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これから始まる英雄譚! ~俺らの異常な冒険者スタイル~  作者: 丸々。
第二章 [苦難極まる冒険者生活]
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十九話 その不穏、大地の歩み

 この上なく要らない雑貨を買わされた。


 最初は塗り薬だけと会計をしていったのだが、あれよあれよと宗教勧誘並みの商品の宣伝が為され、


 あ、これ買わない限り続くヤツだ。


 と察したため、塗り薬とよく分からない物を強制的に買わされた。説明は聞いていなかったが、よく分からない小箱? のような物。開かない。


 これは訴えても良いと思うんだ。


 こんな店二度と来ないと誓い、沸々と炊き上がる怒りを押し殺して店を出る。


 悪評でも流してやろうか、と企んでしまった自分がいたが、まあいいさと言い聞かせてアイシャとともに集会所へ回帰した。




─集会所(俺側)─

 時刻は八時半、セリスらと別れて一時間が経過したようだ。あの店にいる間は、不思議と時間が長く感じたものだ。

 

「さーて、やることがなくなったんだが……アイシャ、依頼でも請けるか」

「そーだな。セリスの敵討ちにストンロクスの討伐でも行くか」

「セリスは現役だからな?」


 そもそもストンロクスは赤位だろ。身の程を知れ。


 朝に来た時より、集会所にいる冒険者は多くなった。ざっと十人は超えているだろう。

 会食をしているのか何なのか、それぞれの事情は知りもしないが、ワイワイガヤガヤと賑わい始めている。


 まだまだ緑位なので、依頼を請けても報酬はパッとしない。これからどんどん昇格していかねば。


「おーい、トロールの撃退が」

「却下」



─どこか遠くの地─

 空飛ぶ気球……いや、船といった方が正しい造形をした乗り物の中に、


「……む? なあオイ、コイツを見てくれ」

「なんだ? ワイバーンでも接近してきたか?」 


 黒い髭を濃く生やした身長の低い男と、彼の呼び掛けに応える、頭が寂しい背丈の高い男が。

 髭の男は渋い顔をしながら、手に持った棒状の器具を相方に見せた。何かを記録出来る物のようだ。


「……コイツは……震動か? なんとも不自然に揺れているが……」

「そうだろ? ここらじゃ地震も起きねぇし、これほど広範囲に大きな震動を起こせる怪物はいねぇ」

「妙だな……一応、集会所本部に連絡するか?」

「そうだな。何か誤作動を起こしたのかもしれんが───」

グオォォオッッ! グオッ! グオッ!


 不測の事態に悩んでいると、ナニカが声を出して飛来してきた。


 華やかな彩りを持った怪物が、近くを通り過ぎた。

 全長は四メートル程、全身は緑色でクチバシがある。背中は羽毛で覆われ、尾先はヒョウタンのような形をしている。大きく広げられた翼には、長い爪が二本生伸びている。


 骨格は、俗に言う『ワイバーン』のようなもの。


「ジャグワンが向かってきたぞ。餌になれよ髭」

「突き落とすぞハゲ」



─集会所(俺側)─


「この依頼お願いします」

「あ、ロインさんですね……。えっと、依頼、頑張って下さいね!」


 目を泳がせているが、大概悪評でも流されたんだろうな。十中八九、俺のパーティーメンバーについて。

 なんか『お気の毒に』とでも言いたそうな気まずい表情をしている。

 俺も好きでこんな人材を集めてるんじゃないんだけどなぁ……。


「私が居るから大丈夫。コイツが死ぬことはねぇよ」


 お前がいるから窮地に陥るんだよ。諸悪の根源がなにをぬかす。

 

「ははは……そうですか……」


 ほれみろ、苦笑いをしてるじゃねぇか。出来れば話しかけられたくなかったって顔してるぞ。

 一体感どれだけ評判が悪いのやら……。

俺はお前がいるせいで大衆から哀れみの情をかけられるんだから、少しは配慮して欲しいものだ。


「それじゃ───」

「じゃ、行くか! 今回もちゃっちゃと終わらせよ!」

「お気を付けて……」


 頼むから、少し黙ってろ。



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