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彼女に振られ、失うものがないのでダンジョンに行った  作者: vastum


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第5話

────


ダンジョン前。珍しく日中から来たホロの目の前は人でごった返してた。


「日中だとこんなに人いるんだぁ。僕はいっつも夜だったからダンジョンで人見たこと無かったもんなあ」


入口前には人が乱雑ではあるが並んでいて、人を募集するような声が飛び交っていた。


「ヒーラー募集してます!俺らのとこは戦士が2人いるので絶対に守り抜きます!是非ご検討を!」

「俺達は前衛を募集中です!バランスはいいんですけど火力不足で補いたいんです!」

「報酬山分けです!誰でも!戦えれば大丈夫です!」


などなど。色んな人がいる。小さいダンジョンでもこんな人達がいるんだなぁ、と思うホロであった。

かけられる声や視線をかいくぐり、今日も一人でダンジョンに潜る。


ホロの異常性が露見するのも時間の問題だ。


───


僕はいつもの通りに歩みを進める。んだけど、どうしても周りの目がある。みんなも剣とか杖を持っているんだけど、包丁は僕だけみたいだった。

まぁ、そんなの気にしてられないから、包丁片手に潜っていく。


周りを見渡すと今までが嘘のように賑わっていて、僕が狩れるような魔物はいなかった。だけど、スライムやコボルトなどゴブリン以外の魔物を見ることは出来た。


パーティで連携して魔物を倒す姿はかっこよかった。でも、このまま見惚れていても僕が戦える訳では無いので奥へ奥へと進んでいく。


──


ようやく階段を発見したホロは、早速とばかりに降りていく。階段も高さがバラバラで降りにくい。そして、結構長い。


「ここが2階?地下2階?どっちでもいいか!」


次の層では人はあまりいなかった。恐らく、パーティで勝てないと判断してのことだろう。


ホロの眼前には人の代わりに大量の魔物が見えていた。ホロは興奮が抑えきれないように零す。


「これ、全部僕が倒していいんだよね!?」


今まで順調に行ってきた弊害である。ホロは何でも上手くいくと思っている。初心者の一番危険な状態で、他に誰かがいたならきっと止めたことだろう。

しかし、そんなことは知らないとばかりにホロは魔物の中に飛び込み包丁を突き刺し、切りつけ絶命させていく。


「あははっ!たのしいなぁ!」


目をキラキラさせ、笑いながら魔物に襲いかかる。ホロの本領発揮である。


1層から2層に入る階段にその光景を見つめる人影があった。そんなことは露知らず、ひたすらに暴れ回るホロ。

傍から見たらどちらが魔物か分からない光景であった。


────

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