もう、ゼロ君ったら~。
金貨20枚は勿論、大金です。
多分、全財産でしょう。
無駄に注目を集めた為に、パンダナを付けて溢れる色気を抑えている。
……まあ、焼け石に水だけどな。
さて、ダンジョンに入ったは良いが、やっぱり俺かキサラが前に出ると、連携の確認どころでは無い為に、俺とキサラは後方の警戒する為に最後尾に回された。
その後は、冒険者パーティーらしく、ガイラがヘイトを集めてその間にティアやリンが攻撃をし、ルシアが後方から回復や補助をしながら指示を出すという形になっている。
俺とキサラはその間は遊軍と言う名の見学だ。
上手く誤魔化したつもりだったのだが、ティアの活躍を後ろから見ていたら、つい、視線を腰のベルト下に移動したら、いきなりティアが振り向き様に初級の氷魔法を俺に向かって放った。
「うおっ!?」
「ゼロ君のスケベー!」
何故、バレたんだ?
「ゼロ兄さん、一応は戦闘中ですよ。」
どうやら、密告をしたのはルシアの様だ。
まあ、ルシアはティアの元専属侍女でちょっと前まで冒険者パーティーのパートナーだったからな。
……元俺の専属侍女だったんだけど、すっかり優先順位が変わっているよ。
ティアとルシアのちょっとした交流をしながらの攻略だが、強制的な休憩が待っていた。
……10階層のボス部屋前の順番待ちだ。
このダンジョンは、難易度的には平均で、出現するモンスターは、弱い順から「ゴブリン」、「コボルト」、「ウルフ」、「オーク」、「オーガ」と、分かっているのは此処までで、更に下の階層に行けば、もっと強力なモンスターが居ると言われている。
後、どういう訳か、ダンジョンのモンスターは俺から逃げないし、向かって来る。
しかし、倒しても討伐証明の部位は残らないし換金用の素材も残らない。
……ドチクショウ!
「これは結構待たされそうだな。」
「そうだな。ゼロ、どうする?」
「ガイラ。とりあえず、武器や装備品の点検をしたら、その後は休憩で良いと思うけど。」
「それじゃあ、武器や装備品の点検をしたら休憩だ。」
……と、ガイラが年長として頑張ろうとしているから、ある程度は任せようか。
俺達が点検を済んで休憩していると、後から来た男4人組の冒険者パーティーが話し掛けて来た。
「なあ、あんた。」
「何だ?」
「若干、年若いが粒揃いじゃないか? 幾らなら売ってくれるんだ?」
「おい、何を言っているんだ?」
「おまけは黙ってろ!」
はあ!?
そっちこそ、初対面にも関わらず、いきなり「売れ」とはどういう神経してんだ?
「……幾らなら、出すんだ?」
「そうだなぁ。これだけの美貌だ。あの奴隷なら金貨20枚でどうだ?」
寄りにも寄って、ティアが端金の金貨20枚だぁ!(日本円で約2千万)
「話にならんな。」
「はあ!? 金貨20枚だぞ!」
まあ、ガイラにも、ティアを助ける為にオークションで白金貨600枚で買った事を話したからな。
その時のガイラの顔は、ネットに晒したかったのは此処だけの話だ。
さて、この来世からのリスタート希望者をどうしようか?
「まあまあ、ガイラさん。そんな言い方だと角が立ちますよ。」
「てめぇは呼んでねぇ!」
「それなら、俺と勝負をして勝ったら、交渉を前向きに考えるというのは?」
「はあ!? こんのガキャ……調子に乗るのは此処までにするんだな。死にてぇのか?」
「良いだろう。『勝てた』なら、考えてやる。」
「良いだな?」
「ああ。」
「ガキ。てめぇから言い出したんだ。覚悟するんだな。」
「俺もムカついているんだよ! 能書きは良いからヤられに来いよ、屑!」
「くそガキャ!」
「がぁ! ぎぁ! ぐはぁ! ひでぶほぉ!」
注目していた他の冒険者達に、アピールの意味を込めて、歩きながら止まらず、防いで流して一撃を与えるを繰り返して、最後のリーダー格には特別に3連撃を贈呈した。
あ、一応は殺してないよ。
所謂、「峰打ち」で我慢した。
「嘘だろ?」
「あのガキ、いや、少年があんなに簡単に倒しやがった。」
「簡単じゃあねぇ。生半端な腕じゃあ、あんな事は出来ねえ!」
「……そうなると、リーダーのあのダークエルフはもっと強いと言う事か?」
「つまり、あの少年はリーダーの女とのイチャつく時間を邪魔させない為の『番犬』って所か。」
おい!
最後の奴、今直ぐに来世をスタートさせたろうか?
そんな事を考えていると、ガイラが内緒話を持ち掛けた。
「ゼロ、良いのか?」
「何が?」
「周りに勘違いさせて。」
「まあ、そのまま勘違いさせとこう。ガイラが居ない場合は若手冒険者パーティーか、ティア達が奴隷だと気付いて貴族の坊っちゃんの道楽パーティーと思うかもしれないけど、ガイラが居るし、奴隷環や奴隷紋がガイラには無いからな。普通に見たら、ガイラがリーダーだと思われるだろうしな。」
「……確かにそうだな。」
「ガイラには悪いが表向きのリーダーを、この際に演じてくれないか?」
「まあ、そうだな。その方がオレもやり易い。引き受けよう。」
「助かるよ、ガイラ。」
「ゼロ君、良いの?」
何時の間にか、内緒話の輪に入って来たティアが尋ねた。
「ああ。これで、代表者1名みたいな時は、ガイラに行って貰えるしな。そうすれば、その間はティアと一緒に居られるからな。」
「もう、ゼロ君ったら~。」
「……イチャつくなら、他所でやれ。」
「「うっ。」」
「ゼロ、ティアとイチャついている間に、順番か来たよ。」
「キサラ、分かった。」
順番が来て、ボス部屋に入ると、そこそこの広さだ。
この程度の広さなら大した事ないな。
因みにダンジョンのボス部屋は広さで大体の強さが分かる。
広ければ広い程、ボスは強くなっていく。
……お!
ボスが出現した。
ボスは、「ゴブリン・キング」が1匹と、「ゴブリン」が10匹か。
「それじゃあ、俺とキサラは危ない時は助けるから、それ以外は俺達抜きで頑張ってくれ。」
「分かった!」
ガイラが中心になり左右にティアとリンが立ち、後方にルシアが立つ。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




