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これから始まる英雄譚! ~俺らの異常な冒険者スタイル~  作者: 丸々。
第二章 [苦難極まる冒険者生活]
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二十一話 乱入:荒野の砲台、バクガント

お詫び

この回の投稿を忘れていました。

前後の話が噛み合わず、ご名誉をおかけしました。

申し訳ありません。

 地道な作業が始まった。照りつける太陽を背に広大な荒野で腰を屈め、石とバクレツイワモドキを見抜いていく。


 ヤツらは刺激を与えなければ微動だにしないので、わざわざひっくり返したり突いたりする必要がある。


 最初の一匹以降、全く見つからない。どこを探してもスカばかりで、動く石ころは姿を見せない。


 キャクチョウは巨岩の影で一休み。勿論、手綱で繋がれていて逃げることはない。


「おーい、こーはーい。こっち来てくれー」


 なんかうっきうきした声色の呼び声が聞こえた。嫌な予感が凄くする。

 コイツの場合はそうでもないが、呼ばれたからには無視はできないので、素直に要望通りに行動する。


「どんな悪巧みを思いついたんだ?」

「ここにバクレツイワモドキがいるだろ?」


 屈んだアイシャが指差した先には、なんの変哲も無い石ころが。だがきっと、これは駆除対象で間違いないだろうな。


「ああ、いるな。それがどうした? さっさと駆除しろよ」

「コイツを利用して面白い事をしようと思うんだが」

「そうか。やめとけ」


 どうせ連鎖爆発でもするんだろ。お前が考えてる奇行は明白に分かるぞ。

 暑くてイライラしているのもあり、こんな茶番に付き合ってられねぇ。


 冷たくあしらって持ち場に戻る。再び石ころの選別作業に専念しよう。


 そういやセリスらは大丈夫なのだろうか。ロンゴと二人きりということもあって、変な意味とかではなく、単純に不安だ。


「よっせい」

ドゴオォォォオオオンッッ!! ドゴンドゴンドゴオオォォオン!!

「アイシャゴルァア!!」


 びっくりしたなあ!? 心臓止まるかと思ったぞ!


 空気を振動させる轟音が押し寄せてきた。しかも四連続。


「おー、少なくとも三匹は巻き添えに出来たな。綺麗に掃除が完了したと」


 爆発を掃除だと例えるのはなかなかの猛者だな。そういう系の時代背景の住人か?


「お前のマジでいいかげんにしろよ? 一緒に居るとヒヤヒヤする───」

グゴゴゴゴゴゴゴ…………


 爆発がかなめとなったかのように、地響きが訪れる。

 両足で立つこともままならない程の震動は、次第に大きくなり、まるで震源地がすぐ側にあるような感覚に……。


「お、おい! なにか来るぞ!」

「私、なにかやっちゃいました?」

「いつもやらかしてるんだよお前はよぉ!」

ドオォォオン!


 視界の片隅にあった塊が、周囲の土を盛り上がらせながら左右に震えた。


 地中から土をかちあげ、砂の柱を造り出して、地響きの正体が全貌を現した。

 砂岩に擬態できる赤茶色の外殻は全身を守り、強固な岩石の如く一切のヒビがなく、流れ落ちる砂埃を貫く。窪みから這い上がった前脚は、ヘラのようになっており、爪は石器のはめ込んだよう。額には二個の大きなコブが付いており、口内には人間のような歯が揃っている。


 上半身だけ地面から出して、こちらの様子を窺う。見ただけで、動きが鈍い事が予想可能だ。


「落ち着け。コイツは『バクガント』だ。下手に刺激しなけりゃ、襲ってはこねぇ。ゆっくり下がれ。絶対に走るなよ」

「お……おう……」


 焦らず慎重に、着実に距離を開ける。緊張により、一歩一歩後退する時間が長く感じる。


「いいか後輩、何があっても目をそらすな……おっ?」

「えっ?」


 別の物に興味が湧いたような声がした。不覚にも、釣られて同じ方向を見てしまった。


 視線は後ろ斜め下。二人が凝視するそこには、黒い煙が流れ出る禍々しい石ころ。


 この石ころが秘めている、莫大な破壊力は熟知している。なんせさっき見たから。


「えっあっ」


 アイシャに助けを乞おうとしたが、横には彼女の姿形がない。


 なんと彼女は爆走していた。バクガントから離れるように。


「おまあああああああっ!」

グロロロロオォォォォオオ!!


 いち早く危険を察知した、赤髪をなびかせながら逃亡するアイシャを追う。


ドゴオオォォオン!!

「また見捨てやがったなあああああ! 『私がいれば死ぬことはない』って言ってただろおおおおお!」

「逆に言えば私がいなければ死ぬ可能性はあるんだよ! 命が惜しいから私は逃げる! 以上!」


 あのクソアマ、生かしちゃおけねぇ。


 バクガントはというと、口をがっぽりと開け、赤熱した口内から人間目掛けて火球を飛ばした。


ドオォォオン!

「ひいいいいいい! 死ぬアッヅ!!」


 命中はしなかったが、着弾した火球は破裂し、灼けた破片を撒き散らした。不幸にも破片が腕に被弾し、焼きごてを押し付けられるような痛みを味わうことに。いや味わってはないが。

 

 その後、射程圏内から脱出し、しばらくしてからバクレツイワモドキを駆除しに戻った。


 バクガントは追ってこなかったものの、腕に火傷痕が残ってしまった。


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