あのね……
見える所だけでの判断は危険です。
聖女ミケル達との食事会も終わり、リンもティア達に加わって頑張っている。
そして、「翼の追求者」の時よりも仲間が増えたお陰で、より無理をしているらしい。
その無理で怪我も増えたのを聞いて、幾ら魔法等で癒せるからといっても、もし、状態異常を与える攻撃だったらどうするつもりだと叱って、それぐらいなら、回避の技術を高めろと言っといた。
それと、流石に5日以上泊まっているから、領主にはとりあえず、金貨5枚受け取って貰った。
一応、言っておくが、この街1番の宿屋でも、俺達が泊まった場合、5日で金貨5枚にならないからな。
そうして、3日くらい経った頃、お世話になっている鍛冶屋の店番担当者のお嬢さんから、俺の悪い噂を教えてくれた。
なんでも、「美女や美少女達を侍らす俺」は最初から目立っていて、最近ティア達と一緒にダンジョンを行っていない事から、ティア達に働かせて、俺は、その稼ぎで遊び回っていると、噂が流れているらしい。
更に、その噂に拍車を掛けているのが、この鍛冶屋の位置だ。
実は、「良い武具は何処であっても売れる。」と鍛冶屋の師匠は思っていて、鍛冶屋の位置が、歓楽街の手前だったりする。
その立地で、俺が朝からその方面に向かっていれば……
更にティア達は、ダンジョンで手に入れたドロップ品や宝箱の中身で要らない物を冒険者ギルドに売った後は真っ直ぐ帰っている為に、俺が余分な事をさせない様に命令していると、思われているらしい。
単に、ティアが早く俺に会いたいだけなんだけどな。
それに、リンは奴隷性分が抜けない為で、キサラは俺の所有物で有り1人はつまらないという訳で、寄り道無しの帰宅なんだけどな。
……まあ、ほっとけば良いか。
蛇足だが、領主館の近くにはちょっと高い宿屋が多いが、これも、悪い噂に拍車を掛けているのだろうな。
更に3日後
俺は鍛冶屋の師匠からの使いで、冒険者ギルドにいる。
まあ、悪い噂のお陰か睨んでいる奴が多い。
そんな中、受付嬢に師匠に頼まれた品物を渡して、受取書みたいなのを貰い仕舞う。
さあ、帰ろうかと少し移動すると10人程に囲まれた。
「お前か。」
「何の用だ?」
「とぼけるな!」
「そうだそうだ!」
「てめえは色街で溺れ、女に働かせるなんてな。」
「事実とは違うな。」
「今更、嘘を付くんじゃねえよ!」
「力ずくで従わせてやる!」
「やっちまえ!」
3分後には、ギルドの隅には積み上げられた冒険者の山が出来ていた。
勿論、迷惑料として全所持金を貰ったが、今回は、一応は義憤だったから、身体を壊すのは止めた。
「……強ぇ。」
「あのガキ、何者だ。」
俺は、冒険者ギルドでの用事を終わらせて、鍛冶屋に戻る途中に、チンピラ3人に絡まれている女生徒2人が居た。
「止めてください。」
「私達には行く理由はありません!」
「そんな事を言わずにさぁ。」
「そうだぜぇ。」
「楽しい思いをさせてやるぜぇ。」
……はぁ。
レベルの低いナンパだな。
「助けて欲しいか?」
「何だぁ?」
「ガキは消えろ!」
「死にてぇのか!」
「「助けて!」」
「分かった。」
俺がそう答えると3人の内、2人が向かって来た。
1人は女生徒2人を拘束している。
「もう、遅ぇぜ。」
「格好つけた事を後悔するんだなぁ!」
2人の内の1人が大きく右腕を振り上げ、俺を殴り飛ばす為に右拳を繰り出し、この後の俺に襲い掛かる暴力に女生徒達が悲鳴を上げる。
「「きゃあああーーー!」」
しかし、右拳は空振ってバランスを崩し、その隙に、俺は腹パン3連打。
「ぐぎゃぁ……」
先ずは1人を倒して、そのまま、もう1人を左回し蹴りで倒す。
「ぎっ……」
女生徒2人の表情が、恐怖と涙でグシャグシャだが、徐々に薄れていたが、残ったチンピラがロープを取り出し、女生徒2人を縛った。
「痛い!」
「きゃ!」
「結構強いな。だがな、オレは冒険者ランクが「C」だ。その意味、分かるな?」
「それがどうした?」
「なら、知らないまま、くたばれ!」
「……お前がな。」
俺は、チンピラの攻撃を躱し、腹に一発、更に顎に一発で、フラフラになった所で双龍○で決めた。
「がっ! ぐっ! ぎ、がはぁ!」
「え!? 良く見えなかったけど、最後は右足だったよね?」
「……う、うん? 私にも最後は右足だった様に見えたけど……」
「左足だよ、ね?」
「うん。左足だ、ね。」
「今、ロープを外すから。」
俺は、ロープを外し、女生徒に洗浄を掛けて、外したロープでチンピラ3人を縛り、全所持金を没収する。
「危ない所を、ありがとうございます。」
「助けて頂いてありがとうございます。」
「こういう時は、甘いモノだよね?」
「あ、……はい!」
「……はい!」
「ちょうど、何故か善意の寄付で懐が潤っているんだ。」
「「そうですね。」」
こうして、俺と女生徒2人は移動した。
ティア達side
私達はゼロ君と朝食を食べた後、少しでも強くなる為に、ダンジョンに向かっている。
本当は、1人で行きたかったんだけど、キサラが付く事になったわ。
そして、途中からはリンも一緒に。
ゼロ君が居ると、どうしても甘えちゃうし、モンスターとの戦闘でも出来る限り「万が一」が無い様にしてから、私達にモンスターを送るから、強くなっているのか不安になる。
だから、このダンジョンで、そんな甘えを無くしたいと思うけど、結局は、キサラが居るからちょっと難しいけどね。
それでも、頑張ってゼロ君の横に並び立てる様になりたい。
そんな想いでダンジョンに到着したんだけど、私達の邪魔する女性冒険者達が現れたわ。
「ねえ。あんた達、悔しくないの?」
「そうよ。男が遊ぶお金を稼ぐ為にダンジョンに入るなんて。」
「……はい?」
「それとも、何か弱みでも握られているの?」
「ちょっと待って! この子達、奴隷紋が刻まれているわ!」
「……屑ね。」
「貴女は奴隷紋が無いけど、あの屑の言いなりで良いの?」
「あの……」
「買取り金を私達が出そうか?」
「そうよね。幾らなのか分からないけど、皆で出せば、大丈夫な筈よ。」
やっと思考が追い付いたわ。
つまり、ゼロ君は私達をダンジョンに行かせて、そのお金で遊んでいると思っていると。
そして、奴隷の買取り金を出すと。
その気持ちは凄く嬉しいわ。
……けど、私から言うと、自慢で嫌みになるから言いたくないけど、私、白金貨600枚の奴隷なのよね。
払えないと思う。
「あのね……」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




