馬鹿子息の運命は……
プライドが高い「だけ」の貴族の子息の運命は?
俺とティアが話しているにも関わらず、ティアの後ろから話し掛けるというマナーを無視した馬鹿と取り巻き3人が居た。
「お久しぶりです。マーケイ=ヌーノ=トボエ様。」
最低限の挨拶だけしたティアはあっさりと無視して俺との会話を再開した。
ティアの完全に事務的な挨拶をされた馬鹿は唖然としている。
そして、馬鹿の苛立ちの矛先は俺に向かった。
「おい、お前! 場を譲って消えろ!」
「何故ですか?」
「ボクが譲れと言ったら譲れば良いんだよ。そもそも、お前とシンティア嬢とは、釣り合わないんだよ!」
「お断りします。まだ僕達や貴方達も爵位を持たない子供ですから、貴方の命令に従う義務も義理もありません!」
「な、な、な……」
「それに、ティアに話し掛けて来た辺りからの先程迄の言動が余りにも礼儀作法から離れている。そんな者の言葉を聞く理由は無いですね。」
「シンティア嬢を愛称で……」
馬鹿が俯いて身体を震わせていると、怒り顔を上げて俺に向かって宣言した。
「決闘だ!」
「……意味を分かって言っているのですか?」
「当たり前だ!」
言い合いを続けていると、ふと、周りを見ると俺達子供の監視役だと思える近くに居た貴婦人やメイド達が立場が高そうな人に耳打ちしている。
更に、その人がいつの間にか来ていた国王陛下に耳打ちする。
「ならば、決闘をすれば良かろう。なあ、宰相。」
「そうでございますな。」
「国王陛下、発言をよろしいでしょうか?」
「許す。」
「ありがとうございます。国王陛下から決闘のお許しを頂きましたが、僕には何の利益もございません。ですので、関係する子供達の親には責任を取るという意味で、国王陛下に対して誓って欲しいのです。」
「どんな誓いだ?」
「はい。もし僕がこの決闘に勝利した場合は、この件に関しては子供からの言葉には取り合わない事。そして、何らかの形で取り入れて僕や僕の家族に悪影響の出る噂以上の事が有った場合は、四家とも2つ爵位を落として貰います。」
「なっ!」
「当然ですよね。国王陛下に誓った事を破るのですから。それときちんと責任を取って貰う為に、其方の友人3名もこの決闘に加わって頂きます。」
「それは、1対4の決闘をするという事だぞ。良いのか?」
「はい。問題ありません。勿論、この決闘で僕が負ければ、この披露宴から退場しましょう。」
「うむ。気に入った。その提案全てを認めよう。」
ティアに声を掛けて来た侯爵家の馬鹿な次男と、取り巻きの伯爵家の次男と三男が2人に、子爵家の長男が決闘に参加して、その親達は国王陛下に誓いを立てた。
隣りの使っていない多目的会場に移動して、決闘が行われて、1対4で俺が不利という下馬評を覆して、圧勝!
どうやって勝利したかというと、子供が最初に習う風属性魔法の風玉を使ったけど、実際の見かけとは正反対の威力だけ倍増な風玉を4人の顎、あばら骨、肝臓、鳩尾、脛、足の小指、そして、金的に撃ちまくり、こっそりと定期的に回復魔法で回復させて、痛みを与える時間を引き延ばし、充分に痛みを刻み込んだ所で止めた。
スッキリしたー!
風玉なら貴族で勤勉な10歳の子供辺りなら詠唱破棄で放てる魔法だから問題無いから大丈夫。
先ずは取り巻き3人を先に潰して、後はゆっくりと馬鹿に痛みを与え続けた。
見届け人は平の近衛騎士と同じく平の宮廷魔術師だから問題無いだろう。
もし、騎士団長や宮廷魔術師長辺りが見ていたら俺の実力が多少はバレたかもしれないが、まあ大丈夫だろう。
最後に4人に回復魔法を掛ければ、何らかの抜け穴を突いて文句を言われる事は無いだろうと思う。
「僕の勝利です。」
「うむ。お主の勝利を認めよう。さあ、勝利者よ。名を名乗るが良い。」
「僕は、ギリス=フォン=ウィンザード辺境伯が三男『ヒイロ=フォン=ウィンザード』です。そして、彼女『シンティア=イクス=セレディエス』は正式な僕の婚約者です。」
「え!?」
ちょうど復活した馬鹿子息が聞いていたみたいだな。
ざまぁ!
勝利宣言後にティアは耳まで真っ赤になって俺の後ろに隠れた。
……可愛い!
これで、あの四家は我が家に対して配慮する必要があるけど、まあ、此方が何もする気は無くても、あの四家に対して敵対勢力が勝手に足を引っ張ってくれるだろうしな。
俺も少し反省だな。
ティアの事になると暴走してしまう。
その後、披露宴は何事も無く続いているが、普通なら、群がるか遠巻きに陰口だろうけど、流石に辺境伯と公爵を敵に回すつもりは無いみたいで、何も無かった扱いで落ち着いたみたいだ。
将来の義父レギンには誉められ、父ギリスには怒られた。
ティアは、あの後ずっと顔を赤くして俺の袖を摘んだままで引っ付いていた。
……ティアが超可愛い!!
そんな少し浮かれ気味な披露宴を送っていると、事件は起きた。
気分転換に、俺とティアが中庭に移動してのんびりしていると、今日の披露宴に参加していると思われる、3人の令嬢達が中庭に入って来て、真ん中に居た令嬢がティアに声を掛ける。
「居たわね。シンティア。」
「フェリシア。それに、ベアトリスにアデリナ。」
「見てたわよ。格好いい婚約者ね。」
「シンティアが羨ましいわ。」
「シンティア、良かったわね。」
「……もう。」
3人の令嬢に俺の事を突つかれ、また耳まで赤くなるティアを見て、ほっこりしていると、3名の騎士が中庭に入って来た。
パリーーーン!
「動くな!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




