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これから始まる英雄譚! ~俺らの異常な冒険者スタイル~  作者: 丸々。
第四章 [其れは生命、大地の化身]
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小話 集会所の者

「……いよいよ決戦か。用意周到から程遠い環境から大逆転は望めると思うかね? ゲイルよ」

「残された弾数で致傷を与えるか、画期的な戦略を編み出すか。正攻法では無駄足掻きとなるでしょう。これならば、優秀な人材を雇い入れた方が格段に賢明であったと思います。……それと、ケイルです」


バアァァアン……バアァァアン……バアァァアン……。


「……銅鑼が鳴らされたな。いつ聞いても、この音は胃が痛くなるもんだ。……集会所に向かうぞ。まずは馬鹿どもの説教だ」




─集会所─

 午前九時。いつぞやの銅鑼が、街中を震撼させた。

 集会所で朝食を頂いている俺たち四人は突拍子の出来事に、ピクリと肩を動かし食器に添える手が固まる。


「ぅおっと……ここで聞くとたまったもんじゃねぇ、破れそうだ。んで、銅鑼が鳴ったっつーことは、またお祭り騒ぎか?」

「お前は何を聞いてきたんだオーガ? どー考えても『大地』だろうよ。近々、お目覚めするって受付のネーチャンも言ってただろ」

「てことは、その『大地』が活動を再開したとかだよな、……なあアイシャ、身を案じるはいいけどさ、面倒な事柄から逃げる姿勢はやめような? 座れ」

バンッ!

おせーぞ! もっと早くしろ! 奥に詰めろって! 入れねぇだろ! 二階だ! 二階に登れえ!


 不動の扉が弾け飛んだ。外で待機でもしていたのか、騒ぎを嗅ぎつけた冒険者が集会所の扉を乱暴に開けて、濁流のように混入してきた。


 普段は野蛮で、数多の怪物を大地に返還してきた暴君たちの忠誠心が垣間見えた。

 呼ばれたならば、何よりも優先して集会所へ赴く精神。素直に感服です。


「……銅鑼……祭り……大勢の冒険者……うっ頭が……」


 セリスが何かを彷彿とさせたようだ。両肘を机に着いて、頭を抱えてうなされている。


 大量に流し込まれた冒険者は、先着の同職に相談したりしている。

 プラムカシムのな季節はとうの昔。ならば、此度の緊急集会はなんなのか。

 勘の良い人や情報網豊かな人は、大方の勘定を共有して発信地となって注目を浴びている。

 胡散臭い俗説も飛び交うが、大体が『大地』というキーワードが浮上するもの。


 そんな人口密度が極端に高く騒々しい空間に、食器具や机椅子とは別の音が空気を伝った。


 奥から足音を立てて参上する、男前な髭が生えたオヤジ。

 ギルドマスターその人である。

 

 眉間に何重ものシワを寄せ、揺るぎない立ち姿からは強者の風格が漂う。

 戯言など場違いな、深刻な雰囲気に誰もが固唾を呑んだ。


「……貴様らに言いたいことは、全部で三つだ」


 静まり返る集会所。沈黙を破ったのは、ギルドマスターの重々しい声であった。


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