表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これから始まる英雄譚! ~俺らの異常な冒険者スタイル~  作者: 丸々。
第二章 [苦難極まる冒険者生活]
24/100

二十三話 ヤベぇヤツら

「よお相棒! 遅くなったな!」

「ただいま戻りました! ようやく依頼が終わりましたよ」


 能天気そうな声と、かしこまった声が耳に届いた。

 相棒って俺の事か。勝手に相棒にするな。


「おう、遅かったじゃねぇか。アンタたちが来るまで飯が食えねぇんだよ」

「先に食べていれば良かったじゃないですか」

「実はな、俺たち四人は青位への昇格が決まったんだ」

「そうなんですか!? それはめでたいですね!」


 心の底から喜んでいるセリスは、笑顔が眩しい。まるでオモチャを買って貰った子供のように、純粋な笑顔だ。


「がっはっは! そいつぁ吉報だな! ……そして小娘、早急に依頼報告を済ませるぞ」

「フフフ……そうですね! フフフ……」

「あ、俺たちも付いてくぞ。青位の証が貰えるから」


 四人で受付へ。二人は、ニタニタと気味の悪い笑みを浮かべながら、受付へ向かった。ロンゴは討伐対象の素材が詰められたであろう、茶色の革袋を片手に、セリスは溢れ出る何かが抑えきれないように、笑顔を絶やさずに。


 階位が上がって、よほど嬉しいんだろうな。これも彼らのおかげで……。


 と思ったが、よくよく思い返してみると、ロンゴとセリス、何もしてなくね? 


 ま、今はそんな些細ささいな事はどうだっていい。俺たちは昇格した。歓喜に酔いしれようでは───


「達成報告だ。ねーちゃん、コイツをお願いする」

「はい、分かりました……なんですかこれは!」


 受付嬢さんの驚愕した声が響き渡った。


 それを起点に、集会所内がどよめき始めた。皆の意識は一点に集中している。受付、三つの窓口の内一番左、俺たちが毎度利用して、現在も利用している所だ。


 そしてそこに立ち往生しているのは、他に類を見ない鬼人オーガとちまっこいの。その横隅に変哲のない男と赤髪の女。


 二人は革袋から取り出した、皮膜のようなものと何十枚もの鱗、そして甲殻に牙、爪、棘を、革袋を逆さまにして乱雑に落とした。


「この素材はハルムサントの物では!? まさか討伐して……!?」

「はるむさんと? あのデッカい鳥のことかー! 大して強敵じゃなかったがなー」

「そうですよねー、突然現れたけど、ただの雑魚でしたよねー」


 わざとらしい口調で、『騒ぐ様なことはしてないぞ』と伝えたそうに言葉を繋げる。

 受付嬢さんの反応を見るに、これは一大事のようだ。俺には異常性が分からぬが、コイツら何かやらかしたのか?


「しかもこんなに状態が良いものを……。傷一つ付いていないハルムサントの素材は貴重です! 下手すれば、全部で百万ジルになります!」

「おいおいねーちゃん、他にもあるだろ?」

「そうですよ。一気に赤位まで昇格させてくれませんか?」


 犯罪者のような悪い顔をしている。どこの悪党だよ。これ以上評判を悪くさせないでほしいんだが。


「いえ、それはできません」

「アアァァアン?」「ええぇぇええ?」

「やめろよお前ら意地汚ねぇ!」


 カウンターをダンッと叩いた二人に、割り込んで一喝する。


「とにかく、依頼の報酬金と……この素材は後日、換金してお金を渡しますので、それまでお待ち下さい」


 一件落着したようで、青位の証を受け取ってその場を後にした。

 その事案は、この数分間で瞬く間に広まり、この異色なパーティーメンバー四人は一躍時の人となった。


 『ヤベぇヤツらがいる』と。


 四人は机を囲み、いつもより豪華な食事を満喫した。


「いっそのこと、ハルムサントの素材を闇市に流通させればよかったのにな」

「アイシャ、お前はそういう脳しかないのか?」





指摘、感想等が御座いましたら、誰でもお気軽にコメントをして下さい。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ