表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これから始まる英雄譚! ~俺らの異常な冒険者スタイル~  作者: 丸々。
第三章 [自然の摂理は波瀾万丈]
45/100

分担小話 不死身の生命体/男の隠れ家

 完封した。ボスと子分、合わせて三人に連勝した。いやぁ痛快。

 まさか『身体で教えてやる』ってのがジャンケンだったとは。如何わしいモノを想像した私の心は、もしかしたら汚れているのかもしれない。人は見かけによらないなぁ。


 彼らは大人しく負けを負けと認め、通りたい道を譲って貰い、さらなる領域へと進出する。


「……そうだ。アンタたち、この女の子を見てねぇか?」

「あん?」


 ひらりと、とある女の子の肖像画を差し出す。依頼で捜している子だ。


「……知らねぇな。だが、女の子(・・・)を捜してんだったら、この奥の二番目の分かれ道を右だ。そんで、真っ直ぐ進んで突き当たりの扉に入ると良いい。両脇が赤く彩色されてるから、すぐわかるだろ」

「そ、あんがとね」


 懇切丁寧に教えてくれた。こんな奴が何故ここにいるんだろうか。


 助言に従って、振り返る事無く、何も恐れず進行していく。心なしか、ヒンヤリしていても、湿度が高く感じる。


「……おや、こんな大きいのは珍しいな」


 二番目の分かれ道を右に曲がると、とある怪物にエンカウントした。


 体長は、1から1.5メートル。不定形なカラダ。固体か液体か、面積が増えたり減ったりし、ブルンと脈打つジェル。透き通った青、中心に向かうにつれて濃くなっていく。感情も思考も読み取れない、顔を失ったモノ。


 人々は、この怪物をスライムという。


 『シズクムシ』だなんて名称もあるが、今ではスライムが共通の名称となっている。『ショゴスの破片』だなんて俗説も。


 植物の葉や根、鉱物、怪物の死骸など、好き嫌いのない食生活をしている。歯舌しぜつと呼ばれる器官で食物を削り、舐め取っている。

 これもれっきとした生物。多細胞のカラダは、切断しても破片が再生し、また新たなスライムが増える。体表面は粘膜で護られ、カラダに含まれる水分の蒸発を大幅にカットする。


 ただし、塩や砂糖を掛けると水分が奪われ、干上がってしまう。


「なんで街中にいるのやら。……処分も出来ねぇし、無視するか───」

「あ、こんな所まで逃げてたのか……、? 誰だお前」

「こっちの台詞だ」


 スライムの向こう側から、パンクな男がやって来た。鶏冠のようなモヒカンとは、なかなか良いセンスだ。嫌いじゃない。


「理由は知らんが、帰った帰った。この先にゃなんもねぇよ。じゃあな」

「あやしっ」


 健常者ならば、スライムを触ること自体に寒気を覚えるが、この男はお構いなしに担ぎ上げた。


「……付いてくる必要、ないよな?」

「お気になさらず。この先に在るはずの、児童保護施設・・・・・・に興味がありまして。私は、とある女の子を捜していてね。行方不明になってるから、もしかしたらこの辺りにいるかなと」


 男は足を止めた。


「……ついてきな。案内する」

「いやここ真っ直ぐだろ。知ってんぞ」


 こんな易々と案内しちゃっていいのか。『特別ヤバイ場所ではない』って事を暗示しているのか、門前払いも嫌々な感じもない。


 例の扉がある。両脇に赤い彩色、間違いない。スライムの粘液が滴って、男の服がテカリンチョしていて、見るのも不快だ。どこに需要があるというのだ風呂は入れ。


「ここだ」

「知ってる」

「……まあ入れや。変な気を起こすなよ」

「へいへい。何があるか分からんがね」


 ヌットリした手で扉を引いたため、取っ手が煌めいている。衛生面が絶望的だ。

 招待されて中に入ると、この男と同じ方面の男どもが三人、机を囲って座っていた。



指摘、感想等が御座いましたら、誰でもお気軽にコメントをして下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ