言わなくても判るだろう?
今回、ちょい長めです。
「はぁ~。」×俺、リン、キサラ
どうして、こうも馬鹿に絡まれるんだ。
ボコって慰謝料を強制徴収するか。
「はいはい。」
面倒臭いから何時もの煽りをせずに適当に返事しながら、馬鹿2人をボコって所持金を全て徴収する。
一応は、向こうは武器を抜いていないから、右腕を潰すのは止めた。
その分、ボディに余分に2発打ち込む。
「実技の講師って本当だったんですね。」
アマンダが赤い顔で感想を述べた。
学園に無事に送り届けた俺達は、昼食に行く事にした。
実は、今日の授業や出来事は全て午前中に起きた事だったのだ。
どうやら、初日という事で、授業は一枠しか無かった為に、まだ昼頃という相対性なんちゃらを感じた。
昼食を済ました俺達は散策を始めた。
リンが何かを欲しそうに見る、俺が買おうかと言うと、リンは断る、それをキサラが茶化す、リンがキサラに見えないナイフを喉元に突き付ける、キサラは平謝りする、を3度程繰り返して、俺達は冒険者ギルドに行ってみる。
何故、冒険者ギルドに向かったかというと、この時間帯の依頼を確認する為だ。
実は、この時間帯は急ぎの依頼が張り出される場合が有る事を思い出した俺達は冒険者ギルドに向かったという訳だ。
冒険者ギルドに入ると、見た覚えが有る様な無い様な奴等に指を指された。
「リーダー、あいつ等です!」
何故、俺は指を指されるんだ?
「ゼロ様。先程、アマンダさんを送り届ける途中に絡んで来た馬鹿です。」
「ああ! 思い出した!」
リンに教えて貰っている間に、馬鹿とその仲間が、俺達の前に立つ。
「お前が仲間を痛め付けたんだな?」
「さて、何の事だ? 俺は暴漢に襲われそうになった仲間と知人を守っただけだが?」
「……本当か?」
「事実です。」
「本当よ。」
俺に話し掛けたリーダーらしき男は、リンとキサラに聞いてきた。
「……そうか。」
最初は肩がプルプル震えていたが、収まると憤怒の顔を一瞬見せたが、直ぐに元に戻り、馬鹿をチラ見した後、俺達に向かって言う。
「どうやら、メンバーが迷惑を掛けた様だな。謝罪しよう。」
「分かってくれれば、それで良いよ。」
「そうか、感謝する。」
「話は終わったようなら失礼するよ。」
「……感謝はするが、ソレとコレは別だ!」
「どういう事だ?」
「2人がかりで、ガキに負けたままじゃあ、仕事に支障をきたすからなケジメは付けさせて貰う。」
「断ったら?」
「言わなくても判るだろう?」
「……分かったよ。」
「なら、ギルドの練武場に行くぞ。」
諦めて練武場に行くと、受付嬢が1人付いて来た。
しかも、以前、注意事項を教えてくれた女性だ。
何か、淀んだ表情をしているなぁ。
「これより、『女神の露払い』との模擬戦を始めます。」
「え!?」
「あの時、言ってたのが彼らよ。」
俺が漏らした声に受付嬢から肯定の言葉が返って来た。
「形式はどうする?」
「早く終わらせたいからリーダー同士の一騎打ちで。」
「分かった。」
放出系魔法無しの時間無制限の模擬戦となって、俺と向こうのリーダーは準備を終わらす。
「準備はよろしいですね? ……始め!」
「うおおおーーー!」
俺と向こうとの一騎打ちは止まらないターン制をしているかの様に一進一退を繰り広げた。
……が、大体8分辺り過ぎると、「チッ!」と不機嫌な顔をして打ち込んで来て、鍔競り合いに持ち込まれた。
そして、俺にしか聞こえない声で、「そういう事か。」と漏らす。
そして、向こうが力任せに模造剣を弾く事でお互いの距離が開く。
「手前ぇ、手加減してんじゃあねぇ!」
バレた!
向こうのリーダーが大人の対応をしたから、一応は顔を立てる為に、途中でわざと負けようと考えていて、俺達も馬鹿にされない為に、暫くは手加減して互角の勝負を演じていた事がバレた。
「仲間の闇討ちが嫌なら、本気を出せ!」
うわぁ~!
かなり向こうのプライドを傷付けたみたいだな。
ドスの利いた声で言われたよ。
「分かった。それじゃあ、行くよ?」
「来い!」
一瞬で向こうの武器を弾き飛ばしながら間合いを詰め、何処かの俺様系の師匠が得意とする九頭龍○を周りがギリギリ見える速さで順番に打ち込む。
最初は唐竹で最後は突きで。
「がっ、ご、げっ、ぐ、ぎぃ、げ、ごぅ、がぁ、ぐぅ……」
勿論、出来た怪我は初級の回復魔法やポーションで完治する程度だ。
「……勝者、ゼロ!」
「ゼロ様、お疲れ様です。」
「ゼロ、お疲れ。」
リンが何処からか出したタオルで汗を拭いていると、向こうは気が付いたみたいだ。
「ふん! 余計な気を使いおって。」
「それじゃあ、後腐れなく終わりという事で、じゃあな。」
「まあ、良いだろう。」
「それじゃあ。」
俺達は練武場から出て、冒険者ギルドの依頼板を特に何も無かったから洗浄したタオルをリンに返して、宿屋に戻って部屋でのんびりする事にした。
「所で、リン。」
「はい。」
「あのタオルは何処から出したんだ?」
「キサラの異空間収納からです。」
「キサラの!?」
「はい。」
「キサラ?」
「わざわざ、言う事でもないでしょう。勿論、ゼロに聞かれれば、包み隠さずに話すわよ、アタイはゼロの物だしね。」
「分かった。それじゃあ、まだ他にも有るか?」
「他には……」
俺はキサラから、色々と聞いた後、のんびり過ごして、その後は何もなく、1日が終了した。
翌日からも、全クラスを言われるがままに担当して、2週間が終わった所で講師から解放された。
いや、最初の1周目はルーチンワークだった。
紹介、侮られる、模擬戦、鼻をへし折る、大人しくなる、の繰り返しだからな。
図書館でのアマンダとの勉強会は、流石は王立学園の図書館で実り有る時間を過ごせた。
お陰で、同類には見られたくない魔法を幾つか闇に葬りさる事が出来た。
……危なかったー!
後、フェリシアの空き時間は鍛練に付き合わされ、その合間に色々と踏み込んだ質問をされるが、何とか躱して過ごす。
……が、鍛練が終わった後、アマンダが居る図書館に行くと、フェリシアも付いて来て、アマンダを見た瞬間に浮気を疑われた。
激怒したフェリシアを何とか静めて場を収めたが、今度はフェリシアの鍛練にアマンダも駆り出され、アマンダは最初はギャン泣きしたが、最後の方は何とか付いていける様になった。
アマンダも、ギャン泣きする程キツかったと前置きしながらも、フェリシア王女との繋がりが出来たと喜んでいた。
アマンダは伯爵家の三女だった。
どうやら、伯爵家までは学園という場であっても王族と無条件で仲良くなるのは難しいらしい。
しかも、アマンダは三女だから最初から諦めていたと話していた。
それと、何処をどう回って、何故、そうなったのか分からないが、以前、絡まれた3馬鹿トリオのリーダー格の親から感謝の手紙を貰った。
手紙には廃嫡すら考えていた馬鹿息子が、真っ当になり、感謝していると書いてあった。
しかも、今後、何か有れば手を貸すという書類まで同封されていた。
道理で手紙にしては当主専用の封蝋付きのデカい封筒だと思ったよ。
とりあえず、書類は異空間収納に放り込んだ。
そして、今、学園長室に居る。
「今日までご苦労様でした。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




