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俺達は冒険者だ。

やっと、シリアス路線から出られる。

「なあ、知っているか?」

「何を、だ?」

「悪魔が何故、この地上に来ないかを。」

「そんなもん、知るか!」

「悪魔は魔界に居る限り、魔界の神の守護と魔界中に充満している魔素のお陰で、殺されようとも、いずれ復活する事が出来る。」

「……ま、まさか!?」

「そうだ。魔界に比べれば、魔素が薄いこの地上で、殺された悪魔は……」

「い、嫌だぁー!」

「逃げるな。」


 俺は捕縛用の黒糸で拘束する。

 因みに、この黒糸は、1本で100t支える事が出来る。


「さようなら。」

「嫌だぁーーー……」


 心臓を刺した刀を通して悪魔の魂を破壊する。

 黒幕の悪魔は黒い霧となって霧散して、カモフラージュ用の衣類だけが残った。


 ……この後の処理は大変だった。

 先ずは、屋敷の人達をきちんと寝かせ、学園の処理を学園長にパシらされ、大聖女ティリスが回復して動ける様になったら、貴族街の黒幕が居た屋敷に来て貰って、かなり嫌そうだが、虚偽の報告をして貰い納めた。


「疲れた~。」

「お疲れ様です、ゼロさん。」

「一介のDランク冒険者のやる事じゃあないぜ。」

「確かにそうですね。」

「それじゃあ、行くわ。」

「どちらに?」

「俺達は冒険者だ。」

「そうでしたね。それではまた何処かで会いましょう。」

「ああ。大聖女ティリス様。」

「ゼロさん。貴方達の旅が安全である事を願っています。」

「ありがとう、聖女リリー。」

「またな。」


 悪魔の呪い騒動が収まった後は、聖女リリーの強化訓練をして、一方的な防御なら大聖女級になった所で訓練は終了した。

 聖女リリーは、魔法攻撃を防御するだけなら、大聖女級になって、本人はそれなりに喜んでいた。

 大聖女ティリスが言うにはまだまだ覚えて出来なければならない事が山積みらしい。

 頑張れ、聖女リリー。

 大聖女になるまでは。


「何か、冒険者らしい仕事をしたという実感が無いなぁ。」

「そうですね、ゼロ様。」

「確かに。」

「とりあえず、冒険者ギルドに行ってみるか。」

「分かりました。」

「賛成。」


 冒険者ギルドに到着した俺達は、いつもの受付嬢に話し掛けたが、やっぱり美味しい依頼は無いらしい。

 それに……


「惜しかったわねぇ。ほんの3時間前まで、『翼の追求者』の2人が居たわよ。」

「何か言ってた?」

「更なる実力向上の為に、この学園都市を出るみたいよ。」

「それなら……」

「行き先は言わないわよ。もう冒険者、貴族様、商人、合わせて70組以上に話し掛けられて言って無いんだから。」

「行き先……、分かった。」


 外見良し、中身良し、実力良しの3拍子揃った冒険者だもんなぁ。

 色んな意味で知りたい奴等はごまんと居るわな。

 まあ、ご縁が無かったという訳でまあ良いか。

 ……そうなると、俺達も学園都市から離れても良いよな。


「リン、キサラ。この学園都市から出るか?」

「私はゼロ様の意思に従います。」

「アタイは、ゼロの『物』だしぃ。」

「……リン?」

「冒険者や仲間としてなら、リーダーの意思に従いますし、奴隷としてなら、ご主人様の言葉に逆らえませんから。」

「……そうだったな。」


 ……と、いう訳で、俺達は学園都市を出る事にして、旅の準備を終わらせ、昼食を食べた後、依頼料として貰った馬車で行く事になった。


 ……学園都市を出て、30分ぐらい過ぎた頃に盗賊に囲まれた。


「……ゼロ様。」

「……ゼロ。」

「俺の所為(せい)か!」

「何を言っている! 死にたくなければ、武器を捨てな。」

「キサラ、首一刀な。それと、1番偉そうなそいつは俺がやるからな。リンは馬車の護衛な。」

「分かったわ。」

「分かりました。」

「だから何を、言って……」

「行動開始。」


 3分後には、偉そうな奴には麻痺の魔法を掛けて動けない様にして、他の連中からは装備品や所持金を回収して、魔法で開けた穴に放り投げ焼却中。

 いや、後処理は冒険者の常識だし、森に放り投げてモンスターが食べて腹を壊したら悪いしな。


「さて、盗賊の親分。アジトは何処かな?」

「ふん。誰が喋るか!」

「そういう事言わず。拷問という言葉を知っているのなら吐いた方が良いよ。」

「……貴様ぁ。ぎゃあー!」


 俺は盗賊の親分に軽く足に刀を突き刺す。


「ほら、吐いた方が楽だよ。」

「……分かった。……の辺りだ。」

「本当に? 違ったら分かっているよね?」

「本当だ!」

「リン、キサラ。見張りをよろしく。」

「分かりました。」

「分かったわ。」


 キサラは周りの警戒、リンは魔法の鍛練をしながら待つ事、38分後、俺は盗賊のアジトから帰った。


「ゼロ様……」

「ゼロ……」

「とりあえず、説明は後だ。ソレの処理を頼む。」

「分かりました。」

「待て! 命だけ……」


 ザシュッ!


 ……キサラに馬車の操縦を任せ、俺達は次の街を目指した。


「ゼロ様、この女の子は?」

「盗賊のアジトに捕まっていた。まだ、服とかはそれ程汚れていないから大丈夫だと思う。」

「……ん。」

「あ、気付いたか?」

「こ、此所は……」

「安心し……」

「私、遂に売られるのね! 禿げた強欲なオッサンにあんな事やこんな事をされるのだわ!」

「……おい、落ちつ……」

「それとも、貴族とかに売られて、散々なぶられた後に使用人達の欲望の吐け口にされるのだわ!!」

「落ち着きなさい!」

「……はっくちゅん。」


 リンはいつの間にか、無詠唱で周りに影響を与える氷系魔法を!


(ゼロ。盛り上がるのは良いが。単なる感情の発露だぞ、アレは。)


「リンも落ち着け。」

「……はい。」

「お前も落ち着いたか?」



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