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儂も知りたい事だな。

説明文が有ります。

 俺は聖女リリーからも証明書を貰い、他の神殿騎士達は、役目を果たした4人の神殿騎士の遺体を布に包み、馬車の荷台に載せていた。

 因みに、この布は昔の大聖女が開発した物で、この布には腐敗を遅らせる付与が付いていて神殿や王城が使用している。

 この布が神殿の収入源だから、王城に売る方はちょっと高い。


「彼らの献身に報いる為にも、帰ったら今まで以上に頑張らないといけませんね。」

「聖女リリー様、一旦戻りましょう。ゼロ様達も。」

「良いのか?」

「はい。どうぞ、乗ってください。」

「分かった。」


 俺達は一旦戻り、もう1泊してから学園都市アスタジアに向かう事になった。


 夕食は皆で頂いたが、聖女リリーも頭では分かっているが、聖女としての今までの積み重ねからどうも落ち着かないみたいだな。

 まあ、それは仕方無いか。

 そもそも、聖女は神々と地上に住む存在達の橋渡しと人々の癒しと、悪魔の滅殺が使命だからなぁ。

 ……大聖女ティリスと聖女リリーの反応から、俺から溢れる悪魔の気配は最低でも侯爵級以上だろうな。


 ちょっと此処で聖女について語っておこう。


 聖女とは、神殿から選ばれた少女が任命されるのだが、聖女を目指す者は家族の縁を切らなければならない。

 何故なら、神殿と政治が「血縁」で繋がらない為だ。

 聖女になる為の入会は最低年齢は10歳からで、縁切り等の手続きが終了すると、聖女になる為の日々が始まる。

 それと、聖女の人数制限は無くて、増えれば増える程、神々の声は聞きやすく、人々の癒しで聖女1人の負担は減り、悪魔の滅殺要員が増えるからだ。

 但し、大聖女だけは、当代にだけ権限が有る任命制で、この大陸には3人しか居ないが、権力は無い代わりに待遇は国王と同等になる。

 当然、神殿は大聖女を大事にしている為に国や政治も無視出来ない存在だ。

 大聖女を目指す聖女は先ずは、神殿に認められた後、直接、大聖女からの修行を課せられ、最低3年は大聖女の下で過ごす事になる。

 こうして、大聖女の下で過ごし、認められた聖女が新たな大聖女になり、修行を課した大聖女は引退して聖女の後進を育てる事になる。

 大聖女の結婚は大聖女を引退すると出来て、聖女は普通に手続きをして引退すると結婚出来る。

 後、聖女になっても貴族の令嬢の様な贅沢は出来ないから、貴族の令嬢が聖女を目指す事は(まれ)だ。

 清貧が日常だからこそ、聖女になった者は真面目に過ごしている。

 しかし、何故か聖女の中には、まるで貴族の令嬢の様に贅沢な暮らしをしようとする者が後を絶たない。

 これには、どの国の関係者も首を捻る案件で、神殿もきちんとそこら辺を教えているにも関わらずだからだ。

 最後に大聖女や聖女の年齢制限は無くて、本人が現役であれば続けられる。

 ……と、此処までが、聖女に関する一般教養だ。

 関係者のみ、とかの規則とかも有るかもしれないが、生憎、関係者じゃないから知らない。


 さて。夕食後は、少し休んだ後、ちょっと散歩に行ってくると神殿騎士に伝えて宿屋を出た。

 聖女リリーは疲労困憊(ひろうこんばい)の為か夕食後に寝たらしい。

 まあ、当然だな。

 最初の段階で神殿騎士は半分に減るは、男爵級の悪魔を2体も抑えないといけないわで、(いち)聖女として精神を削り続けただろうしな。

 そうなれば、風呂に入って夕食を取れば睡魔に襲われるのは当然だよな。

 そんな訳で、聖女リリーに何処に行くとかの質問をされる事なく宿屋を出る事が出来た訳だ。

 勿論、リンとキサラも一緒だ。

 宿屋だと内緒話が聞かれるかもしれないしな。


 そんな訳で、街の外に出て、男爵級悪魔を討伐した場所に到着した。

 馬車?

 要らんよ。

 既に、俺の体力と脚力は身体強化魔法を使えば、半日ぐらいなら馬車に余裕で勝てる。

 因みにリンは俺が背負った。

 最初はお姫様抱っこで運ぼうとしたけど、リンが断固拒否されて出来なかった。

 リンには断固拒否される程の何かをしてない筈だけどなぁ。

 キサラは呆れていた。


「ゼロ様。何故、此処に?」

「キサラに言われたんだ。仲間に秘密は止めてと言われてな。」

「そうですか。それで、どんな秘密なのでしょうか? 

 それは男爵級悪魔2体を楽に討伐した事と関係しているのでしょうか?」

「それは……」

「儂も知りたい事だな。」


 リンは慌てて声のする方に向くと、そこには外見が年配の男性の貴族が1人で居た。

 服装はこのまま夜会に出れる様な感じで体型は痩せて見える。


「誰だ?」

「儂か。儂はちょっと散歩が好きな爺だ。」

「散歩か。散歩序(つい)でにやんちゃな坊や2人を連れて来たのか?」

「ふむ。アレらをやんちゃな坊やと呼ぶか。」

「まあな。そっちの爵位は?」

「爵位か。知らない方が幸せだぞ?」

「構わないよ。」

「そうか。それなら最期だから教えよう。人族の言う所の爵位は『子爵』だ。」

「子爵か。その立場でなんで此方(・・)に散歩したんだ。」

「なに。単なる気分転換だ。」

「まあ、正直に言う訳ないか。」


 俺は、物理・魔法の両方に対応したかなり頑強な結界を掛けた。

 これで中のリンは安全だ。


「ゼロ様、コレは!」

「リンも頑張ってはいるが流石にまだ無理が有るから、その中に居てくれ。」

「……分かりました。」

「ほう。立派な結界だ。見事なものだ。」

「それはどうも。それじゃあ、明日も早いんで早速始めようか。」

「何を始めるのだ?」

「分かっているだろ。 キサラ!」

「はい!」


 俺がキサラの名を喚ぶと、キサラは本来の姿である鬼神刀に戻り、俺の手に収まった。


「貴様、鬼神族か!」

「さあ、それはどうかな?」

「いや、鬼神族であれば、この様な問答もしないか。改めて聞こう。貴様は何者だ?」

「両親共に人族さ。」

「ふざけた事を。」


 此処から俺と子爵級悪魔との戦いが始まった。



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