そう質問する程の事なんだな?
起承転結の「起」の終わりがやっと見えて来ました。
俺の装備は正直、格闘とか武闘系になっていて、身体は服系で、腕甲と足甲というシンプルな内容だ。
その分、付与は贅沢になっている。
敏捷、器用、各異常耐性、飛び道具に対する防御付与等だな。
次にリンだが、何処ぞの軍事国家の武闘派のお姫様の装備ですか、と言いたくなる様な内容だ。
綺羅びやかな装飾は無いが、その分、「華」を捨て「実」を採った様な、全体的にはイメージは忍者だな。
勿論、付与もリンの特徴を生かしたモノになっている。
ただ、カラーリングだけは、「朱」で最小限の装飾と相まって充分に女性らしい美しさを維持していた。
蛇足として、製作に関わった職人達からは、「満足した。」とか、「夢が叶った。」とか、「ありがとう。」とかの言付けを頂いた。
……良かったですね。
嫌がらせの意味を込めて、またAランク(下位)モンスターを売った。
泣き笑いしながら査定を始めて、合計が白金貨1枚と大金貨1枚と金貨5枚で売れました。
宿屋の部屋にて。
しかし、俺のもリンのも目立ち過ぎるな。
リンにも相談の上、非常時用の装備にした。
だってなぁ……
此処で割引付きで買った装備品がRPG的に言うと、Lv10が適正だとすると、今、貰った装備品は、Lv30が適正みたいな感じだ。
はっきり言って、今の俺達の肩書きではまだ荷が重い。
絶対に色々な所から絡まれる。
……絶対に面倒臭い。
この考えを相談した時に正直に言ったら納得してくれた。
因みに、キサラは大笑いした後、リンの冷たい視線を受けて、部屋の隅に瞬間移動して、土下座の謝罪をした。
後、代金は金貨1枚で、素材提供が無かった場合は白金貨3枚だって。
ここでも、お嬢様の命の恩人割引が発動していたよ。
そして、遂に、リンがスキル異空間系収納を修得した。
リンが「お荷物は嫌だ。」と言った時からだから、嬉しい限りだ。
これで、リンが現在使い廻している下着類を俺の異空間収納に入れておく必要が無くなった。
慣れるまで大変だったし、慣れても納得していなかったから荷物番から解放されて良かったよ。
キサラがニマニマしながらの荷物の受け渡しが終了した。
終わった後は、キサラは正座でリンからの1時間説教が待っていたのはご愛敬だな。
流石のリンも下着類の受け渡しの時の「ニマニマ」は我慢出来なかった模様。
しかし、この後、何を思ったか、キサラの足が痺れた演技に因って、転倒の振りをして、部屋に備え付けてあった脱衣場の扉が開けられ、下だけ履いて髪を拭くリンが居た。
……後の結末は聞かないでくれ。
翌日、この街でお世話になった所に挨拶して、準備を整え、出発した。
それと、ソニアから出発時に、ティア達が3日前に出発したらしいと教えてくれた。
ソニアから「逃がしたら駄目よ。」という、不正解で正解の事を言われたのは困った。
「リン。何の事か分からないよな?」
「……そうですね。」
「……?」
「さあ、ゼロ様。行きましょう!」
「あ、ああ。」
馬車でのんびりと旅をしている中、あの時のリンの言葉が気になった俺は、御者をキサラに任せて、馬車の中でリンに聞いた。
「リン。あの時の言葉はどういう意味で答えた?」
「……ゼロ様、どうしても答えなければなりませんか?」
「そう質問する程の事なんだな?」
「……はい。」
「俺も覚悟を決めよう。リン、答えを。」
「……分かりました。ゼロ様は、シンティア様が知らない所で亡くなられても耐えられますか?」
「……!?」
俺は暫く放心していたのだろう。
そして、少しずつ思考能力が戻ると先程のリンの「答え」について考えた。
リンは言葉には出していないが、暗に「ティアが女性として汚され生き地獄を味わっても良いのか?」と聞いて来たのだ。
俺はそれを聞いて決心した。
ティアと共に歩もうと。
勿論、ルシアも一緒にだ。
「ありがとう、リン。決心がついたよ。」
「ゼロ様、良く決心されました。」
「ああ。ティア達を迎えに行こう。」
「はい!」
……あれから3日後にティア達が利用した乗り合い馬車の終着点の都市「エルドラ」に到着した。
しかし、此処でティア達の足取りが途絶えた。
更に情報収集をすると、乗り合い馬車が盗賊に教われ、冒険者の少女2人が他の乗客を守る為に身を呈したらしい。
俺は嫌な予感を覚え、後の事はキサラ達に任せ、俺は盗賊を探した。
……30分程で盗賊のアジトを見つけた俺だが、既にもぬけの殻だった。
しかし、アジトの出入口を見ると、複数の馬車の轍の後があって痕跡を追うと、5台の馬車が走っていた。
情報収集の為に何とか逸る気持ちを抑え付け、盗賊共を無力化して拘束した。
そして、1台ずつ中を調べると、最後の馬車でルシアが捕まっていた。
「ルシアー!」
「え!? 誰ですか? 私の名前を何故、知っているのですか?」
ルシアは両手両足を拘束され、更に目隠しまでされていた。
「今、助けるからな。」
「何方かは分かりませんがありがとうございます。」
俺はルシアの拘束を解き、最後に目隠しを外す。
「ありがとうござい……!? 貴方は領主館に居られた……」
「ルシア、ティアは何処だ!」
「……え!? 何故、貴方はシンティア様の愛称を!?」
俺は顔の銀仮面を外す。
「……!? ヒイロ様!?」
「そうだ! ルシア、ティアは何処だ?」
「ヒイロ様、シンティア様は既に王都へオークションに出す為に2日前に出発しています。」
「何!?」
「ヒイロ様。申し訳ありません。シンティア様は私を守る為に……」
「もう良い。ティアを助ける為にも、落ち着いて考える必要が有る。」
「はい。」
「その為にも情報収集だ。」
俺は拘束した盗賊から洗いざらい聞き出し、盗賊がアジトから持ち出した全てを没収して、周りが赤い液体で汚れていたから洗浄で綺麗にした後、盗賊共を馬車に放り込み、都市エルドラに向かった。
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