偶然と幸運で奴隷にならずに済みますが、本来なら奴隷の身分まで堕ちる筈だったんですから。」

「まあ、此方もそれなりの情報を手に入れたからな。……そうだ!」

「何か?」

「バジリスクを1体売るから、その分で其方の商品を買いたいが良いか?」

「勿論ですとも。」


 ネリブ会長の指示に従い、バジリスクを1体渡して、その売値の分をネリブ商会の商品を買った。

 主にティア達が必要とする商品を中心にな。

 特に地球で言う所の「シャンプー」や「リンス」や「石鹸」を買った。

 因みに、そこそこの高級品です。

 どれくらいかと言うとだな、日本なら千円に相当する物が、ここでは5万円相当になっている。

 序でに言っておくが、それでも安かった。

 王族を除いて、元最上位階級である公爵令嬢だったティアが歓喜の声を出すくらいには。


 こうして、俺達の用事を先に済ませとから、チリルの所に行ってみると、「ガルルル」という表現が似合う顔をしたチリルが檻の中に居た。


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




私事ですが、過去にイカサマ無しで、互いにカット&シャッフルして5枚引いたら、1枚制限の5つのパーツが揃った事があります。

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