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身体のサイズも教えないからね。

扉を開けたら、恐怖が具現化した存在が居た。

 オークは女性に夢中になっていたから俺に気付いてなかったなぁ。

 後、これから聖女に会うのは気分的には、俺1人だけ夏休みに補修で学校に行く上に担当の先生がおっさん、という感じだな。


(やっぱり、運命とか宿業とか言うやつか!)

(はぁ~。)

(まあ、有無を言わせずに、手紙を見せれば大丈夫だろ。)

(そうだけどな~。基本的には真面目な聖女が、1度は俺に殺意を向けられるのは地味にキツいんだよな。)

(……ドンマイ!)


「どうかされましたか?」


 ライオスに愚痴っていると、助けた商人風の女性が話し掛けてきた。

 ……そういやお互いの自己紹介をしていないな。


「まだ自己紹介をしていなかったな、と。」

「そう言えばそうでしたね。私はアディよ。」

「私は、アメリー。」

「私はラビナよ。」

「俺はゼロ。御者をやっているのがキサラとガイラで、彼女がティア、こっちがリン、この子がルシアだ。」

「よろしくー。」×聖女組

「そんで改めて言うな。俺達は、都市フィブリールから来た冒険者だ。」

「冒険者、ね。その割には馬車の中は凄いわね。」

「ああ。以前、それなりの方と縁があってな。」

「それで、こうなった、と?」

「お礼を兼ねたみたいだな。」

「ふ~ん。」


 まあ、馬車で20分やそこらの距離だ。

 直ぐにレビィンドラの町に到着するから、言うべき事を言わないとな。


「それで、ちょっとお願いが有るけど良いか?」

「何、命の恩人を盾に恋人になれって言うのならお断りよ。」

「そうよ。身体のサイズも教えないからね。」

「だからと言って、他の子を紹介しないわよ。」

「ゼロ君、そんな事はしないよね?」

「ゼロ様、やはり……」

「ゼロ兄さん、やっぱり……」

「違うわ!」

「じゃあ、何?」

「この後、教会に行くよな?」

「ええ。そうしないとお礼も護衛料も払えませんから。」

「訳は後で話すけど、無関係な人達が居ない場所で会いたいんだ。良いか?」

「……ゼロ君。そうだったわね。」

「え!? 何? どういう事?」

「まさか、聖女様狙い?」

「私達の聖女様を渡さないわよ!」

「悪いけど、ゼロ君のお願いを叶えて欲しいの。それに、ゼロ君は聖女様狙いでは無いから。」

「……分かったわ。ふざけていたけど、私達だって命の恩人を(ないがし)ろにするつもりもないわ。」

「ありがとう。」


 俺達は町の門を手続きを済まし、通りを進み教会に辿り着いた。


「それでは、聖女様に話を通してくるので少しお待ちください。」

「分かった。」


 15分後、アディ達が出て来て、外から裏の中庭に案内されたが、アディ達を含めた8人の女性達の内、5人が騎士風で、その中の2人がアメリーとラビナで、2人は侍女風で残りが実務担当のアディだった。

 ……そして、教会の裏口みたいな所から聖女ミルファが現れた。

 同時に、聖女ミルファはどんどん顔色が悪くなり、ガタガタ震え始めた。



 聖女ミルファside


 今朝早く、アディとアメリーとラビナに町の外に行って薬草採取をお願いしたけど、少し遅いわね。


「ねえ、まだアディ達は帰ってないわよね。」

「はい。……確かにいつもよりも遅いですね。」

「それよりも、聖術の鍛練をしないといけませんよ。」

「そうですよ。何時までも都市フィブリールの聖女アストレア様に頼ったままではいけませんよ。」

「分かっているわ。それでも、やっぱり怖いのよね。」

「それはそうですよ。だって聖女様達が戦う相手は残虐非道な存在の悪魔なんですから。」

「大丈夫ですよ。その為に私達が居るのですから。」

「うん。頼りにしているわ。」


 聖術の鍛練をしていると、アディ達が帰って来た。

 話を聞くと、薬草採取が終わって町に帰ろうとしたら、オーク3匹に襲われたみたいで抵抗したけど、もう駄目だと思った時に、通りすがりの都市フィブリールから来た冒険者達に助けられて、しかも、帰りの護衛もお願いしたから、護衛料を払う為にも、この教会に来て待たせているみたい。

 だけど、私に無関係な人が居ない場所で会いたいなんて、変なお願いをしてきたから一応は注意して欲しいと言われたわ。

 どういう事かしら?

 それでも、アディ達の命の恩人なんだから、お金は用意しないと……

 金貨10枚有れば足りるわよね。

 お金の準備も出来たし、私に対して過保護というか、待たせている方々に失礼だけど、皆は万が一を考えて戦える様に装備をしてから、先に出ているみたいね。


「もう、過保護ね。」


 そう独り言を(つぶや)きながら裏口の扉に近付くと、今まで経験した事の無い恐怖が私を襲った。

 それでも、気の所為(せい)と誤魔化しながら扉を開けると、そこには、人族の外見をした恐ろしい悪魔が立っていた。


「あ~、やっぱりそうなるか。」


 この悪魔は何を言っているの?

 皆は無事?

 私はどうすれば良いの?

 こんなの、私達だけでどうにか出来る相手じゃないわ!

 これ程の悪魔なんて、それこそ大聖女ティリス様ぐらいじゃないと必滅は不可能だわ!

 それに、何故、こんな悪魔が居るのに、周りは日常を維持出来ているの?

 何か、狙っている目的みたいなのが有るかもしれないけど、この教会には悪魔が欲しがる様な物は無いわ!

 となると、やっぱり私の命かしら?

 嫌だ!

 私はまだ死にたくない!

 ……いいえ!

 私は、皆を守る為に聖女になったのよ。

 例え、此処で命を失い、悪魔に私の魂を犯されようとも、皆を守ってみせる!

 どうにかして、都市フィブリールのアスティーに伝えないと……


「あ、アディ。それと、アメリーにラビナ。わ、悪いけど、都市フィブリールの聖女アストレア様にお使いをお願い出来るかしら?」

「え、はい。用件は?」

「預かっている紅聖書(・・・)を返して欲しいの。」

「!? は、はい! わ、分かりました!」


 これで、あの悪魔が気付かなければ、都市フィブリールの聖女アストレアであるアスティーに伝える事が出来る。



 ゼロside


 うわっ!

 滅茶、顔色が悪くなっていくな。

 多分、今、静かなのは、これからの対処を考えているからだろうな。

 まあ、毎回の事だけど仕方ないと言えば仕方ないが、聖女側から見れば、目の前には大聖女じゃないと対処出来ない様な悪魔が人族の姿で立っているもんな。


 ……お!

 持ち直したのか、顔色が少し良くなった。

 ん!?

 こんな時にお使い?

 しかも、あの聖女が言った「紅聖書」と言う言葉で、周りの空気が変わった!

 ……暗号か!?

 このまま、行かせたら色々な意味でヤバい!


「ちょっと待て!」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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