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大銀貨1枚よりも価値の高いモノが見れたからな。

主人公あるあるの、イベントの順番待ち。

「高額請求は嫌だろう? だから、自分達で決めてくれ。」

「……なっ! ふざけ……」

「待て、アン。」

「メアル!」

「皆と相談したい。」

「どうぞ。」


 女性冒険者4人とソニアと呼ばれた護衛対象は少し離れた所で話し合いを始めた。

 護衛の仕事をしていた所から推測すると冒険者ランクは「C」かな。

 護衛依頼はCランクからだけど、もしかしたら、コネとか、小さい頃からの幼馴染みとか、だな。


 ……お! 話し合いは終わったな。


「幾らになった?」

「大銀貨1枚よ。」

「どういう計算で?」

「今回の護衛依頼料よ。」

「なるほど。それなら、銀貨2枚で良いぞ。」

「どういう事!?」

「私達を馬鹿にしているの!」

「俺としては、別に無料でも構わないが……」

「冒険者として、死に際であったとしてもそれは私達の矜持が許さないから容認出来ないわ。」

「そうだろう。だから、『幾らだ?』と聞いた訳だ。そしたら、納得出来る理由と金額だから、その値段にした。」

「……。」

「単に『自分達の命の価値を決めろ』みたいな事を言ってみたかっただけだし、魔法による治癒だから元手は『只』だしな。」

「心情的には納得したくないが、命の恩人である事には変わりない。助けてくれてありがとう。代金の銀貨2枚よ。」

「代金は受け取った。」

「本当に銀貨2枚で良いの?」

「ああ。大銀貨1枚よりも価値の高いモノが見れたからな。」

「……え!?」


 予想以上の大声を出したソニアに皆が注目すると、ソニアはみるみる顔を赤く染めた。


「ちょっと、聞いて良いかしら?」

「どうぞ。」

「何故、ソニアは顔を赤く染めているのかしら?」


 女性冒険者達は、一見穏やかな表情だが、剣呑な空気を出している。


「ファングタイガーに襲われた時、ソニアは何をしていた?」

「「「「あっ!?」」」」


 答えを導き出した女性冒険者達の声を聞いて、赤い瞬間湯沸し器となったソニアは(うずくま)った。


「やっぱり、この男を殺した方が良いのかしら?」

「ソニアちゃんの未来の為にも此所で消しとく?」

「……まさか、もう!?」

「ラニア! 『まさか』は、ありません!」

「良かったぁ。レザックに顔向け出来ない所だったよ。」

「レ、レザックは、かん、関係無いでしょう!」


 あ~、顔や頭から湯気が噴き出しているのが見える様だから、反応からしてレザックとはソニアの片思いの相手か。

 ……両片思いの可能性も高いが。


「あ~、答えられるのなら答えて欲しいが。君達の関係は?」

「先ずは、私の家名がファスラである事から察していると思いますが、ファスラの街の領主の娘で三女です。」

「そして、私達はソニアの幼馴染みよ。」

「だけど、私達は別に貴族でも無いし、家を継げる訳でも無いし。」

「それでも、ソニアちゃんの近くに居たかったの。」

「だから、運良く4人共に適正が有ったから冒険者になった訳よ。」

「私は別にいいって、言ったのに……」

「前に言ったでしょう。只の幼馴染みのままだと、会えなくなる時が来るって。」

「そうよ、ソニア。」

「実は、ファスラの領主、つまりはソニアのお父さんには娘しか居ないのよ。だから、ソニアを含めて娘3人の内の誰かが後を継いで婿を取るしかないけど、上の姉2人が良縁に恵まれて他家に嫁いだのよ。

 そして、自動的に後継者はソニアに決定。流石に幼馴染み程度の関係では、平民と領主は気軽には会えないし遊べないわ。」

「なるほどな。それと、此所に来た理由は?」

「それは……」

「ソニア、私が言うわ。」

「ドリー?」

「愛しのレザックが病に(かか)ったから、その病に必要な薬草を採りに来たのよ。」

「なんで、知っているのよ!? ピクニックって言ってあったのに。」

「え!? 昨日の夜に一人演劇してたじゃない。青くなって、うろうろして、突然笑顔になって、その後、何か決心した顔になったかと思えば、顔を赤く染めて両腕で自分の身体を抱いてクネクネしたてじゃない。それでピンと来たわ。」

「きゃあああー! 見てたの?」

「そうよ。」

「もう、お嫁に行けない。」

「大丈夫よ。ソニアはお嫁には行けないし、婿を取る立場だから。」

「……ラニア~。」


 まあ、距離を縮めるチャンスと思って、行動に移したのだろうな。


「さあ、ソニア。目的も達成出来たし、そろそろ帰りましょう。」

「そうね。」

「領主の後継者だしね。」

「レザックに恨まれるのは嫌だわ。」

「だから私は~。」

「はいはい。行きましょうね。」

「ゼロ様、リンさんにキサラさん。貴方達は命の恩人です。必ず、このご恩は返しますから。」


 こうして、(かしま)しい5人は湖から立ち去った。


「ゼロ様、お疲れ様です。」

「ゼロ、お疲れ。」

「リン、キサラ。逃げたな?」

「さて、何の事か私には分かりません。」

「アタイ、『物』だから命令が無いとウゴケナーイ。」

「……全く。」


 俺達も湖でのんびりした後、一働きをして街に帰ったのだが、領主の娘を助けておいて、言葉だけの感謝で終わる訳は無かった……


「お待ちしておりました。」


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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