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同行者の注意は聞くべきだったな。

やっぱり使ってしまうネタ。

「それは、気分転換する為です。」

「本当の事を言う気は更々無えな。」

「そうですね。わざわざ、下等な人族に教える義理は無いですから。」

「そっちにしたら、そりゃあそうだ。」

「話は以上ですか?」

「ああ。以上だ。」

「それでは死んでください。」


 一応の確認も無駄に終わった後、言葉が丁寧な方の男爵級の悪魔が、ただの魔力塊を飛ばして来たが軽く躱すと地面にぶつかり小さなクレーターが出来た。

 普通のBランク冒険者以下なら、あの一撃で終わっていたな。


「ほう。躱しましたか。」

「それなら、これはどうですかな?」


 今度は魔力塊の5連打か……

 俺は、魔力を両腕に集めて魔力塊を弾いて、地面にぶつけた。

 下手に結界に当てると結界が壊れるかもしれないからなぁ。


「だらしねぇなぁ。オレが代わりに潰してやるよ。」

「待て!」

「ヒャッハー! 死ね!」

「同行者の注意は聞くべきだったな。」

「何を言ってやが……る……」

「さようなら。」


 俺がそういうと、襲って来た悪魔は、異空間収納から出した刀で、悪魔の弱点である魂が有る心臓を刺し貫き刀を中継して俺の魔力を叩き込み魂を破壊して、首を斬り落とした。

 悪魔は黒い霧となって霧散する。


「ば、馬鹿な。下等な人族が……」

「後は、此処に居るのはお前だけだな。」

「くっ。仕方無いですね。私が片付けましょう。」

「そう上手く行くかな?」


 この後、魔法合戦が始まった。

 俺は結界の維持を優先させ、向こうの魔法に対して対消滅(ついしょうめつ)する様に放つ。


「良いのですか?」

「何が?」

「下等な人族が上級魔法を無詠唱で放つのは称賛に値しますが、良いのですか? 上級魔法を連発すれば直ぐに魔力が空になりますよ。」

「上級魔法『烈火炎槍』では無い。下級魔法の『火の矢』だ。」

「……はっ? 私の動揺を誘うにしても、もう少しまともな嘘を言ったらどうです?」

「事実だ。」

「……ふ、ふざけるな! 良いでしょう。私の全力をせめてもの慈悲としましょう。死ね! 魔炎獄槍!」


 悪魔の放つ暗い紫色の炎の槍が俺に向かって放たれた。


「これが俺の(只の)上級魔法『烈火炎槍』だ。」

「なっ!?」

「強すぎる魔力が魔法に『形』を与える。荘厳なる死を告げる『竜』と成ってな。その名を『烈火皇竜(れっかこうりゅう)』と言う。」


 向こうの全力らしい魔法はあっさり俺の魔法に消滅され、勢いと威力が削られる事なく、俺の魔法が悪魔を襲う。


「ぐわぁあああーーー!」


 滅んではいないが、瀕死の状態だな。


「ぐっ……」

「さようならだな。……ああ、それと、お前達を連れて来た悪魔もお前達の後を送らせるから心配するな。」

「えっ……」


 俺は先程の悪魔と同じように魂を破壊して、首を斬り落とし、悪魔は黒い霧となって霧散した。


「ゼロ。いつも通りの異常な力ね。」

「異常とは失礼だな。」

「充分異常よ。誰も想像、いえ、妄想すらしないわよ、人族が片手間で男爵級の悪魔を2匹討伐するなんて。」

「片手間では無いだろう。俺は上級魔法を使っただろう。」

「ええ。確かに使ってはいたわ。でも、アレって、単に見せただけよね。相手の悪魔というよりかは、後ろの聖女様に。」

「分かった?」

「バレバレよ。ゼロ、後で良いから本当の事を教えてよ。」

「分かった。」

「リンにもよ。」

「ああ。」


 振り向いて手を振ると結界は解除された。

 普通なら、緊張と無理をした疲労から座り込んでも可笑しくないのに、汗を大量に流し足をガクガクしながら、未だに戦闘態勢を維持している。

 更に廻りの神殿騎士達も聖女リリーを守る形で戦闘態勢だ。


「確信は持てませんが、恐らくは悪魔2匹は討伐する事が出来たのでしょう。それに関しては感謝します。しかし、幾ら強いとはいえ、男爵級悪魔は、あれ程にあっさり倒せる存在(モノ)ではありません。何を企んでいるのかは分かりませんが、例え、この命を捨てる事になろうとも、人々を守ってみせます!」

「聖女リリー様、我々もお供します!」

「皆さん……」

「気持ちは解るが……リン。」

「はい。」


 俺が呼ぶとリンは、笑顔で俺の前に立つ。

 正直、頭を撫で撫でして、喉元も撫で撫でしたいが耐えろ俺!

 リンに大聖女ティリスから貰った証明書を渡すと、リンはこの証明書を聖女リリーに渡す。


「これを私に読めと?」

「ああ。」


 怪しみながらも、証明書を読む聖女リリーは、次第に顔色が青くなっていき、何度も俺やリンやキサラを見て、何かを諦めた様な顔をして証明書を畳んでリンに渡す。

 俺は受け取り異空間収納に仕舞う。


「信じられません。大聖女ティリス様の聖術を受けて、無事だなんて。それにその右腕……」

「ああ。コレか。」


 俺は右腕の包帯を外す。


「あぁ。なんという……」


 俺は右腕の包帯を巻く。


「あの証明書を読んでやっと表面上は冷静を保つ事が出来ますが信じられません。これ程までの強大な悪魔の気配が溢れているのに。」

「俺には自覚は無いが、そんなに?」

「はい。先程の男爵級悪魔では、生まれたての赤ん坊と王国騎士団長程の差を感じます。」


(仮にも魔界を制覇した悪魔の魂が入った存在(モノ)だからな。)

(言うなよ、ライオス。)

(本当に自覚が無いのだろう?)

(ああ。無い!)

(それなら諦めるしかないだろうな。)


「俺は正真正銘人族同士から生まれた人族だからな。きちんと5才の時に神様から祝福を受けている。」

「……そうですか。」

「しかも、女神アティア様からの加護まで頂いている。」

「えっ!? 女神アティア様の!」

「ああ。」

「……分かりました。それなら、私も証明書を書きましょう。」

「ありがとうございます。」


(結構あっさりと認めたな。)

(ああ。加護等の有無の虚偽は身分問わずの即死刑だからな。)

(身分問わずと言う事は王族もか?)

(王族もだ。それに、女神アティアは、彼女達聖女の崇拝する主神だからな。)

(なるほどな。)


 こうして、やっと認めた聖女リリーは俺の証明書を書いて貰った。

 まあ、証明書が増えれば、今後出会う聖女達を説得し易くなるだろうな。

 しかし、何か、ゲームみたいな流れだな。

 試練を乗り越え、世界中の全ての聖女に認められし者ってか。



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