20 スミレとすみれ
ユキ「もう一人のスミレさん!」
少女の後ろには海が、そして古めかしい帆船。とうとう少女は鏡の中から部屋へ入ってきました、小鳥も一緒に。
スミレ「私だわ。」
少女はにっこり微笑みました。
「こんにちは、やっと会えたわもう一人の私に。私の名前はすみれです。」
番田「なんてことだろう、可愛い子が二人。まるで鏡を見ているようです。」
チュー吉「すみれさんには、かくれ里と同じ波長を感じます。私たちと同じお仲間と思います。」
すみれ「おどろかしてごめんなさい。こちらが鏡の中の世界なのですね。」
香菜梨「そうでしたか、すみれさんの世界にもこれと同じ鏡があるのですね。」
すみれ「はい、全く同じです。」
スミレ「不思議だわ、初めてお会いするのになんだかずっと前から知っているような気がします。」
すみれ「ずいぶん前からこちらの世界のことは気がついていました。私と同じスミレさんがいるということも。しばらく前からこちらの世界に一時的には入れるようになりました。」
香菜梨「それは私が歌を歌うようになってからでしょうか?」
すみれ「はい、香菜梨さんの歌は私たちの方にまで聞こえてきて、鏡の中の扉?かしら、それを開けてくれたのです。」
ユキ「不思議だわ、すみれさんがいる世界も同じような世界があるのかしら?」
すみれ「ほぼ似ているのですが、細かいところは違っています。」
番田「どんなところがでしょうか?」
すみれ「例えば、こちらの世界では平成ですが、私たちの世界では明治です。それに大江戸城には将軍も皇帝もいます。」
ユキ「えええ!!」
すみれ「車も飛行機もありますが、ガソリンではありません。みな空気で動きます。それに戦もありません。」
ユキ「なんだか理想の世界、ユートピアみたい。」
チュー吉「そうです、かくれ里とやはりつながっているのだと思います!」
スミレ「でもなぜ、私のおばあちゃんはこの鏡をもっているのでしょう。」
すみれ「それが私たちも良く分からないのです。ただ、どうやらスミレさんのおばあさんは私たちの世界の人からこの鏡をもらい、一度私たちの世界に来たことがあるみたいなのです。」




