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43.魔王城への帰還と、いつものお説教
楽しかった宴が終わり、奏たちは再び、懐かしい魔王城へと帰還した。
スラムのみんなとの別れは寂しかったけれど、「いつでも歌いに戻ってきていいからね」という約束が、奏の背中を優しく押してくれた。
魔王城の大きな門をくぐると、マルバスが、いつものように厳しい、だけどどこかホッとしたような顔で奏たちを迎えてくれた。
「おかえりなさいませ、奏様。無事のご帰還、何よりでございます。……ですが!」
マルバスはビシッと指示棒を奏に突きつけ、眼鏡の奥の目を鋭く光らせた。
「魔王様をお守りする立場でありながら、自ら泥の中に飛び込み、挙句の果てに魔王様に重傷を負わせるなど、メイドとしても王妃候補としても、あまりにも自覚が足りません! さあ、再び『王妃の心得』を一から叩き込みますよ。まずは姿勢の正し方から――」
「あはは……。はい、よろしくお願いします、マルバスさん」
これこれ、このお説教だ。魔王城に戻ってきたんだという実感が湧いてきて、奏は怒られているのに、不謹慎にもクスリと笑ってしまった。リリアが後ろで「ふん、当然の報いね」と呆れている。でも、王宮にいた頃の無能への罵倒とは違う、奏の身を本気で案じてくれるマルバスの厳しさが、今の奏にはたまらなく愛おしかった。




