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彼女に振られ、失うものがないのでダンジョンに行った  作者: vastum


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第6話

────


背後からコボルトの噛みつき、横からゴブリンの棍棒。四方八方から襲ってくる攻撃を全て捌ききり的確に切り付けていく。

その姿はまさしく戦闘狂いだった。攻撃をスレスレでよけ、素早く反撃。一切の無駄のない攻撃は、今までダンジョンに興味もなかったとは思えないくらい研ぎ澄まされていた。


「やれる、僕。この階層でもやれる!」


攻撃を捌き、反撃する。ありえない量の魔物と退治しつつ、笑いながら自分に言い聞かせるホロ。


───

人影side


いつも通り2層に降りてきたんだが、なんかすげえ状況になってやがる!スタンピードかと思うほどの魔物の大軍と、そのど真ん中で全員を相手取ってる高校生くらいの男だ。


しかも、

──笑ってて、恐らく無傷の様子だ。


とりあえず助け居るか聞いてみるか。多分いらないと言われるだろうな。


「おい!そこのおまえ!助けはいるか!?」


「あははっ!はっ?い、いらないよ!僕に構わなくて大丈夫!」


どうやらいらないらしい。楽しそうだし、邪魔するのも野暮か。一応ギルドに報告だけ行ってくるか。あと、あいつの情報も聞いてこよう。


この人影は、ランクD冒険者のシル。普段から2層で狩りをしているギルド所属の中堅だ。


───

「──ということがあったんだ」


「そうだったんですね、それにしても…スタンピードですか。本当に起きたら大変ですね」


「だが、さっき言った通り、狩り尽くさんとしてるやつが居たから多分平気だと思うがな」


「そういえば……ちょっとデータ見てみますね。……カチャカチャ……うーん、やっぱり。今このダンジョンに潜ってる中に高校生くらいのそんなに強いひとは居ないはずですが…」


「そうなのか、ギルドに登録していないということなのか?そんな事有り得るのか?魔石はどこで卸しているんだ」


「こんな世の中なので闇ルートと呼ばれる卸屋は無数にありますが、ちょっと違和感ですね。シルさん、今度見かけた時にギルド登録とかの話してもらってもいいですか?もしかしたら知らない可能性もあります」


「ギルドを知らないって、そんな奴いるのかあ?まあ、了解」


「お願いしますね。私は一応ギルドマスターにスタンピードの疑いの話はしておきます」


───

ホロ視点


やっぱり戦闘といえばこうだよね!無限に等しい攻撃を捌きつつ自分のターンで少しずつ反撃!


才能があったのか、ホロは戦闘にのめり込んでしまった。自分以外に、1層で見たパーティの連携しかみていない。なのに、今までの戦闘で何かがホロの中で開花したようだ。

それも、冒険者として1級品の才能が。


しばらく戦闘をしていると声をかけられる。


「おい!そこのお前!助けはいるか!?」


いらないよね、多分。僕だけで十分やれるはずだ。


「あははっ!はっ?い、いらないよ!僕に構わなくて大丈夫!」


やば、声が裏返ってしまった

───


ホロは魔物から飛び散る体液など気にせずに戦い続けた。その姿は修羅のようで、とてもでは無いがダンジョン3回目とは思えなかった。

来ているジャージは、おびただしい返り血でどす黒くなっており見る人が見れば新種の魔物だと思うかもしれない。


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