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ゼロ君、聞いている!

ゴブリン程、弱者に対して慈悲が無いモンスターは居ませんよね。

上に慈悲を持つ者が居ないと、ね。

 ゴブリンとゴブリン・キングの戦闘が始まって3分と経たずにゴブリンは全滅して、今はガイラが大盾を使いゴブリン・キングのヘイトを稼ぎながら、ティアやリンの攻撃が通る様に動いている。

 やっぱり、ガイラの戦い方は我流ではなく、正式な教えを受けた上で自分に合わせた戦い方をしていて、アレなら安心して見ていられるな。


 次にティアだが、こちらも綺麗な戦い方だ。

 でも、まだ若干の対人や対モンスターとの戦いで使い分けが出来て無い。

 ティアが実戦を始めて1年も経ってないから、仕方ないがいずれは出来る様になるだろうな。

 ……それにティアは頑張る子だから、見ているとほっこりするんだよなぁ。

 そんな事を考えながら、ニマニマしていると……


「ほっ。」

「ゼロ君のバカー!」


 ティアが赤面しながら、また氷魔法を俺に放った。


「ティア、余計な事をするな!」

「ごめんなさい。」


 ティアが余計な事をしたから、ガイラに怒られた。

 ……謝罪するティアも可愛いな。


 次に、リンだが、既に自分がすべき事を把握している事で実に綺麗な連携を維持している。

 しかし、何と言うか、容赦無いな。

 連携に沿った攻撃をしながらも、隙有らば、目や喉や心臓等の急所を狙っている。

 獲物認定を受けた奴は、恐怖や不安で堪らないだろうな。

 ……まあ、俺が仕込んだんだけどな。


 最後はルシアだが、問題無し。

 回復魔法とかは冒険者に為ってから覚えた訳ではなく、ルシアが10才くらいから始めた事だから安定感がある。

 後は、贅沢を言えば、攻撃手段が有れば、後は伸ばすだけだな。


 見事に俺やキサラの助け無しにゴブリン・キングを討伐した。

 討伐報酬の宝箱からは、回復ポーションが4本入っていた。

 普通なら、ボスを討伐したらボス部屋を出るのだが……


 ……俺達はまだボス部屋に居た。


 俺は、固い地面に直接正座して、ティア、リン、ルシアに囲まれて説教を受けている。

 ガイラは俺を助ける事なく、「空き時間が出来たから、装備品を点検しよう。」と言って逃げて、隅で装備品の点検という時間稼ぎをしている。

 ガイラは3人の美少女の迫力に負けたのだろうな。


「ゼロ君、聞いている!」

「はいっ!」


 ……早く終わらないかなぁ。


 解放されたのは、30分後だった。


「ティア。」

「何、ゼロ君。」


 まだちょっぴり怒っているティアは、少し強めに返事をした所で、用意していた飴玉をティアの口に入れる。


「ティア、ごめんな。」

「……ゼロ君の意地悪~。」


 実は、飴玉は幼少の頃からの俺とティアが喧嘩した時の俺から謝罪する時の常套手段。


「ティア。」

「……もう、怒ってないよ。」

「ありがとう、ティア。」

「でも、次はしないでよ。」

「分かっているよ。」


 ティアは頬を赤らめ見つめ合っていると、火消しが現れた。


「はいはい。ヒイロ様にシンティア様。皆さんが見ていますよ。」

「おっと……って、ルシアも俺達の呼び名が昔になっているぞ。」

「……し、失礼しました。」

「……ぷ。あははは! ルシア、仕草や言葉が侍女になっているわよ?」

「!?」

「……ルシア、苦労したのね。」

「リン、分かってくれますか!」

「ええ。所構わずの『アレ』は大変だと思います。」

「……ありがとう、リン。」


 そんな空気の中、手を叩く音が響く。


「1人除いて充分な休憩を取ったし、そろそろボス部屋を出よう。」


 ガイラの声で緩く為った気持ちを引き締めて、俺達はボス部屋を出て、下の階層を目指した。



 17階層の安全地帯でしっかりとした休憩をしていると、先程、金貨20枚の端金でティアを買おうとした馬鹿4人組が居た。

 そして、ルシアを人質に。


「あ……!」

「ルシア!」


 ……おかしい?

 何故、気配や魔力系感知に反応が無かった!?


(ゼロ! 奴らの右腕を見ろ!)

(……何か、感知系を狂わす魔道具か?)

(多分だがな。)


 馬鹿4人には、装備品とは明らかに違う紫色の腕輪をしていた。


「おい! こいつの命が惜しかったら、武器を捨てろ!」

「ルシア!」

「う~……」


 ルシアは、奴らに因って拘束され、猿轡(さるぐつわ)で言葉を封じられた。


「どうする、ゼロ?」

「ああ。対処は簡単だよ。」

「ごちゃごちゃ、話してんじゃあねぇ!」

「こいつがどうなっても良いのかっ!」

「ああ。」

「何!?」

「その代わりに覚悟を決めろよ。」

「ど、どういう事だ?」

「俺達の大切な仲間を奪うんだ。頭に直ぐに浮かぶ様な甘い拷問で終わると思うなよ。」

「なっ!?」

「お前らが、『殺してくれ!』と懇願してからが本番だからな。今直ぐにルシアを手放せば、楽に殺してやる。が、俺がたどり着くまでに手放さなかった場合は……分かるな?」

「……ひ、ひぃ!」


 俺の脅しですっかり腰が引けた瞬間に、雷系魔法の雷撃針(ライトニングニードル)を放つ。


「がっ……」


 馬鹿4人の肩関節、膝関節に撃ち込み、身体の自由を奪う。


「大丈夫か、ルシア! 完全回復(パーフェクトヒール)!」

「ありがとうござ……」

「ん?」

「ありがとう、ゼロ兄さん。」

「ああ。ルシアが無事で良かった。」

「ルシア! 大丈夫?」

「ティア。大丈夫ですよ。」

「ゼロ……」


 ガイラに説明した。

 人質を取る様な奴は、自分の命を最優先にするから、人質が意味が無いと思わせた隙を突いて、そこから突破口を開いた方が良いと伝えた。

 それに、人質を取る様な屑が約束を守る訳が無いし、武器を捨てたら、どうやって人質を助ける為の戦いが出来るのか、と。


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