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十一話 <視点・ルゥカ>

前回より短い気がします。

計画性がなくて申し訳ないです。

 疲れもとれ、翌朝すっきりと目を覚ました。

 三人で簡単な朝食をとった後、さっそく隣りの部屋を調べてみることになった。

「それじゃ、開けるよ」

 そう言ってエクルがただの壁の何もない空間を掴むように手を握り捻る。

 途端に光る線が壁を走り、続けて扉を開く動作をするとキィという音がしてポッカリと空いた穴から部屋が一室現れた。

「すごい・・・・・・」

 思ったままの感想がルゥカの口から漏れる。

「あったよ。ホントにあったよ」

 何かを期待する眼差しでティティが室内を見やる。

 どうやら、隣は寝室らしく簡素なベッドと書き物をするための机と椅子。それと壁二面を埋め尽くすほどの大量の書物がある。

「これは期待、(だい)だね」

 ティティが嬉しそうに物色を始める。

 ここ、人様の家なんですけど。

「僕らも何か手がかりがないか探してみよう」

「いや、だからここは人様の家だから」

 とは弟の気持ちを汲むと言い出せず、無理やり口角を上げて

「う、うん」

 そう返事するのが精一杯だった。

 


 広くないこの部屋では探す、というと場所が限られてくる。

『本棚の書物を迂闊に触るでないぞ』

 壁の本棚にぎっしりと並んでいた本を取ろうとしたルゥカとエクルにダ・リーリが気づき声をかけた。

「え?」

「どうして?」

 手を伸ばした状態で固まる。

『ここは魔術師の住みかじゃ。どんな類の物があるか分からん。まして、この時空(せかい)の魔術がどんな物か分からぬ今、咄嗟の対応ができぬ』

 分かったような、分からないような。

「ねぇ、ルゥカ、エクルちょっとこっち来て!」

 机付近を調べていたティティが二人を呼んだ。

「見てこれ。手紙かな?いや、メモ?」

 机の上に積んであった書物の下敷きになっていたのをティティが見つけた。

「何て書いてあるの?」

「えっと・・・・・・」



 吾が身体すでに老いさらばえて朽ちる時を待つのみ

 然れど吾の知識を知る者居らず、吾の技を継ぐ者居らず

 この能力(チカラ)吾を最後に次代現れず

 吾それを嘆くもそれを是としない

 吾一縷の望みをかけて此処にこれを遺す

 必ず吾らの智を知り技を継ぐ者現れると信じて

 これを見つけし者ここに示す場所へ行き唱えよ

 


『・・・・・・か・・・・・・。ふむ、エクルこれでそなたの魔術体系が判明したな』

「ちょっ、ひどい・・・・・・」

 今まさに読もうとしていたティティを遮り、代わりに読み上げるとダ・リーリが言った。

「え?判明した?」

「いつ?どんなの?」

 かつてここの主がいつか訪れるかもしれない誰かに宛てた手紙だ。おそらく、彼が一千年前の最後の魔法使いなのだろう。

 ティティが見つけた手紙は二枚。一枚には先ほどダ・リーリが読んだ誰かに宛てたもの。もう一枚には地図のようなものと何やら記号のようなものが書かれている。

 逆を言えばそれだけしか書かれていない。

『ほれ、そこに記号のようなものが記されておるじゃろ。それは呪文のようなものじゃ。それを視る限りそなたの魔術のタイプは(パターン)、施行は(スペル)じゃな』

 専門用語的なものが飛び出した。図?語?ルゥカには理解しかねる。

「へぇ~。これが図系統の魔法か・・・・・・初めて見たよ」

 ティティがキラキラ眼で紙を注視する。

「それは・・・・・・どうすればいい?」

 困惑を隠そうともせずにエクルが問う。

『その語を唱えれば言いだけじゃ。だが、地図があるところみるとそこに書いてある場所と関係があるようじゃな』

「唱えるって、読めないんだけど・・・・・・」

『ふむ、なればわしが教えよう』

「お、お願いします」

「ねぇ、見てよ。この地図」

 ティティが地図のとある箇所を指で示す。

「えーと、どれどれ・・・・・・ゴー・・・・・・ド?ゴードの町?」

 それはこれから向かおうとしていた所?けど、ティティがそこへ行くから結果的に向かうことになっただけであって、当初の目的であるティティに追いついたのだからルゥカもエクルももう目的は達成できている。

「いいじゃない?ちょうど行くとこだったし。行ってみようよ」

 ティティは乗り気だ。

「そうだね。ここまで来たんだもの。せっかくの情報を無駄にすることないよ」

 ルゥカが同意する。

「そうだけど、ティティは僕らに付き合ってくれるの?」

 言われてみれば。当然ティティも一緒に行くと違和感もなく受け入れていた。

『もともとその町には』

『行くつもりだったんですもの』

『それはあなた宛の』

『ものでしょう?』

『あなた達に付いて行った方が』

『わたし達も何かと都合がいいもの』

 何やら含みのある物言いだ。でも、一緒に来てくれるのならルゥカ達だって心強い。

『それにわしはそなたに魔術の基礎と語の読み方を教えねばならんしな』

「そういう訳でしばらくよろしくね」

 ペコリとティティがお辞儀する。

 こうしてルゥカとエクルに心強い仲間が増えた。


♪エクルとルゥカのパーティーにティティ一行が加わった♪

旅人とは他人の家の戸棚とかツボだとかを漁ってこそ一人前なのです(嘘)。


閲覧ありがとうございました。

「人物紹介」を更新しました。よろしければそちらもどうぞ。

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