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十二話 <視点・ルゥカ>

ゴードの町までサクサクッと進みます。

 森の中の魔法使いの小屋からゴードの町までの道のりはあっという間で、気がつけばもう町の門が見える距離まで来ていた。



 町に着くまでの一週間でルゥカとエクルはダ・リーリに魔法について教わった。

 いわく、魔法とはマナを使い世界におこす奇跡であり世界の秩序に干渉する力である。

 魔法の体系には様々な形があり、タイプは大きく別けて音と(パターン)の二種類。

 エクルの使う魔法は図系統の(スペル)。決められた語を唱えることで陣を展開し、魔法を施行する。エクルが魔法を使おうとしたとき手元が仄かに光るのは形にならない未完成の魔方陣が発光するせいだそうだ。

 一日で座学、講義は終了しあとは実践、実践の繰り返しだった。

 ただ、実践は魔法を使うということで誰か他人に見られるとかなり危険だ。従って夜、食事をしてから寝るまでの時間がそれに当てられた。

 寝る前はなぜか決まってティティが歌声を披露してくれた。その歌声を聴いているといつもぐっすりと眠れて翌日に疲れが残らない。

 ティティの歌は不思議だ。

 私達だけぐっすり眠れて当のティティはちゃんと眠れているのかと訊いたら、他の人より丈夫な身体だから平気だと何が平気なのか分からない事を言っていた。

 日中は二四ある基本語と二つの特殊後の暗記に精を出したり、近くに誰もいないことを確認して肉体強化の魔法を使ってみたりもした。

 その魔法を使うと本当なら重くて持ち上げられない物が持ち上げられたり、普段より速く走る事ができるようになる。

 もちろんルゥカができるのは知識を身につけるまででこと実践に限ってはエクルがやっている。

 リーズメルとイヴメルも言っていたがルゥカには魔法を使えるほど魔力がないそうだ。

 ダ・リーリに師事するようになってから、魔法を使う際明らかにエクルは身体が楽そうだ。顔を歪めることもなくなったし胸元をおさえることもなくなった。疲労がみられる時もあるがそれは一晩経てばすっきりととれている。疲れが溜まるということはなさそうだ。

 ルゥカが魔法に関してエクルの力になれるのは知識しかないからどんな些細なことでも聞き逃せない。

 ルゥカにもできることをしようと決めたのだ。

 ダ・リーリはとてもいい先生で訊けば必ず答えてくれ、ルゥカが難かしい顔をすればさらに分かりやすく言い直してくれた。

『ふむ、上達がはやいのは良いことじゃな。さて、次は物体にかける魔術を教えようかの』

 暖をとるための火を熾したり、暗い所で灯りを燈す魔法ができるようになるとダ・リーリがそう言った。

『ここでは人体も物体の中に含まれる。なに、そんなに難しい顔をするでない。先の魔術同様コツさえつかめれば簡単じゃ。手始めにそこの石を浮かせてみるのじゃ。魔術は〈浮遊〉、(スペル)は〈ΦΛΑΤ〉』

「えっと・・・ Φ(ファイ)   Λ(ラムダ)   Α(アルファ)  Τ(タウ)?」

 たどたどしくエクルが語を唱え右手を石にかざす。

「おぉ!」

「揺れた!今触ってないのに石が揺れた!」

 ルゥカとティティが歓声をあげる。

「はぁー、これけっこう疲れるね」

『マナを用いて直接魔術を使うよりマナを用いて間接的に物体を動かす方がちと労力がいるからの。その魔術から派生したのが肉体強化の魔術じゃ。これが使えるようになれば旅が少し楽になる』

ホッホッホッ、と優しく笑う。

 それが数日前のこと。



 森を出て七日目の夕方、ギリギリ閉門に間に合ったルゥカ、エクル、ティティの三人はすぐに宿を探した。

 ゴードは大きな町で通りには人が溢れ、今日は何か祭りでもあるのかと思ってしまう。

 宿はどこも満室でなかなか見つからなかったが大通りを一つ裏に入った所で穴場的な宿を見つけることができた。

 夫婦二人で切り盛りしている小さな宿で部屋は五つと数も少ない。

 夫婦には五歳になる男の子がいる。余談だが、その男の子がもーすっごく可愛くてルゥカとティティは一発で落とされてしまった。

 夕暮れ、遅い時間にやって来た三人に親切に夫妻は残り物で悪いけど、と言いながらおいしい夕食を出してくれた。

 食事を終えて一階にある食堂から二階にある部屋に引き上げてきたルゥカ達は宿の奥さんに借りた町の地図で魔法使いの小屋で見つけた地図の場所を探し始めた。けれど・・・・・・

「ダメだ。全然分からない」

「ゴード広すぎ!」

「なにより、一千年も昔の地図だしねぇ」

 エクルがガックリと肩を落とし、ルゥカが不満を叫びティティが諦めにも似た溜め息をつく。

 第一、一千年も昔にあった場所がこうしてまだ存在すること自体が奇跡なのだ。悠久に続く人の営みが成せる業だ。

「これ、拡大しすぎなんだよね」

 地図に視線を落としたままティティが言う。

「せめて町のどの辺りかが分かれば少しは楽なのにね」

 ルゥカが同意する。

「山脈がこっちに書いてあるから・・・・・・方角はこれでいいはずなんだけど」

 魔法使いの遺した地図の方をくるくる回してエクルが方角を確認する。

「とりあえずこの地図と似た場所に行ってみるしかないね」

「それって手当たりしだいってこと?」

 借りた地図を指でなぞりながら言うエクルにルゥカが悲壮な声で訊く。

「ま、それは明日からってことで」

 あくびをかみ殺して提案するティティにルゥカもエクルも急に眠気が襲ってきた。

 いつも通りティティが短い曲を一曲歌い、本日は就寝と相成った。


時間軸的に、エクルが肉体強化の魔法を使ったのは物体にかける魔法を教わった後になります。

エクルもルゥカも優秀な生徒です。


閲覧ありがとうございました。

エクルの呪文につきまして、読みにくかったら教えてもらえると嬉しいです。

他にも何かありましたら遠慮なく。…何も変わらないかもしれませが…。

努力はします。ただ、鼎の努力限界はかなり低いです。

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