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彼女に振られ、失うものがないのでダンジョンに行った  作者: vastum


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3/6

第3話

────


外に出ると既に真っ暗で、街灯もないダンジョン入口からは何も見えないくらいだった。


「外くらっ!ゴブリン一体で結構時間使っちゃったなぁ。とりあえず家で体洗って魔石の事調べようかな。あと、色んな冒険者のこと調べてみよ」


───


家に着いたホロはシャワーを浴び、魔石を洗い流す。その後にスマホで魔石の用途を調べ始めるのだった。


「へぇー!魔石って高く売れるんだ!こんなちっちゃくても3万で買い取ってくれるんだ!えっ!これ呑み込めるの……?飲み込むと魔力を得られる、んだ?」


魔石は様々な燃料の代わりになりうるエネルギーを持っている、らしい。それでなんか研究されていてそういう所がたくさん欲しいみたい。あと、強くなるために飲み込むという方法もあるのだとか。魔石は魔力の塊で摂取すると魔力を得られる……?みたいな記事だった。


「よし!なら飲み込んでみるか!」


僕は口に含んで思い切って飲み込もうとしたがなんか呑み込めない。ので、噛み砕けるかチャレンジしてみたら案外脆かったようで噛み砕けた。


「う、ぐぅうぅあぁああ!!!」


やばい、頭が割れそうだ!身体中めっちゃ痛い!死ぬ、死ぬ!やばい!やばい!身体中の骨が!ギシギシいってる!やばい!ほんとうにしぬ!


「があぁあぁあ!!!ぐぁあ!!痛すぎる!」


───


ホロは脂汗を吹き出し、地獄のような痛みに耐え断末魔のような叫び声を上げながら朝を迎え、気絶した


「んぅ…あれ、今なんだったっけ。昨日?フィリアに振られて、ダンジョン行ってゴブリン倒して……ああ!魔石食べてとんでもない痛みに襲われたんだった!あれからどんくらいだったんだろう?」


外を見ると暗かった。


スマホは……あったあった。え!あれから2日経ってんの!?まじ?やべ、学校に連絡してないじゃん。…まあ、いいか。なんか体調いいしダンジョンでも行こうかな。


そう決めてからのホロの行動は早かった。カバンに布で包んだ包丁と500mlの水をいれダンジョンに向かった。


───


「昨日、いや2日前か。全然景色変わってないなぁ。ゴブリンとか居ないかな。なんか体軽いし、包丁も持ってきたから前回より上手く戦えると思うんだよねぇ」


そんなことを独り言ちながら歩みを進めるホロ。それもそのはずで、魔石を摂取し魔力を手に入れている人は常に魔力による肉体強化をされているのである。そのため、魔力の有無で冒険者適正はガラッと変わる。


「あっ!あれはゴブリンではないかね!?よし、少し気配消して近付いてみようかな」


静かに近付くと、一体ではないことに気づく。が、時すでに遅し。ホロはゴブリン達に見つかってしまい戦闘を仕掛けられる。


「あちゃあ、やっぱり気配消すなんて出来なかったかぁ。まあ、いいや」


包丁を抜き、ゴブリンと対峙する。襲ってきたゴブリンに対して首を切りつける。


「よし!いい感じだ!このまま二体目も切りつけたい!」


そのまま攻撃を避け、ゴブリンは転がっていく。次のゴブリンの頭を切りつけたあと最初のゴブリンに包丁を突き刺し致命傷を与える。


「一体終わり!あとお前だけだ!」


二体目にも深く包丁を突き立てて戦闘終了。


───


二体の魔石を抜き取りながらホロは呟く。


「なんか呆気ないなぁ」


ホロは戦闘による興奮と順調すぎた戦闘で気持ちが先走ってしまう。そう、次の層に行こうとしているのである。

ダンジョンには層があり、奥に行けば行くほど敵は強くなる。かわりに魔石も純度の高いものを持つようになる。


「次の層も気になるなぁ。けど、ゴブリンしか出会ってないし、ほかの魔物とも戦ってみたいなぁ」


そう、本来この層にもゴブリン以外にスライムやコボルトなど様々な魔物が生息している。しかし、ホロはゴブリンとしか戦っていないというのも退屈になる要因だったのかもしれない。


「とりあえず水で魔石洗い流して飲み込んでみようかな……いや、ここであんな痛みに襲われたらたまったもんじゃない。ここは冷静に家に帰ろうかな」


───


僕はダンジョンの入口まで戻り外に出る。恐らく今は深夜だろう。外は真っ暗で何も見えない。家に帰るまで色々考える。

そういえば、魔力手に入れたんだよな。てことは魔法とか使えるのかな?暗いし、明かりとかほしいよなぁ。魔法はイメージとか聞いたことがある。ひかれ〜ひかれ〜!この手のひらに光の玉が現れろ〜!そんなふうにイメージを続けていると突如、体の中で何かが動く感覚。手のひらに小さく光る玉が現れる。


「うわっ!!やべ、夜なのにおっきい声出ちゃった。でも手からほんとにこんなのでたら大声も出ちゃうよ」


────

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