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これから始まる英雄譚! ~俺らの異常な冒険者スタイル~  作者: 丸々。
第五章 [闘技と事件と騒動と]
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八十一話 出発進行

「出るか出ないかはさておいて、私は絶対に行きたいです!」

「オレもオレも!」


 このコンビは無邪気だなぁ。子供か君たちは。


 ……しかし大会とは、俄然がぜんやる気が出ない。ゴリゴリの戦士とかが群がってきそうで、自分が場違いになりそう。


 そもそも、死者ありが当然の大会なんぞ誰が好き好んで出場するものか。


「じゃ、満場一致という事で準備しよっか!」


 店主さん、保育士みたいな素振りで大会に向けての準備……の為の指揮をとる。今も、皆のお母さん的存在となっている。

 俺もアイシャも賛同してないから満場一致ではないんだが。


 俺はともかく、アイシャの気が乗らないのには一つの理由が。


 それは大会についての不満ではない。

 道のりがとにかく遠い。呆れる程遠い、という事他ならない。

 なんでも、交通手段としてキャラバンが出ているらしいのだが、快調に進んでも三日三晩かかるんだと。


 お前さっきまで行く気満々だっただろ。

 いい年したヤツによる幼児期並みの気持ちの起伏に、ちょっとイライラする。


 店主さんは、長い間店を開けるわけにはいかないとのことでお留守番。

 お留守番であり、自分が闘技大会を観戦するわけでもないのに、何故か笑みが絶えない。何かたくらんでいるのだろうか。


 結局、二人のか細い不満だけでは、彼らロンゴとセリスから押し寄せる熱意が留まることはなく。

 あれよあれよと流されるがままに、荷物が整ってしまった。




 力強く脚を踏み込み、時折(いなな)く寸胴の怪物。


 揺れる箱の窓からから顔を出せば満天の青空。


 前には後輩、左腕には寝落ちの銀髪に寄り掛かられ、左前には乗り物酔いのオーガ。


 こちらの事情、気分を介せず世間話やプライベートに脚を突っ込む御者ぎょしゃ


 前後には、同じような乗り物が隊列になっている。


 気がついたらは、ジトラピア行きのキャラバンに乗っていた。

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