21 鏡の中へ
すみれのお話しとスミレの家に伝わるお話をみんなまでとめてみました。
チュー吉「スミレさんのおばあさんは鏡の中に入ったことがあるのは間違いないでしょう。鏡の製造年月日、明治50年となっていますもの。」
ユキ「明治は45年までだわ!この鏡って?あちらの世界の!」
チュー吉「スミレさんのおばあさんのふるい写真、すみれさんにそっくりです。」
チュー吉は机の上の写真立てを指さしました。女の子と男の人が座っている写真です。
番田「この写真に写っている景色、鏡の中に映った海に似ています。」
スミレ「おばあさんが亡くなったのは、10年前。でもこの写真が仮に私と同じ年の頃だとしたら100歳をかなり越えている年になります。」
香菜梨「このすみれさんのおばあさんの隣に映っている人は外国の人の様です。」
みんな「鏡の中の世界にも、別の国があるんだ。」
チュー吉「そのようです。」
翌日、みんなは鏡を人形の家に運びました。
番田「まさか、運送屋に化けて運ぶんなて。」
チュー吉「仕方ありませんよ、普通の家で行うには危険が伴います。こちらの世界とあちらの世界がすさまじく交流してしまうかもしれません。」
ユキ「私まで運送屋の格好するなんて思わなかったわ。でもよくそっくりな鏡をみつけましたね。」
チュー吉「はい、かくれ里の打ち出の小槌アプリでそっくりさんを出したのです。普通の鏡ではあちらの世界に入れません。」
ユキ「なんかすごく都合のいいアプリですね(^^;)」
人形の家では真春が待っていました。
真春「ここから先は結界です。現世との影響を避けられます。鏡はあの人のアトリエに設置しましょう。」
香菜梨「でもこんなこと思いつくなんて、さすがチュー吉さんですね。」
チュー吉「思いつくというか、あそこの家で鏡の世界に入る、つまり鏡を開けるということは、異世界がこちらの世界や今の時代に影響を及ぼしてしまうからですよ。たぶんおばあさんもそれで、年をとるのが遅れたのだと思いますよ。」
香菜梨「そうですね、それにここで鏡に入れば、こちらの世界では時間は進みませんもの。」
ユキ「また冒険だわ。今度は鏡の世界。ワクワクするわ。」
ユキはまだ知りません、自分の祖父母がかくれ里の住人であることを。たぬきとうさぎの化身であることを。ユキにも隠れ里のパワーがあるのですが、まだ使いきれていません。
みんなは鏡の前に立ちました。チュー吉、番田、香菜梨、ユキ、スミレ、そしてすみれです。
真春は残ります。
香菜梨「ではみなさん用意は良いですか?かくれ里の歌を歌います。」
チュー吉「この場所でならば、香菜梨さんの歌の効果はさらに上がるはずです。あの場所ですみれさんを呼び寄せたのですから。今度は私たちがあちらの世界に行きます。」
真春「みなさん、お気をつけて。いざという時はいただいたかくれ里スマホで連絡します。」
ユキ「真春さん、適応力すごい。」
スミレ「私少し怖いわ。」
ユキ「大丈夫、私と一緒に鏡に入りましょう。」
二人は鏡の中に入り込みました。




