何でも言ってください。
女の子の「何でも」は、禁句ですよね。
聖女アストレアの体調が戻った所で、恒例の「聖女の手紙」をお願いした。
今回は話を聞いてくれたから楽だったな。
「ゼロ様。今回は本当に申し訳ありませんでした。」
「だから、もう良いって。」
「しかし……」
「それなら、少しお願いしようかな。」
「何でも言ってください。」
「何でも!?」
「はい。」
「それじゃあ……」
「ゼロ様……」
「ゼロ君……」
「ゼロ兄さん……」
「「「「分かっているわね。」」」」
「……はい。」
「?」
「それじゃあ、お願いは、リンとルシアに教えても構わない結界術とかを教えて欲しい。」
「それだけで良いのですか?」
「ああ。それと、残った俺達は暇だから、神殿騎士達と鍛練しているから。良いかな?」
「はい、勿論です。」
元々、下地が有ったルシアは3日で覚え、リンもその2日後には覚えた。
俺達も神殿騎士達と鍛練していたが、そんな中でも、「ティア弄り」を止めなかった結果、神殿騎士達はティアを孫娘の様な扱いになり、ルシアから神殿騎士達に雷を落とし、「お菓子をあげないでください!」と度々注意を受けていた。
「ありがとうございました。」
「いいえ。何かお困りの時は、私達を頼ってください。微力ながら力をお貸しますから。」
「それでは。」
俺達は、神殿を後にしながら、中止になっていた散策を再開した。
な~んか、建物の影が動いた様な……
あ!?
母娘だ。
「どうされました?」
「……」
「大丈夫ですか?」
「……んあ……」
「ルシア。」
「はい。回復ですね?」
「頼む。」
「分かりました。回復治療。」
「……う。」
「気が付いたか?」
「は、はい。……それよりも早く神殿にいかないと!」
「どうした?」
「この娘が今朝から具合が悪いのです。」
ルシアの見立てでは、娘は栄養失調手前だった。
しかし、食費が無いのに母娘共に服は別に傷んでも無いし、汚れてもいない。
……どういう事だ?
とりあえず、適当な食堂に行って店主に余分に銀貨1枚渡して具を潰した野菜スープを飲ました。
その後、神殿に行き、順番が回ったから聖女アストレアに診て貰うとルシアと同じ判断だが、念の為に、一通りやって貰った。
お布施込みで金貨1枚渡すと、聖女も母親も驚いたが、別に良いじゃん。
……まあ、娘の目元が幼女の頃のティアに似ていたのは秘密だ。
別室にて事情を聞くと、旦那は冒険者でパーティーを組んでおり、近くのダンジョンに行ったきり帰って来てないらしい。
若干の余裕はあったらしいが、既に底を突いてどうしようもなくなっていた所で娘の不調だった。
俺は、聖女アストレアに金貨1枚渡して、皆に言った。
「近くにダンジョンが有るらしいな。行ってみないか?」
「ゼロ兄さん?」
「序でに、行った先に困っている人が居て助けたら、何かくれるかもしれないしな。」
「ゼロ君? 素直にダンジョンに行って旦那さん達を助けに行きたいと言ったら?」
「ティア。冒険者は、『無料』で引き受けたらいけないの。」
「素直じゃないゼロ様。行くのなら、行きましょう。」
「ゼロ君、素直じゃないんだから。」
「それじゃあ、聖女アストレア様。後はお願いします。」
「分かりました。後は任せてください。」
「あ、ありがとうございます。」
旦那さんの名前やパーティーメンバーの名前とかを聞いた後、冒険者ギルドに寄って、ダンジョンの場所を聞いて向かい到着した。
そして、ダンジョンに突入!
冒険者ギルドの受付嬢から聞いた話だと、ちょいと危険だが、美味しい稼ぎ場があるらしいので、俺達はその稼ぎ場に向かった。
「この辺りなんだが……」
「ゼロ様! あちらに冒険者が居ます。」
リンが見つけた冒険者3人は怪我を負い、ぐったりとしているが命には別状は無いみたいだ。
「格安で治してやる。1人銀貨2枚だ。」
「頼……む。」
「オレも。」
「払う……。」
「分かった。ルシア。」
「はい。回復治療。」
ルシアの回復治療で3人、正確には、男性2人に、女性1人だ。
「助かった。ありがとう。」
「はい。銀貨6枚。助かったわ。」
「危ない所をありがとう。」
「もう他には居ないのか?」
「!?」
「そうだよ! まだグレイグが!」
「グレイグだって!」
「あ、ああ。」
「今、何処に居る?」
「私達を逃がす為に……」
「だから何処だ!」
「この先にある階段を下った所よ。」
俺達は直ぐに向かった。
「があ……」
階段を降りると、俺の目に映ったのは右肩に噛みつかれ倒れる男の姿だった。
他のモンスターも噛みつき始めて、俺は魔法を放つ。
「黒雷槍!」
光を反射しない闇の槍がモンスター目掛けて飛び突き刺さる。
「Gaaaaaa!」
モンスターはこの一撃で消滅し、「魔石」を残す。
「ルシア、頼む。」
「はい!」
ルシアが回復治療を始めた辺りで、パーティーメンバーが追い付いた。
「グレイグは大丈夫なの?」
「俺が来た時にはまだ生きていたが……。どうだ、ルシア?」
「はい。かなり体力が消耗していますが、大丈夫です。」
ルシアの言葉で一同は安心した。
キサラに周りの警戒を頼み、話を聞く事にした。
「実は……」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




